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zoom RSS 「どさくさまぎれ」などという「どさくさ」の語源はどんなもの?

<<   作成日時 : 2012/03/15 06:25   >>

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★日本語★
問題:現代でもよく使われる言葉に「どさくさ」という言葉があります。「あの野郎、火事のどさくさにまぎれて宝石を盗んでいきやがった」といえば、火事場泥棒の一種なのかな。「倒産のどさくさにまぎれて顧客台帳を横取りする」なんて人もいるかもしれません。
■「どさくさ」は漢字の表記はとくにないようです。ひょっとしたら擬態語・擬音語なのかな。そう思っていたら、参考資料*1には、それらしい語源の説明がありました。それは次のどれでしょうか?
[い]浅草の歓楽街の喧噪のように人や車が往来し、めまぐるしく状況が変わることを「アサクサしている」と表していたが、そのうちに「ア」が「ド」に変わって「ドサクサ」になった
[ろ]「土砂」と「草」が語源であり、戦場で土砂や草にまみれて戦う雑兵のありさまを表現した言葉だった。やがて「どしゃくさ」が「ドサクサ」に変わってきた
[は]「作左衛門」という名前の登場人物が放火をする芝居が元禄時代にヒットし、それ以降、火事の騒ぎを「サクザ」と呼んでいた。サクザの先頭に「ド真ん中」とか「ド近眼」などというときの強調の言葉「ド」がついて、「ドサクサ」という言葉ができた
[に]江戸時代には佐渡の金山で使われる人足狩りが頻繁に行なわれた。賭場などでは「佐渡の手が入った」と一声叫べば、蜂の巣をつついたような騒ぎになる。佐渡をひっくり返してドサ、それに末尾語のクサがついて「ドサクサ」という言葉が生まれた
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★日本語★
正解:[に]
説明:江戸時代、とくに初期には、佐渡の金山で水汲み人足などが不足したらしい。幕府は浮浪者・浪人者・犯罪者などを佐渡送りにして労働力として利用したそうです。「無頼漢募集 軽労働年不問高給」という貼り紙を出しても来てくれそうにありません。狩り込み、つまり一斉検挙で強制的に連行します。佐渡狩りと呼ばれたらしい。
■堅気でない者は賭博場などに集まります。当然ながら博打場は佐渡狩りに狙われました。乱暴に扉を叩かれると、それだけでヤバイってんで上を下への大騒ぎになります。「佐渡の手が入った!」の佐渡をひっくりかえして「どさ」、それに末尾語の「くさ」がついて「どさくさ」になったそうです*1。
■落語の「品川心中」でもそんな場面があります。女郎に騙され心中しそこね、死にそこねた主人公本屋の金造(きんぞう)は品川の海からようやくあがります。死ぬ気だったので家を引き払っています。帰る場所がない。やむをえず知り合いの親分の家に行って扉を叩きます。
■中では何人か集まって丁だ半だとやましいことをやっています。深夜で誰も来るはずもないのに乱暴に扉を叩く音です。「手入れだ!」。すばやく火を消し、それぞれに逃亡をはかりますが、慌てていますのでまともな行動を取った者はいません。へっついに頭を突っ込んでしまうやつ。茶箪笥に衝突するやつ。漬け物樽にはまってしまうやつ。与太郎などは便所に落ちてしまいますし、「なんとか出られた」とそのまま座敷にあがってこようとする始末です*2。このころには水洗便所はなかったようです。
■末尾語の「くさ」はあまり聞かないなと思いましたが、「大辞泉」などで引いてみるといくつか見つかります。「ごたくさ」は「種々の物事が入りまじって、雑然としていること」だそうです。「そそくさ」は「落ち着かず、せわしなく振る舞うさま」らしい。「むさくさ」は「むしゃくしゃ」とおなじで「気持ちが沈んで晴れないさま」らしい。「ちょびくさ」は「口早にペちゃくちゃしゃべるさま」だそうです。こいつは初めて見る言葉だな。「あほくさ」は辞書にこそありませんでしたが、「馬鹿馬鹿しい」という意味で、関西人の会話の中ではしばしば使われます。「いっぴょうのかくさ」も辞書にありません。やはり「馬鹿馬鹿しい」という意味で、主に都会人の会話の中で使われます。
◆参考*1:書籍「生かしておきたい江戸ことば 450語」文庫初版 130〜131頁、澤田一矢著、ISBN978-4-344-40981-1、幻冬舎
◇*2CD「圓生百席23『品川心中/死神』」六代目三遊亭圓生、SRCL-3845/46、ソニーレコード

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
なるほど、言葉をひっくり返すという遊びはこのころからあったというか、江戸時代のほうが多かったのかな?
よく芸能界の業界人と呼ばれる連中が「シーメに行こうぜ」とか「ヒーコーを飲もうぜ」などと言っているのと一緒でしょうね。
わからないように隠語として使っていたのが一般に使われるようになったんですね。
ねこのひげ
2012/03/15 06:47
コメントをありがとうございます。

 江戸時代の人も言葉遊びは大好きなようです。「だらしがない」という言葉も「ふしだら」などという「しだら」がひっくり返ったとする説があるとのこと。
→http://www.jodo.or.jp/knowledge/word/34.html
 素晴らしいという言葉は、意味が「みすぼらしい」から「素敵だ」にひっくり返ったともいわれます。
→http://blog.q-q.jp/200606/article_69.html
 他の言語、たとえば英語ではこんな例はあるのでしょうかね。
(^^;)
ねこのひげ様<素町人
2012/03/15 19:10

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