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zoom RSS 三大奇書、夢野久作の「ドグラ・マグラ」からの読み問題。「混凝土」はなんと読むの?

<<   作成日時 : 2012/01/23 08:47   >>

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★日本語★
問題:日本三大奇書というのがあるそうです。小栗虫太郎(むしたろう)の「黒死館殺人事件」、夢野久作(きゅうさく)の「ドグラ・マグラ」、中井英夫(ひでお)の「虚無への供物」だそうです。前2作は1935年(昭和10年)に執筆されています。「虚無への供物」は昭和39年(1964年)の作品とのこと。初版が刊行されたときは塔晶夫(あきお)という筆名だったらしい。
■このうち、中井英夫の「虚無への供物」は高校生の頃に読みました。自宅から50mほどのところに中井英夫という表札の出た家があり、近所の噂では高名な小説家だとのこと。余計な好奇心も手伝って読んではみたものの、いまひとつピンとはきません。中身はすっかり忘れてしまいましたが、青い薔薇の花が関係していたような記憶があります。
■ドグラ・マグラは20代になってから読み始めました。でも途中でこけています。いわゆる幻想怪奇小説というのが好みでないんでしょうね。黒死館殺人事件も完読していません。飽きっぽい性格が災いしたのかな。老後の楽しみにとっておくのだという言い訳をつけて、ほったらかしてあります。
■「ドグラ・マグラ」は、著者が亡くなって50年を経過したとのこと。で、青空文庫でも読めます。アクセス・ランキングを覗いてみると、ベストテンにちゃんと入っていました。なかなかの人気です。
■本日は、「ドグラ・マグラ」からの漢字の読み問題です。「ドグラ・マグラ」は難しい言葉の登場する小説です。たとえば「混凝土」なんて言葉が出てきます。コンクリートと読むらしい。セメントと砂利と水を混ぜて凝固させる土です。意味も近いし、発音も似ている。優れた当て字ですね。
■では、下の言葉はそれぞれなんと読むのでしょうか?
[い]夥しい
[ろ]喘ぐ
[は]蹌踉く
[に]藻掻く
[ほ]斯様
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)



























★日本語★
正解:各項目を参照してください
説明:[い]「夥しい」はおびただ(しい)と読む
■「夥しい」は、「数や量が非常に多い」という意味ですね。「あの日は夥しい数の勤め人が帰宅難民と化した」などと使われます。
□「〜すること夥しい」という形でも使われます。この場合は程度がはなはだしいことを表すとのこと。多くの場合、悪い意味です。「ひったくりの横行すること夥しい」といえば、近畿地方のあの町でしょうか。最近ではワーストワンではなくなったと宣伝していますけど。がんばれH氏。
□「夥」という漢字は、常用漢字表には掲載がありません。漢和辞典「字通」によれば「カ、おおい、おびただしい」という字音・字訓があります。
□「夥粒」と書いてカリュウと読み、夥しい数のつぶつぶを表します…と書こうと思ったら、カリュウは正しくは「顆粒」と書くんですね。こちらの「顆」という漢字は、果物や粒状のものをあらわす漢字らしい。「夥粒」という言葉は手近な辞書で調べた限りでは存在しないようです。素町人とおなじ間違えをなさらぬようご注意あれ。
[ろ]「喘ぐ」はあえ(ぐ)と読む
■「喘ぐ」は、「苦しそうにせわしく呼吸する」とか「息を切らす」という意味です。「急激な円高にあえぐ」とか、「急峻な山道にあえぐ」などと使われます。桃色小説には欠かせない言葉でもあります。作品中に登場する男女は他の分野の小説にくらべてより頻繁に喘ぐようです。
□「喘」という漢字は、常用漢字表には掲載がありません。漢和辞典「字通」によれば「ゼン、あえぐ」という字音・字訓があります。「喘息(ゼンソク)」という熟語をつくります。呼吸がしにくくなる病気ですね。
□喘息の発作のときには、上半身を起こしておくほうが患者は楽なことがあります。昔々、あまり喘息の知識が普及していなかったころ、救急車の中でベッドに無理矢理寝かされ、重症化してしまった例もあったらしい。最近でも年間1000人以上が亡くなる病気だそうです。喘息をなめてはいけません。
[は]「蹌踉く」はよろめ(く)と読む
■「蹌踉く」は、「足どりが確かでなく倒れそうになる」という意味です。幼児や高齢者は、よろめく人が多いですね。すれ違ったり追い越したりするときには緊張します。
□「よろめく」は、また比喩としても使われます。誘惑に負けて道ならぬことをすることを「よろめく」と言いますね。昔々には「よろめきドラマ」という分野の作品がありました。退屈をもてあましている主婦を観客と想定した劇ですね。あんなことをしてみたいという願望が想像の中で満たされるのでしょうか。似たような物語が無数に制作され、無数に消費されているようです。
□「蹌」という漢字は、常用漢字表には掲載がありません。漢和辞典「字通」によれば「ソウ、ショウ、よろめく」という字音・字訓があります。「踉」という漢字も、常用漢字表には掲載がありません。漢和辞典「字通」によれば「ロウ、よろめく」という字音・字訓があります。おなじ意味の漢字を重ねた熟語のようです。
[に]「藻掻く」はもが(く)と読む
■「藻掻く」は、「もだえ苦しんで手足をやたらに動かす」という意味です。「藻掻く」は当て字だそうです。「藻を掻く」という表記ですから、水に溺れている状態を連想してしまいます。
□比喩としては、「事態をなんとかしようとあせる」という意味もあります。「貧困から抜け出そうとして藻掻く」などと使われます。
□「藻」という漢字は、常用漢字表では「ソウ、も」という音読み・訓読みがありました。漢和辞書「字通」には「あや」という字訓も記されていました。この読みは「文」とおなじですね。「藻」のほうには、「美しい詩文」という意味もあるらしい。日本最古の漢詩集は奈良時代に編まれた「懐風藻(カイフウソウ)」という書物だそうですが、関係あるのかな。
[ほ]「斯様」はかようと読む
■「斯様」は、「このとおり」という意味です。「斯様申しております」は「このように言っています」という意味ですね。
□「斯」という漢字は、常用漢字表には掲載がありません。漢和辞典「字通」によれば「シ、さく、これ」という字音・字訓があります。「さく」は「裂く」だそうです。「this」の意味と「tear」の意味が混在しているのは不思議ですね。
□「斯学(シガク)」という熟語に使われます。「斯学の権威」といえば、この学問のオーソリチーという意味ですね。「瓦斯(ガス)」という熟語にも使われます。こちらは単純な当て字のようです。
◆参考*1:HP「図書カード:ドグラ・マグラ」
http://www.aozora.gr.jp/cards/000096/card2093.html
◇*2HP「常用漢字表:文部科学省」
http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/k19811001001/k19811001001.html
◇辞書「字通」白川静、平凡社
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞泉
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞林

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
この三冊は、学生時代には、一度ぐらい読むというかはまるというか・・・
読んでないと「なんだ、読んでないのか」と鼻の先でバカにされたりしましたね。
若者のかっこづけの道具のような本でした。
ねこのひげ
2012/01/24 06:19
コメントをありがとうございます。

 なるほど。素町人も「鼻の先でバカにされる」タイプですね。
 非文学少年としては、軽侮は甘んじて受けるしかありません。それでも「刑事コロンボ」とか「名探偵ポワロ」なんかのほうが面白いのだから、どうしようもありませんね。
(^^;)
ねこのひげ様<素町人
2012/01/24 10:55

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