都会の公園にも棲むという謎の生き物、コウガイビルは人間も襲うの?

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★科学★
問題:世の中には不思議な生き物がいます。以前に弊クイズでもとりあげた寄生虫ハリガネムシなどは、生き物とは思えないぐらい不気味ではあります*2。本日ご紹介するコウガイビルと呼ばれる生き物も、ちょっと想像を絶するほどに薄気味悪い生き物です。
■コウガイビルは、郊外に建っているビルではありません。扁形動物門ウズムシ綱ウズムシ目コウガイビル亜目コウガイビル科コウガイビル属に属する動物の総称だそうです。名前からしてヒルの仲間かなと誤解しますが、Wikipediaによれば、「環形動物に属するヒルとは全く異なった動物」なんだそうです。生物学の専門家から見れば異なる存在なのでしょう。でも「ヒル」と命名されているぐらいですから、素人から見れば外見や動作は似ています。
■陸上の湿ったところに生息する紐状の動物だそうです。長さは10~30cmぐらい。ときには1mを越える大物もいるようですが、幅は1cm未満であり、厚みは数mmだそうです。頭が半月形をしています。昔の女性が使った頭髪の飾りに笄(こうがい)と呼ばれるものがあります。頭の形が笄に似ているところから笄ビルと呼ばれているらしい。
■ときには雨上がりの夜道に落ちていたりするらしい。紐かなと思ってよく見ると動いていたりするそうです。仰天しますね。木の枝からぶら下がったりしていることもあるらしい。畑の脇の湿った地面に転がっている石をひっくりかえすと、トグロを巻いていたりするそうです。都会の公園などでも目撃されることがあるらしい。
■では、奇妙奇天烈な生き物、コウガイビルについての雑学クイズです。次のうちで正しい記述はどれでしょうか?(正解は複数かも)
[い]肉食であり、ミミズやナメクジ、カタツムリなどを捕食する
[ろ]筋肉が異常に発達しており、1mの大物でもビンビンと跳ねながら移動する
[は]口は肛門と共用になっている
[に]釘で地面に打ち付けても、穴の部分が広がって釘からスルリと抜けてしまう
[ほ]時々人間が襲われるが粘液で服が汚れる程度であり、怪我をすることはない
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★科学★
正解:[い]と[は]、[に]が正しい
説明:[い]肉食であり、ミミズやナメクジ、カタツムリなどを捕食する(○)
■コウガイビルは、ヌメヌメと柔軟性の高い身体をしていますが、肉食動物だそうです。似たような柔軟性の高い連中を餌として好むらしい。ミミズを食べてしまうところから、一種の害虫とも見られています。アイルランドで増殖し、ミミズが減って農業生産が落ちてしまったこともあると聞きます。
[ろ]筋肉が異常に発達しており、1mの大物でもビンビンと跳ねながら移動する(×)
■筋肉はあまり発達していないらしい。動作はとてもゆっくりとしているようです。ただひたすらヌメヌメと生きているのかな。頭を振りながら動いているさまは、なんとなく思索にふけっているように見えるらしい。ただし、コウガイビルにどの程度の脳みそがあるのかは知りませんけど。
[は]口は肛門と共用になっている(○)
■口と肛門が共用になっているというのには笑えます。ミミズなどを見つけると「絡みつき、相手を拘束すると、腹部にある□から咽頭部を露出させ、消化液で相手を溶かしてすすりあげてしまう」そうです*5。で、この口が肛門と共用になっているわけですね。食べる穴から排泄物が出てくる。想像しただけで変な気分になります。
[に]釘で地面に打ち付けても、穴の部分が広がって釘からスルリと抜けてしまう(○)
■トカゲが自ら尻尾を切る行為を自切(じせつ)と呼ぶそうです。敵に捕らわれそうになったとき、一部を犠牲にして他の部分を救うわけですね。霊長類である人類の場合にも、ヤクザと呼ばれる種類では自切行為が行なわれます。小指を切ることで命が救われたりします。多くのトカゲには再生機能があり、尻尾はまた生えてくるそうです。ヤクザにはこの機能はないので、残りの人生は少なくなった指で暮らしていかねばなりません。
□コウガイビルにも自切に似た機能があるそうです。自分の身体の傷をわざと広げて逃げるわけですね。この傷が完全に治るのかどうかはわかりませんでした。
□なお、コウガイビルとおなじウズムシ亜目に属するプラナリアという生き物は、メスを使って100片ほどに滅多切りしたところ、再生機能のために100の個体に生まれ変わったそうです。そもそもむやみに生命力の強い連中なんですね*4。
[ほ]時々人間が襲われるが粘液で服が汚れる程度であり、怪我をすることはない(×)
■なにしろヌメヌメと動くだけの生き物ですので、人間が襲われることはいっさいないようです。ただし、木の枝から変な紐がぶら下がっているなと掴んだりすると、手の平にはかなり気持ちの悪さが残るかもしれません。石鹸で洗ったほうがいいのでしょうね。
◆参考*1:HP「コウガイビル - Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%82%A6%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%93%E3%83%AB
◇*2HP「くしゃみをしたら鼻からハリガネムシが出てきたってホント?」
http://blog.q-q.jp/200912/article_31.html
◇*3書籍「へんないきもの」初版38~39頁、早川いくを著、ISBN4-901784-50-1、バジリコ
◇*4HP「海星(ひとで)の意外な生殖機能。どうやって子孫を増やすの?」
http://blog.q-q.jp/201012/article_6.html
◇*5HP「ミミズを捕食するコウガイビル(Land planaria preying on Earthworm) - YouTube」
http://www.youtube.com/watch?v=tBmNncPWQI4&feature=related

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この記事へのコメント

ねこのひげ
2012年03月10日 06:25
この生物は、NHKの富士山特集で樹海を紹介していた時に観たことがあります。
本当のヒルには、中学の時、キャンプに行って、ハンゴウを川で洗っているときに、吸い付かれたことがあります。
川の中をミミズみたいな虫がこちらに向かってくるなと思いながら見ていたら、手の甲にピタッと吸い付かれました。
吸い付いたら、なかなか剥がれなくて焦りました。
ねこのひげ様<素町人
2012年03月11日 11:13
コメントをありがとうございます。

 ヒルもコウガイビルも気味悪い連中ですね。生き物が進化してきたのはわかりますが、なんであんな連中が生まれたんでしょう。
 「神様の悪戯」なんて、進化論以前の人々の表現を使いたくなります。
(^^;)

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