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zoom RSS 漢検1級程度の読み問題。「暗殺の現場に適いた」の「適いた」はなんと読むの?

<<   作成日時 : 2012/02/13 08:04   >>

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★日本語★
問題:漢検1級程度。これ以上ないぐらいに難しい読み問題です。下の文章の括弧内の言葉を読んでください。
■あまりに珍奇な漢字のため、パソコンの環境によっては漢字が正しく表示されない場合もあります。口絵に漢字が表示してありますので、参考にしてください。
[い]暗殺の現場に適いた、の「適いた」
[ろ]矻矻と努力してきた、の「矻矻」
[は]心労が重なり寠れる、の「寠れる」
[に]陶朱猗頓の富を羨望する、の「陶朱猗頓」
[ほ]刺客は倏然と去った、の「倏然」
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)



























★日本語★
正解:各項目を参照してください
説明:[い]暗殺の現場に適いたの「適いた」はたまたま(いた)と読む
■「適いた」を読めという問題ですので、つい「おもむいた」とか「あざむいた」とか「ふりむいた」、「うそぶいた」など「いた」が末尾につく言葉を探したかもしれません。ちょっとしたひっかけで申し訳ない。「適」と「いた(居た)」は別の言葉でした。
□「適」という漢字は、常用漢字表では「テキ」という音読みだけが記載されています。漢和辞書「字通」では「テキ、セキ、タク、かなう、ゆく、まさに、たまたま、ただ」という字音・字訓があります。
□一般には「たまたま」は「偶々」を使うことが多いかもしれません。「偶然」という言葉もよく使われます。「適」を「たまたま」と読む例を探してみましたが、簡単には見つかりませんでした。おそらくは無駄知識なのでしょうね。
[ろ]矻矻と努力してきたの「矻矻」はこつこつと読む
■「矻」は、第4水準の漢字だそうです。音読みでコツだけがあるらしい。漢和辞書「字通」にも記載のないかなり珍しい漢字のようです。
□参考資料*1には、「日々、矻矻として怠らず」という例文が掲載されていました。「地道に働くさま。たゆまず努め励むさま」なんだそうです。
□コツコツ働く、コツコツ学ぶのコツコツは、「矻矻」の他に「兀兀」という漢字表記もあるようです。ちょっと見ると算数で習う「π(パイ)」に似た漢字です。でも「コツコツ」であり、「パイパイ」ではないようです。
[は]心労が重なり寠れるの「寠れる」はやつ(れる)と読む
■「寠れる」という漢字は、古い「数」という漢字、「數」の左半分にウ冠をかぶせた形になっています。ユニコードは割り当てられているようですが、JISなどでは規定されていない漢字らしい。似た形の漢字でウ冠のかわりに穴冠をかぶせた漢字もあります。「窶」です。「寠」の異体字であり、こちらはJIS第2水準とのこと。
□もちろんどちらも常用漢字表にはありません。漢和辞書「字通」によれば「ク、ル、ロウ、まずしい、やつれる」という字音・字訓があります。「廟中に仕える女が乱れ髪のまま簪(かんざし)飾りを加えない姿」を表しているとのこと。貧苦の意味からやつれるという意味が生まれたのかな。
[に]陶朱猗頓の富を羨望するの「陶朱猗頓」はトウシュイトンと読む
■「陶朱猗頓」は、大昔の2人の大金持ち陶朱と猗頓の名前だそうです。現代でいえばビル・ゲイツみたいなものらしい。
□陶朱は紀元前500年ぐらいに生きていた策士范蠡(はんれい)の後の名前なんだそうです。范蠡の名前は聞いたことがありますね。越の王様勾践(こうせん)の家臣だったようです。勾践は范蠡がいさめるのもきかず、ライバルである呉の王様夫差(ふうさ)に戦いを挑みます。案の定大敗し、包囲されているときに再び范蠡に助言を求めます。范蠡は「どんなに屈辱的な条件でも受け入れて降伏しなさい」と諭したらしい。
□勾践は馬小屋の番人にされたりしてとても悔しい思いをしますが、やがて許されて越に戻ります。范蠡らと富国強兵につとめ、敗戦から20年後に再び夫差と戦い、ついにこれを滅ぼします。「呉越同舟(ゴエツドウシュウ)」とか「臥薪嘗胆(ガシンショウタン)」という四字熟語の由来となった国家間の喧嘩ですね。
□范蠡は勝利者となった勾践の元を離れ、商人として別の国で成功したらしい。陶朱公という名前で呼ばれたそうです。子孫も商売で成功し、お金持ちの代名詞として中国大陸で2000年以上も語りつがれているようです。
□猗頓は塩と牧畜業で財を成した人物だそうです。「猗」は土地の名前を示しているらしい。山西省といいますから、北京や天津よりもさらに西に数百km行ったあたりでしょうか。「頓」は貯えるという意味があるようです。猗頓とは山西省のしまり屋、赤螺屋(あかにしや)といった呼び名なのかもしれません*4。
[ほ]刺客は倏然と去ったの「倏然」はシュクゼンと読む
■「倏然」は、「急であるさま。にわかなさま」だそうです。豪雨は倏然と止んだといえば、なぜか急に晴れ上がり、小鳥の声が聞こえてきたのかもしれません。
□「倏」という漢字は常用漢字表には掲載がありません。漢和辞典「字通」によれば「シュク、すみやか、たちまち、ひかる」という字音・字訓があります。JIS第2水準だそうです。熟語はいくつかありますが、一般によく使われるような言葉は見当たりませんでした。
◆参考*1:書籍「本試験型 漢字検定1級試験問題集09年版」成美堂出版編集部編、ISBN978-4-415-20421-5、成美堂出版
◇*2HP「常用漢字表:文部科学省」
http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/k19811001001/k19811001001.html
◇*3HP「陶朱猗頓の富」
http://homepage1.nifty.com/kjf/China-koji/P-219.htm
◇*4HP「落語で使われる昔の言葉。「お先煙草」ってなんなの?」
http://blog.q-q.jp/200811/article_29.html
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞泉
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞林
◇辞書「字通」白川静、平凡社
◇辞書「日本国語大辞典」小学館

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
范蠡というのは、軍人政治家として成功し、商人としても成功したまれな人物ですよね。
『狡兎死して賢狗煮られる』という有名な言葉を残しましたね。
出処進退の見事な人で、日本の老害の政治家や経営者に見本にして欲しいですね。
ねこのひげ
2012/02/14 06:10
コメントをありがとうございます。

 ひとつの分野ですら成功のおぼつかない者にとって、複数の分野で成功をおさめる人物というのは謎ですね。どんな能力があると、そんなにうまくいくのでしょうか。最低限、心身の健康は必要でしょうけれど。
(^^;)
ねこのひげ様<素町人
2012/02/14 12:52

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