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zoom RSS 古い漢字の問題。「鹽」が読めますか?

<<   作成日時 : 2012/12/10 07:42   >>

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★日本語★
問題:以前にも1度挑戦していただきました。古い漢字の問題です。古いとはいえ、つい半世紀前まではふつうに使われていた漢字です。文化を断絶させないためにも、頑張って古い漢字も覺えませふ。失礼、覚えましょう。だいたい臺灣に行ったら、失礼、台湾に行ったら、こんな漢字が多いそうですね。大陸もそのうちに自分たちの過ちに気がつき、変な略字をあらためて元の漢字に戻すかもしれません。
■まずは練習問題から。社會(前の漢字は示に土)はなんと読むでしょうか。そうですね、現代でいえば社会です。繪畫はなんと読むでしょうか。社會から類推して、糸偏に会ですから前の字は絵です。後の字はちょっとむずかしいですね。これは画という漢字の古い字体です。あわせて絵画です。
■次は文章です。「獨學で智識を擴げた」。いまの表記では「独学で知識を拡げた」となります。昔は「廣島に原爆」なんて表記したんですね。
■では本番。次の漢字・熟語の読みを考えてください。
[い]鹽 (ヒント 調味料)
[ろ]缺點 (ヒント まずいところ)
[は]經濟 (ヒント エコノミーの訳語でした)
[に]寫眞 (ヒント 絵画より寫實的)
[ほ]大團圓 (ヒント 丸くおさまる)
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)



























★日本語★
正解:各項目を参照してください
説明:[い]鹽はしお(塩)と読む
■鹽はむずかしい漢字です。でもどちらかといえば、塩のほうがさらに古くからある漢字らしい*2。
□「徒然草」の第136段という部分に、変な逸話があります。意訳します。お医者さんの和気篤成(わけの あつしげ)という人が、法皇の食事に立ち会ったときのことだそうです。篤成氏は食べ物についてなんでも質問してください。本などを参考にせずとも、間違えずにお答えできるでしょう…といった意味のことを言ったらしい。
□知識を誇ったと思われたのでしょうか。六条有房(ろくじょう ありふさ)という人がこの機会に私も勉強させてもらおうといって質問します。「しおという字は何偏なのでしょうか」。篤成氏は「土偏です」と答えます。有房氏は、「もうそれで結構です。これ以上お尋ねしたいことはありません」と侮蔑的に言い放ちます。一座は大笑いになって、篤成は退出してしまったとのこと。
□これだけでは意味がわかりませんね。医師たちは習慣的に塩という漢字を使うそうです。ところが貴族たちは鹽を使うらしい。やんごとなき人々は、正字が鹽で俗字が塩だと思っていたようです。篤成の答えは間違っていると感じ、貴族たちは医者を笑い物にして追い出したというお話です。
□でも和気篤成は、けっして間違えてはいなかったようです。貴族たちは、自分たちの物差しのみを信じ、サイズにあわないものを笑い物にしたわけですね。単に見聞が狭いだけのようです。和気篤成は、さぞや気分を悪くしたことでしょう。ひょっとしたら内心は馬鹿にしたかもしれませんが、客だから喧嘩してもはじまらないや…と引き下がったのかもしれません。
[ろ]缺點はケッテン(欠点)と読む
■これもむずかしい漢字です。欠と缺は異体字の関係だそうです。点と點も異体字の関係です。欠と缺はちょっと連想しにくいですね。點と点は、里という字の有無だけが差になっています。他の部品は共通です。こちらは少しわかりやすいかもしれません。
[は]經濟はケイザイ(経済)と読む
■經濟もなんとなく古めかしい漢字です。でも台湾ではいまでも使われています。ためしに經濟・臺灣を検索語として調べてみましょう。世界中のサイトを検索するように指定されていれば、たくさん引っかかります。
[に]寫眞はシャシン(写真)と読む
■寫眞もなかなか読みにくいでしょう。写と寫は異体字です。どちらも、たくさんの意味がある漢字らしい。並べてみます。「うつす、おきかえる、ぬぎかえる」、「はこぶ、うごかす」、「かきうつす、かたどる、ならう、まなぶ」、「とりのぞく、はらう」、「そそぐ、はく、つくす」。どの意味で使われているのか、昔の人にはわかったのかな。
[ほ]大團圓はダイダンエン(大団円)と読む
■大団円は、「演劇や小説などの最後の場面」ですね。「すべてがめでたく収まる結末についていう」とのこと。ハリウッド映画では、ほとんどがハッピーエンドです。大団円の大安売りですね。大衆相手の商売なので複雑な筋書きや悲しい結末は使いにくいという噂です。
◆参考*1:HP「常用漢字表:文部科学省」
http://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/kokujikunrei_h221130.html
◇*2書籍「徒然草3 第136段医師篤成(くすしあつしげ)、故法皇の御前に」文庫初版121〜125頁、三木紀人(すみと)訳註、講談社
◇辞書「字通」白川静、平凡社
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞泉
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞林

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コメント(5件)

内 容 ニックネーム/日時
塩は庶民の言葉で、鹽は貴族の言葉ということで、塩を使った和気敦成を庶民だと馬鹿にしたのかもしれませんね。

いま、普通に使われている言葉にも、天皇や貴族が使っていた言葉というのがあるようですね。
「おとうさん」も昔は貴族が使っていたようで、それが庶民にひろがったとか。
現在天皇家では、「おもうたま」を使っているようですが、庶民と違うんだということのようですが・・・・
いずれ、我々の子孫も使うかも…・(^_-)
ねこのひげ
2012/12/10 08:10
篤成さんも大変でしたね。鹽は難しい字ですね。当時は、筆で書いてたんですから、また、すごいですね。
宮中言葉もいろいろ有るんですね。

面白いですね
ブータ
2012/12/10 11:11
コメントをありがとうございます。

 おもうさま/おたあさまは、中学ぐらいのころ、冗談で級友たちと言いあったことがあります。なぜ流行ったのかは忘れましたけど。
 そんな言葉を日常的に使っている連中を馬鹿にする風もありました。一種の反骨心だったのかな。
(^^;)
ねこのひげ様<素町人
2012/12/10 22:46
コメントをありがとうございます。

 たしかに鹽という漢字を筆で書くのはたいへんそうですね。右上のほうが真っ黒になってしまうかも。
 昔の人たちは、画数の多い旧字体でも上手に書いたのでしょう。みんながみんな器用だったはずもないのですが。不思議です。
(^^;)
ブータ様<素町人
2012/12/10 22:51
初めまして、アマゾンでベストセラーになっている真説ニッポン伝説と日本人と言う本を読んだのですが1度読まれてみるのはいかがでしょうか?
漢字について目からウロコの事実が書かれていて興味深かったですよ。
著者は藤本 玄と言う人です。
佐藤真貴子
2013/03/01 20:33

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