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zoom RSS 阿川佐和子女史が大笑いしたという「沈香」。ホントはなんと読むの?

<<   作成日時 : 2012/02/16 09:58   >>

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★日本語★
問題:あるテレビ番組で政治評論家のM氏が「沈香も焚(た)かず屁も放(ひ)らず」という言葉を引用したらしい。司会役をつとめていた阿川佐和子(さわこ)女史は、なにかと勘違いして大笑いなさった…というお話が参考資料*1にありました。ホントかな。事実だとすれば面白いな。
■「沈香」は、男性の局部の俗称のようにも読めますし、他の読み方もできるようです。では正式にはなんと読むのでしょうか? ネットの「大辞泉」に掲載されているものを正解とします。
[い]チンコウ
[ろ]チンゲ
[は]シンコウ
[に]ジンコウ
[ほ]ジンカ
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★日本語★
正解:[に]ジンコウ
説明:ネットの「大辞泉」には、「ジンコウ」の読みだけが掲載されていました。他の読みはありません。ATOKやMSIMEなどのカナ漢字変換装置でも、「じんこう」でのみ沈香と変換できるようです。
■沈香は、「ジンチョウゲ科の常緑高木。熱帯地方に産する。葉は楕円形。花は白く、香りがある」とのこと。さらに、「沈香という植物からとった香料。生木または古木を土中に埋め、腐敗させて製したもの」も沈香と呼ばれるそうです。そのいちばん優れた品が「伽羅(きゃら)」と呼ばれます。最近流行の「ゆるキャラ」は、B級品の伽羅なんでしょうか。きっと違いますね。
■余談です。伽羅はわずかな量で大変な価格だったらしい。現在でいえば宝石とか覚醒剤みたいな存在かな。ところが江戸時代の前半、吉原三浦屋の遊女高尾にいれあげた仙台藩主伊達綱宗(つなむね)氏は、伽羅でつくられた下駄を履いて三浦屋に通ったらしい。仙台藩の御家騒動を描いた歌舞伎狂言の名前にも「伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)」というのがありました。俺は並はずれた金持ちだぜという自己主張なのかな。悪趣味です。ひょっとしたら足が臭いので誤魔化そうとしたのかもしれません。
■閑話休題。「沈香も焚かず屁も放らず」というのは、「特によいところもないが、悪いところもなくて、平々凡々であることのたとえ」だそうです。M氏は政治家について語っていたようです。「沈香も焚かず屁も放らず」の政治家では困ると言ったのかな。一種の英雄待望論かな。それが、阿川女史の耳には、「チンコも立たず」と聞こえたのかもしれません。英雄は色を好むといいます。意味は大きくははずれないのかな。
■上方落語の「百年目」にも「沈香」は登場します。関西地方では「沈香も焚かず屁も『こかず』」ですね。大旦那に内緒で芸者遊びをしている番頭が現場を見られてしまいます。クビになるかもしれない。怯えきっている番頭に大旦那が翌朝、声をかけます。「沈香も焚かず屁もこかず」という人物では大きな商いはできないもの。相手が50両使うというのならこちらは60両を出費してもいいではないか。帳簿に穴を開けないかぎり、遊びはどんどんやってくれ。私もまだ老い伏したというわけではない。つきあうでぇ。粋な大旦那ですね。ただし、前の晩は徹夜で帳簿と金庫を調べたようですが。
■三代目桂米朝の「百年目」では、終了間際にこの言葉が引用されます。「ジンコウ」とはっきり聞こえます。話芸の人間国宝はさすがに発音がいいようです。M氏の発音は、「チンコウ」に近かったのかな。
■またまた余談です。以前にも1回弊クイズで取り上げた江戸時代の大ベストセラー、実用的な算数の参考書「塵劫記」はジンコウキと読みます*3。歴史的仮名遣いでは、ジの濁音の点々を表記しません。また「シ」は「チ」と表記しています。「ウ」という読みは「フ」と表記するようです。そんなこんなで、塵劫記の振り仮名はなかなか愉快なものであり、阿川女史の琴線に触れそうな表記になっています。
◆参考*1:HP「沈香(ちんこう)も焚かず屁もこかず - 根っこ(続) - Yahoo!ブログ」
http://blogs.yahoo.co.jp/zgenech/36027384.html
◇*2CD「「特選!!米朝落語全集6『百年目/焼き塩』」42分前後、三代目桂米朝、TOCZ-5109、東芝EMI
◇*3HP「昔の算数クイズ。継子立て(ままこだて)の大逆転ドラマはどこから始まるの?」
http://blog.q-q.jp/201108/article_11.html

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
阿川さんが、沈香を知らんとは思えないけど・・・ジンコウと聞いて、沈香という漢字が頭に浮かんで、チンコウ・・・チンコ・・・
伊達といえば、伊達男という名前の由来になったくらい派手好きなお国柄ですから、そのくらいの事はやったかもしれませんね。
ねこのひげ
2012/02/17 06:43
コメントをありがとうございます。

 伊達男とはいいますが、残念ながら江戸っ子には受けが悪いようです。

 現代のネットの辞書でも、「ひけらかす」とか「見えを張る」などの否定的な意味のあとにようやく「しゃれている」という肯定的な意味が掲載されていました。(「大辞泉」)

 裏地に凝るという通人たちから見れば、伽羅の下駄を履く人物は野暮の骨頂に見えたのかもしれませんね。
(^^;)
ねこのひげ様<素町人
2012/02/18 07:59

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