「挨拶は時の氏神」ってどんな意味?

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★日本語★
問題:最近はあまり聞きませんが、昔の決まり文句で、「挨拶は時の氏神」というのがあります。これはどんな意味でしょうか?
[い]よい挨拶から円滑な人間関係が生まれる
[ろ]喧嘩の仲裁人には従うべきである
[は]つとめて年始回りをする人にはその年の幸運がやってくる
[に]挨拶は大切だが挨拶ばかりで話が前に進まず、時間の無駄になってはならない
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★日本語★
正解:[ろ]喧嘩の仲裁人には従うべきである
説明:「争いの調停役はその時の氏神と思い従うべきである」。う~ん、この決まり文句の意味はむずかしいですね。そもそも、生涯を通じて使ったことのない決まり文句ではあります。
■「挨拶」には、現在の意味のほかに、昔は「人間関係が親密になるように働きかける」という意味があったそうです。で、仲介・世話・とりなし・調停などの意味で使われたとのこと。この決まり文句では仲裁人のことを指しています。イランと欧米の喧嘩では誰が挨拶になるんでしょうね。誰もなれないのかな。
■上方落語「三十石」では、乗客と若い船頭が喧嘩する場面があります*2。年配の船頭がとりなすのですが、客がぼやき続けると今度は仲裁人の船頭が客に向かって「ドタマかち割ったろうか」という意味の言葉を言い出します。「おおコワッ、挨拶人の船頭のほうがえげつないで」。なるほど。挨拶にはそういう使いかたがあったんですね。
■「挨拶を上げる」という表現もあるようです。「争いの仲裁をとりやめる」という意味とのこと。仲裁人にもいろいろ苦労があり、「もう面倒みきれない」という場合もあるんでしょう。
■「氏神」の第一義は「神として祭られた氏族の先祖」だそうです。藤原氏の場合なら天児屋命(あまのこやねのみこと)などと決まってるらしい。その氏族にゆかりのある神や神社という意味もあります。源氏なら八幡宮、平氏なら厳島明神だそうです。また、その土地に住んでいる人を守護する神も氏神と呼ばれるらしい。鎮守の神・産土(うぶすな)の神とおなじ存在のようです。
■いずれにせよ、ありがたい神様です。刃向かわないほうがいいような存在なわけですね。で、決まり文句の意味が出てくるようです。
■氏神についての余談。伊勢神宮は近世までは皇室のみの氏神だったらしい。現在では日本人全部の氏神という位置付けがされているそうです。すべての日本人は一度おまいりしておくべきなのかな。
◆参考*1:書籍「決まり文句語源辞典」堀井令以知編、ISBN4-490-10470-7、東京堂出版
◇*2CD「米朝珍品集7『三十石~三十石夢の通い路』」三代目桂米朝、TOCF-5016、東芝EMI
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞泉
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞林

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この記事へのコメント

ねこのひげ
2012年03月22日 07:37
昔は、挨拶に、別の意味も含まれていたわけですね。
イランとアメリカの争いは宗教戦争のようなものですからね。
仏教国である日本が仲裁に入ればいいんでしょうけどね。
外交ベタだからな・・・・おかげでガソリンがついに160円ですがな(+o+)
ねこのひげ様<素町人
2012年03月23日 23:40
コメントをありがとうございます。

 仲裁者という意味は知りませんでした。

 ひょっとしたら、人質立てこもり事件で活躍する交渉人も挨拶なのでしょうか。あれは挨拶じゃなくて単なる警察かな。
(^^;)

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