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zoom RSS 石川啄木の短文からの読み問題。「跋扈」はなんと読むの?

<<   作成日時 : 2012/11/19 07:44   >>

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★日本語★
問題:石川啄木(たくぼく)は、ご存じのように岩手県に生まれ、東京で亡くなりました。満26歳という若さであの世に行ってしまったようです。墓地は北海道函館にあるそうです。
■啄木は、津軽海峡を越えて北海道で仕事をしていたことがあるそうです。いくつかの新聞社で遊軍記者をしたり校正係を務めたらしい。小樽日報という新聞社では1ヶ月だけですが詩人の野口雨情と同僚だったようです。野口はのちに童謡作家として成功します。「♪シャボン玉、♪あの町この町、♪七つの子、♪赤い靴、♪雨降りお月さん、♪証城寺の狸囃子、♪青い眼の人形」など多くの名作を残しています。
■啄木の作品に小樽を初めて訪れた際に書いた短文があります。「初めて見たる小樽」という文章です。さすが詩人、韻を踏んでいるのかな。
■本日はこの短文からの読み問題です。[い]〜[ほ]の漢字・熟語の読みを示してください。
[い]跋扈
[ろ]這般
[は]蛇蝎
[に]雄心勃勃
[ほ]戈
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)



























★日本語★
正解:各項目を参照してください
説明:[い]跋扈はバッコと読む
■跋扈は、「ほしいままに振る舞うこと」だそうです。「のさばり、はびこること」でもあります。そもそもは、魚がかごを越えて跳ねることをいったらしい。
□跋という漢字は、常用漢字表には掲載がありません。漢和辞典「字通」によれば「バツ、ハツ、ハイ、つまずく、ふむ、こえる」などの字音・字訓があります。跋渉(バッショウ)という熟語をつくります。「山野を越え、川をわたり、各地を歩き回ること」だそうです。ワンダーフォーゲルの人かな。
□扈という漢字も、常用漢字表には掲載がありません。漢和辞典「字通」によれば「コ、したがう」という字音・字訓があります。現代でも使われるような熟語は見当たりませんでした。
□なお、扈業(コギョウ)という熟語があり、梁漁(やなりょう)のことだそうです。魚が簀の子(すのこ)に追い上げられる仕掛けですね。それを越えるから跋扈なのかな。
□「初めて見たる小樽」の中では次のように使われていました。「されば階級といい習慣といういっさいの社会的法則の形成せられたる時は、すなわちその社会にもはや新らしき声の死んだ時、人がいたずらに過去と現在とに心を残して、新らしき未来を忘るるの時、保守と執着と老人とが夜の梟(ふくろう)のごとく跋扈(ばっこ)して、いっさいの生命がその新らしき希望と活動とを抑制せらるる時である」。意味のわかりにくい文章です。
[ろ]這般はシャハンと読む
■這般は、「これら。この辺。このたび。今般」という言葉で言い換えられるらしい。「這般の事情により」といえば、「こんなわけですので」という意味です。似たような発音の言葉で、「諸般の事情により」といえば、「いろいろわけがありまして」ですね。
□這という漢字は常用漢字表には掲載がありません。漢和辞典「字通」によれば「シャ、ゲン、むかえる、この、はう」という字音・字訓があります。這裏(しゃり)という熟語をつくります。「このうち、この間(カン)」という意味だそうです。夜這いという嬉しい言葉もつくります。「はう」という意味で使われるのは日本だけらしい。
□「初めて見たる小樽」の中では次のように使われていました。「一史家が鉄のごとき断案を下して、『文明は保守的なり』といったのは、よく這般(しゃはん)のいわゆる文明を冷評しつくして、ほとんど余地を残さぬ」。
[は]蛇蝎はダカツと読む
■蛇蝎は、「へびとさそり」です。人が恐れ嫌うものという意味になります。「蛇蝎のごとく嫌う」というのが定番の表現です。
□蝎という漢字は常用漢字表には掲載がありません。漢和辞典「字通」によれば「カツ、きくいむし」という字音・字訓があります。第一義は木喰い虫のようですが、ヤモリ、サソリという意味もあるとのこと。おなじ嫌われ者を表す漢字では蠍(カツ、ケツ、さそり)もあります。
□「初めて見たる小樽」の中では次のように使われていました。「自由に対する慾望は、しかしながら、すでに煩多(はんた)なる死法則を形成した保守的社会にありては、つねに蛇蠍(だかつ)のごとく嫌われ、悪魔のごとく恐れらるる」。これもわかりにくい文章ですね。
[に]雄心勃勃はユウシンボツボツと読む
■雄心勃勃は、「心が盛んに沸き立つようす」だそうです。雄の心が勃です。ついそちら方面を連想します。でも「心」が勃です。「根」や「茎」のほうではありません。
□勃という漢字は常用漢字表には掲載がありません。漢和辞典「字通」によれば「ボツ、おこる、さかん、あらそう、にわか」という字音・字訓があります。勃興(ボッコウ)、そして勃起(ボッキ)という熟語をつくります。勃勃は「盛んなさま」だそうです。なんとなく皮膚病にかかっちゃったみたいな響きではありますが。
□「初めて見たる小樽」の中では次のように使われていました。「劫初(ごうしょ)以来人の足跡つかぬ白雲落日の山、千古斧入らぬ蓊鬱(おううつ)の大森林、広漠(こうばく)としてロシアの田園を偲(しの)ばしむる大原野、魚族群って白く泡立つ無限の海、ああこの大陸的な未開の天地は、いかに雄心勃々(ゆうしんぼつぼつ)たる天下の自由児を動かしたであろう」。劫初は「この世の初め」、蓊鬱は「草木が盛んに茂るさま」だそうです。
[ほ]戈はほこと読む
■戈は、「古代中国で使われた武器」だそうです。そういえば戦という漢字にも戈がついていますね。
□戈という漢字は常用漢字表には掲載がありません。漢和辞典「字通」によれば「カ、ほこ」という字音・字訓があります。戈天(ホコテン)という熟語をつくります。歩行者天国のことです。冗談です。
□「初めて見たる小樽」の中では次のように使われていました。「世界貿易の中心点が太平洋に移ってきて、かつて戈(ほこ)を交えた日露両国の商業的関係が、日本海を斜めに小樽対ウラジオの一線上に集注し来らむとする時、予がはからずもこの小樽の人となって日本一の悪道路を駆け廻る身となったのは、予にとって何という理由なしにただ気持がいいのである」。20世紀の初頭にはもう世界貿易の中心点が太平洋に移ってきていたんですね。知りませんでした。
◆参考*1HP「図書カード:初めて見たる小樽」
http://www.aozora.gr.jp/cards/000153/card812.html
◇*2HP「常用漢字表:文部科学省」
http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/k19811001001/k19811001001.html
◇辞書「字通」白川静、平凡社
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞泉
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞林

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
『矛と楯』という番組があります。
絶対に穴の開けられない金庫と絶対にどんなものにでも穴の開けられるドリルの戦いで、さてどちらが勝つでしょう?というような単純な番組ですが、人気があって深夜からゴールデンに進出しました。

石川啄木は、北海道では評判が悪いようですね。
記者時代にそこらじゅうに借金をして逃げたようで・・・・
ねこのひげ
2012/11/21 19:36
コメントをありがとうございます。

 矛と盾という番組は観たことがあります。面白い企画ですね。1時間という長丁場に1つの対決なので、視聴者の興味・関心を維持するのに苦心しているような雰囲気がありました。
 素人の勝手な主張ですが、特番にして半年に1回ぐらい、いくつもの対決をまとめてやってくれるとさらに面白くなりそうな。

 石川啄木は家族にも悪口をいわれ、知人・友人・同僚にも悪い評判があるようですね。
→「よく知られた短歌なのに「うそ」の可能性が高い作品はどれなの?」
http://blog.q-q.jp/201003/article_34.html

 後世の我々は直接の迷惑をこうむらないので、啄木の作品を純粋にというか、先入観なしに味わう事が出来ます。
(^^;)
ねこのひげ様<素町人
2012/11/22 07:23

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