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zoom RSS 昔の道具の読みかた。「焜炉」はなんと読むの?

<<   作成日時 : 2012/08/27 06:57   >>

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★日本語★
問題:昔の道具の名前は、知っていてもお仕事の役には立たないでしょう。異性との会話がはずむわけでもありません。でも落語や芝居などの古典芸能を楽しく鑑賞することはできますし、お年寄と話すときに感心してもらえる可能性はあります。
■たとえば「竃」。読みにくい漢字です。「かまど、へっつい」と読みます。昔の台所にあった装置ですね。煮炊きするには竃か七輪(しちりん)が必要でした。ちなみに七輪は「炭火をおこしたり、煮炊きをしたりするための簡便な土製のこんろ」です。口絵にあるようなやつですね。
■落語には「へっつい幽霊」とか「へっつい盗人」など、へっついにまつわる題名がいくつかあります。噺の中でもへっついに頭を突っ込んでしまうそそっかしい人物などが登場します(「品川心中」など)。落語を楽しもうとする人は竃(へっつい)を知らざるべからず。なおへっついという言葉は関東でも関西で共通に使えるようです。関西では「おくどさん」という呼び方もされているらしい。
■本日は、昔の道具の読みかたクイズです。下の道具はなんと読むでしょうか? 
[い]焜炉
[ろ]手水場
[は]米櫃
[に]擂粉木
[ほ]卓袱台
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)



























★日本語★
正解:各項目を参照してください
説明:[い]焜炉はこんろと読む
■焜炉は「金属や土で作った、持ち運びが便利な炊事などに用いる小さい炉」だそうです。ガス焜炉、石油焜炉、電気焜炉などがあるとのこと。江戸の昔は炭の焜炉ばかりであり、七輪の同義語だったこともあるようです。関西でいうところのカンテキですね。
□有島武郎(たけお)の「生まれいずる悩み」という小説では次のようにつかわれていました。「配縄(はいなわ)を投げ終わると、身ぶるいしながら五人の男は、舵座(かじざ)におこされた焜炉(こんろ)の火のまわりに慕い寄って、大きなお櫃(ひつ)から握り飯をわしづかみつかみ出して食いむさぼる」。船の上での漁師たちの休息や食事の様子を描いているようですね。
[ろ]手水場はちょうずばと読む
■手水場は道具というよりは装置・設備です。いまのトイレですね。手洗いをする水がある場所という意味なのでしょうか。
□女性は「おちょうず」とも呼びました。上方落語の「猫の忠信」では、義太夫の別嬪(べっぴん)の師匠が炬燵(こたつ)からでると、「お師匠はん、どちらへ」、「おちょうずへ」なんていうやりとりがあります。
□「便所」は便をする所です。いちばんわかりやすい。でも少し露骨です。お上品なかたがたにより、遠回しないいかたが山ほどつくられました。お手洗い、化粧室、厠(かわや)、ご不浄、はばかり、雪隠(せっちん)、後架(こうか)、洗面所、閑処(かんじょ)、下屋敷、一人部屋、勘考場(かんこうば?)などなど。さらに地方にはそれぞれ独特の言い回しがあると聞きます。トイレ、WCなどという舶来風のも含めると、ずいぶん多くの呼びかたになりますね。
[は]米櫃はこめびつと読む
■米櫃は「白米を入れて保存しておく箱」です。転じて、「生計のもととなるもの。生活費の稼ぎ手」という意味も生まれたそうです。役者や芸人を派遣するプロダクションでは、「あいつは米櫃だ」といわれる人は稼ぎ頭かもしれません。反対語は穀潰し(ごくつぶし)。給与が完全歩合制の場合には、穀潰し君には分け前がありません。給料制なら少しはもらえるかもしれません。そのかわり、悪口や陰口に耐える必要があるわけですね。
□「櫃」という漢字は常用漢字表には掲載がありません。漢和辞典「字通」によれば「キ、はこ、とぼしい」という字音・字訓があります。字の形どおり、「木でできた大きな方形の箱」を意味するらしい。
□「仮名手本忠臣蔵」のいちばん最初の場面に登場するのは唐櫃(からびつ)です。足利氏にほろぼされた新田義貞その他の人物の兜がおさめられているらしい。たしかに大きな直方体の箱です。道具というよりは家具に近いのかな。
[に]擂粉木はすりこぎと読む
■擂粉木は「すり鉢で、物をするのに用いる棒」です。なぜか山椒の木が適しているといわれます。
□擂粉木は、少しも進歩せず、かえってだんだん退歩する人をあざけっていう悪口にもなるそうです。台所でつかわれる擂粉木は、使うに従って短くなります。その様子をたとえて、「あいつのバッティングはすりこぎだね」などというらしい。開幕当初はそこそこだったのが、シーズン後半にかけて徐々に打率が下がり、チャンスでも打てなくなってきたのかな。
□余談です。野球の木製バットはヤチダモないしアオダモと呼ばれる木で作られるとのこと。山椒の木は使われないようですね。
[ほ]卓袱台はちゃぶだいと読む
■卓袱台は「和室で用いる、足の短い食卓」です。「しっぽくだい」とも呼ぶらしい。
□「しっぽく」は現在では長崎で食べられる地方料理の名前になっています。中国料理を和風に換骨奪胎したものらしい。落語の「時そば、時うどん」にも「しっぽく」という言葉がつかわれることがあります。この場合は具がのった麺類であり、現在の「おかめ」に近いものという人もいます。
□「大辞泉」には「卓袱台返し(ちゃぶだいがえし)」という言葉も立項されていました。「(腹を立てた者が、食事の途中で)ちゃぶ台をひっくり返すこと」だそうです。星一徹という人物の得意技らしい。
□その昔、素町人が小学生だったころ、我が家でもいちど卓袱台返しがありました。そのとき親父が何に腹を立てたのかは知りませんが、ストレス解消を試みたようです。素町人もいちどやってみたいのですが、ちかごろのテーブルは丈が70cmぐらいあります。ひっくり返すのも容易ではありませんね。
◆参考*1:書籍「生かしておきたい江戸ことば 450語」文庫初版、澤田一矢(いっし)著、ISBN978-4-344-40981-1、幻冬舎
◇*2HP「常用漢字表:文部科学省」
http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/k19811001001/k19811001001.html
◇辞書「字通」白川静、平凡社
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞泉
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞林

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
むかしは、鋳物製の焜炉なんてありましたね。
オフクロなんか使っておりました。

七輪は、いまでもホームセンターなどで売っていますね。
秋が近づいて、さんまが出回って来たので、今年こそ、七輪に備長炭を入れて、さんまを焼いてみるか?と思っております(^^ゞ
ねこのひげ
2012/08/27 07:39
コメントをありがとうございます。

 さんまは七輪で焼くと旨そうですね。

 素町人が小学生のころ、昭和30年代には都市ガスはすでに普及していましたが、それでも路上に七輪を持ち出して煮炊きしているうちがありました。なんとも懐かしい風景です。
(^^;)
ねこのひげ様<素町人
2012/08/27 13:29

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