耐熱ガラスのコップを冷凍庫で冷やし、沸騰したお湯を入れたらどうなるの?

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★科学★
問題:最近の陶器や磁器、ガラス器などは昔に比べて丈夫になっているようです。熱いお湯を入れてもあまり割れたりしなくなりました。
■昔は厚手の陶器などに熱湯を注ぐときには、割れないように注意して扱いました。あらかじめ、すこしぬるめのお湯のプールにつけておくのもひとつの手です。あるいは初めはごく少量だけお湯を注ぎ、器を傾けます。ぐるっと湯を回し、全体に熱が回ったところでお湯をたくさん注ぐ。そんな心配りをし、手間をかけたものです。
■ガラスの場合には、耐熱ガラスの食器も出回っています。お湯を入れても割れにくいというふれこみです。
■では実験をしてみましょう。耐熱ガラスのコップをきちんと動作している冷蔵庫の冷凍室に入れます。十分に冷やしてから沸騰したお湯をたっぷり注ぎます。耐熱ガラスのコップは、この極端な温度差に耐えられるのでしょうか?
[い]ほぼすべて確実に割れる
[ろ]いくつかは割れる可能性がある
[は]どれも割れない
[に]冷蔵庫の性能による
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)
























★科学★
正解:[ろ]半分ぐらいは割れる可能性がある
説明:ガラスは落とすと割れます。衝撃による破壊です。もうひとつ、熱を加えても割れる場合があります。熱衝撃と呼ばれるらしい。
■景品などでもらった安物のガラスコップがあったら、冷凍室にいれておき、出してすぐ沸騰したお湯を大量に注ぎ込んでみます。かなり高い確率で割れるらしい。お湯に触れた内側の部分は膨張しようとします。触れない外側の部分は現状維持を希望します。この差が激しく、ひずみがガラスの体力を越えたときに割れてしまうらしい。この実験は高熱のお湯と割れたガラス片という危険物を取り扱います。もしなさる場合には、十分に注意してやってください。
■温度の差が膨張の差を生み、ひずみが生じてガラスが破壊される。それなら、熱をうんと通しやすくすればいいかもしれません。全体がおなじぐらいに熱くなり、全体が少し大きくなるだけであり、膨張の差は減り、ひずみも減るはずです。ところがガラスの場合には熱伝導率をあげることはむずかしいらしい。
■熱で割れないコップをつくるもうひとつの方法があります。熱膨張率の低いガラスを使うことです。熱いお湯を注いでも、内側で膨張しようとする力があまり強くなければ、コップは割れずにすみます。このやりかたは研究の結果、可能になったわけですね。それが耐熱ガラスと呼ばれるものだそうです。パイレックスなどの商品名で知られています。耐熱ガラス製品の日本のメーカーではハリオなどが知られていますね。Wikipediaによれば、一般の耐熱ガラスに多く使われているのはホウケイ酸ガラスと呼ばれる素材だそうです*2。男性としては若干親しみを覚える名前です。
■参考資料*2によれば、ふつうの耐熱ガラスは温度差が120度Cぐらいまで耐えられるそうです。沸騰したお湯を100度Cとすると、マイナス20度Cぐらいに冷やされた状態で注がれてギリギリなのかな。
■一般の冷蔵庫の冷凍室はマイナス18度Cよりも低くなるらしい。マイナス18度Cでほとんどすべての細菌が活動を停止するそうです。それ以下に保てれば、食品を長期保存しても大丈夫という理屈ですね。
■耐熱ガラスの性能の限界である温度差120度と、冷凍庫から出して沸騰したお湯を注ぐ温度差はほぼおなじです。コップが古くて少し傷が入っていたりすれば割れるかもしれません。新品なら割れにくいのかな。なお、最近では耐熱温度差140度Cとか150度Cと表示されている製品もあるようです。これらの製品ならおそらく割れないのでしょう。
■化学の実験につかうようなガラスでは、温度差400度Cまで耐える製品もあるそうです。超耐熱ガラスと呼ばれているらしい。熱膨張がうんと小さく抑えられているのかな。
◆参考*1:書籍「理科系雑学」文庫版初版169頁、竹内均編、ISBN4-8379-7133-4、三笠書房
◇*2HP「ホウケイ酸ガラス - Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%82%A6%E3%82%B1%E3%82%A4%E9%85%B8%E3%82%AC%E3%83%A9%E3%82%B9

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この記事へのコメント

ねこのひげ
2012年09月01日 05:12
昔は、うっかり熱いお湯などをガラスのコップに注いで、ヒビをいれて、ガックリしたことが何度かありますけどね。

ガラスというのは、分子が綺麗に並んでいるため、ちょっとしたことで、その配列が乱れると、一瞬で壊れるのだというのを、なにかの本で読んだことがあります。
声で壊すことができるのもそれが理由とか。
ねこのひげ様<素町人
2012年09月01日 08:50
コメントをありがとうございます。

 昔の食器はホントに割れやすかった。熱湯を注ぐときは、こわごわと扱っていましたね。

 そんな中でも、こわれにくい奴がありました。小学生のときに我が家に導入されたデュラレックスというガラスのコップです。
 つい2ヶ月ほど前、最後に残っていた2つを同時に落として割ってしまいました。残念です。それにしても普段使いしているコップが半世紀もったのですから立派です。永年勤続の表彰後に、非資源不燃ゴミの日に出しておきました。
 デュラレックスは現在も販売されていましたので、後継のコップもこいつにしました。おそらく、2060年ごろまではきっと我が家にあり、息子か娘の家族が使っていることでしょう。
(^^;)

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