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zoom RSS 「部下を頭越しに怒鳴った」という表現はどこが間違いなの?

<<   作成日時 : 2012/06/21 07:56   >>

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★日本語★
問題:本日は慣用表現の間違い探しです。まずは練習問題です。「手の平を返すような課長の言動は部下を呆気にとらせた」。この文章の誤りはどこにあるでしょうか。
■「呆気にとらせた」だそうです。「呆気にとられる」と受け身の形でよく使われる「呆気」です。でも、「とらせる」という使役の形では使わないらしい。たしかに「呆気にとらせる」は見たことも聞いたこともありませんね。
■では、下の文章の誤りはどこにあるでしょうか。慣用表現に注目して探してください。
[い]「部長の話に合いの手を打った」
[ろ]「ひょんなことから悪事が明るみになる」
[は]「うっかり油断していたら足元をすくわれてしまった」
[に]「所長は怒りで顔が紅潮し、担当者を頭越しに怒鳴りつけた」
[ほ]「再婚したいが子供たちが手足まといになるのでどこかに捨てちゃおうかな」
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★日本語★
正解:各項目を参照してください
説明:[い]「部長の話に合いの手を打った」の誤りは打ったである
■「合いの手を打つ」という表現はありません。「合いの手を入れる」と「相鎚を打つ」のふたつがごっちゃになってしまっています。この場合では、「合いの手を入れた」、あるいは「相鎚を打った」とすべきなのでしょう。
□親切をもって鳴るATOKでは、「合いの手を打つ」と変換しようとすると、「合いの手を入れる/相鎚を打つ」の誤用と指摘してくれます。
[ろ]「ひょんなことから悪事が明るみになる」の誤りは明るみになるである
■「明るみになる」という表現はありません。「明るみに出る」です。暗い場所にあれば誰にもばれなかったはずの悪事です。ひょんなことで「明るみ」、つまり明るい場所・公の場・表立ったところに出てみんなの目にさらされたということらしい。
□親切をもって鳴る「大辞泉」の説明には、「明るみになる」は誤りという一文が入っています。
[は]「うっかり油断していたら足元をすくわれてしまった」の誤りは足元をである
■「足をすくわれる」が正しい表現です。「足元、足下、足許(あしもと)」はすくえないようです。
□「足元」は立っている足の付近や足の下部、また、足つきをいうらしい。比喩的には立場、身辺の意味にも用いられます。さまざまな儀式や集会では、「お足下の悪い中をお越し頂き」という定型の挨拶があります。こちらは雨の日に多く使われます。
[に]「所長は怒りで顔が紅潮し、担当者を頭越しに怒鳴りつけた」の誤りは頭越しにである
■「頭ごなしに」が正しい表現だそうです。
□頭越しは、「人の頭上を越して何かの動作をすること」です。転じて、「間に立つものをさしおいて、直接働きかけること」も頭越しです。「所長は課長の頭越しに係長を怒鳴りつけた」。この場合は、実際に声が課長のおつむりを越えたのかもしれませんし、比喩なのかもしれません。
■「頭越し」に怒鳴っても威圧や風圧は当人にはあたりません。効果が低い。都々逸でも、「意見聞くときゃ 頭をお下げ さげりゃ意見が 通り越す」と歌われます。この場合の意見は小言・叱責と同義です。
□「頭ごなし」は、「相手の言い分を聞かず、最初からきめつけた態度をとること」だそうです。怒りが爆発しているときには、人の言葉なんて耳に入らないわけですね。頭ごなしの叱責は、中間管理職向けのハウツー本などでは、あまり芳しくない行動とされているようです。
[ほ]「再婚したいが子供たちが手足まといになるのでどこかに捨てちゃおうかな」の誤りは手足まといである
■誤っているのは、言葉とか表現ではなくこの人物の心かもしれませんね。
□「手足」はさまざまに使われます。「手足を伸ばす」という表現もあれば、「手足(しゅそく)を措くところなし」という表現もあるそうです。「安心して身を置く場所がない、不安だ」という意味らしい。そういえば「手足口病」というのもあったな。
□「足手」という表現は、現代では「足手まとい」ぐらいしかないようです。「まとう」は「着る・身につける」という意味と、「からみつく」という意味があります。「足手まとい」の場合は、もちろん「からみつく」ほうでしょうね。
◆参考*1:書籍「勘違いことばの辞典」西谷裕子編、ISBN4-490-10701-3、東京堂出版
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞泉
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞林
◇辞書「字通」白川静、平凡社

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
言葉の表現というのは難しいですな〜
けさも新聞を読んでいて、事故の記事で「10センチたらずの傷・・・」と会ったのですが、事故の記事で10センチ足らずと書いていいのか?と思いましたですよ。
ねこのひげ
2012/06/22 05:41
コメントをありがとうございます。

 同感です。たしか、全日空の飛行機について、そんな表現を見かけました。
 「足らずの」という表現には、「少ない」、「小さい」とか、「たったの」といった主観がまざっているように見えてしまいます。

 あの記事の場合は、「9〜10cmの」とか「約10cmの」と書いたほうが客観的でよかったと思われますね。
(^^;)
ねこのひげ様<素町人
2012/06/22 11:50

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