土踏まずを持った最古の人類はいつごろ生きていたの?

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★歴史★
問題:昔の美女の形容に「三十二相(さんじゅうにそう)揃った美人」というのがあります。小野小町などはそのようにいわれるらしい。五代目古今亭志ん生の落語「羽衣の松」などにも、「小野小町は美人の総取締(そうとりしまり)で三十二相そろっていた」という証言が見られます。
■「大辞泉」によれば、三十二相は、「仏のみが備えている、32のすぐれた身体的特徴」だそうです。本来は仏様がもっている体つきの特徴なんですね。それを美人の特徴に転じてつかったらしい。「髪は烏の濡れ羽色」とか「額の生え際は富士山のような形」、「鼻は高からず低からず」、「肌は七難隠すほどに白い」なんていうのが32項目ほどあるのかな。
■仏様のほうの三十二相の筆頭には、なぜか扁平足が挙げられているそうです。足下安平立相(そくげあんぴょうりゅうそう)というのが正式な呼称らしい。「足の裏が平らで、地を歩くとき足裏と地と密着して、その間に髪の毛ほどの隙もない」*2。これが仏様の足の裏であり、理想的なものだという考えのようです。
■これに対して、現代の科学者たちは、土踏まずという特徴を持っている動物は人類だけだと考えているようです。他の類人猿や猿、その他の動物に土踏まずはないらしい。チンパンジーはいわゆる扁平足であり、仏様の三十二相に適合しているようです。
■土踏まずは二足直立歩行をするために必要になったらしい。人類の足の骨はアーチ状(弓状)に反っています。土踏まずができます。土踏まずは足が着地する際の衝撃を吸収するらしい。足が地面を蹴り出すときまで力を一時的にたくわえるという働きもあるそうです*1。
■人類だけが土踏まずを持っているため、土踏まずの有無が進化のひとつの指標になると見られているとのこと。いわゆる原人や猿人がどの程度直立二足歩行ができたのかを知る手がかりになるようです
■参考資料*1によれば、今年平成23年(2011年)になって、土踏まずを持ち、直立二足歩行をしていたと見られる最古の人類が見つかったと専門誌に報告があったようです。では、その人類は、いつごろ生きていたのでしょうか?
[い]約1000万年~700万年前
[ろ]約600万年前
[は]約440万年前
[に]約320万年前
[ほ]約200万年前
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★歴史★
正解:[に]約320万年前
説明:アメリカの科学雑誌「サイエンス」平成23年(2011年)2月11日号に発表された記事があります。ミズーリ大学のキャロル・ウォード博士らは、アウストラロピテクス・アファレンシスと呼ばれる猿人段階の人類の第4中足骨(足の甲の骨)を詳細に解析した結果、アファレンシスの足には現代の人とおなじような弓状構造があったことを突き止めたらしい。アウストラロピテクス・アファレンシスは、約370万年~290万年前に東アフリカを中心に生息していた猿人だそうです。研究対象となった骨は約320万年前のものらしい。
■約1000万年~700万年ほど前。人類はチンパンジーから分岐したと考えられています。直立二足歩行をした最初の人類は、約600万年ほど前に存在したオロリン・トゥーゲネシスという猿人らしい。大腿骨の特徴から二足歩行が可能と判定されたそうです。でも、このころには土踏まずはまだできていません。約440万年前の猿人であるアルディピテクス・ラミダスも、二足歩行の証拠はあるものの、弓状の構造はなかったらしい。
■今回の解析により、アウストラロピテクス・アファレンシスが、現状では最古の土踏まずを持つ人類という栄誉に輝いたようです。オロリン属やアルディピテクス属に比べ、アウストラロピテクス属は、地上での二足歩行への適応が一段階進んだと見られるらしい。
■なお、アウストラロピテクス・アファレンシスの祖先であり、約420万年前に生きていたとされるアウストラロピテクス・アナメンシスという猿人にも土踏まずがあった可能性は否定できないらしい。今後の研究が待たれるようです。
■余談です。仏様の三十二相の9番目には、 正立手摩膝相(しょうりゅうしゅましっそう)というのがあるらしい。「正立(直立)したとき両手が膝に届き、手先が膝をなでるくらい長い」という身体的特徴だそうです*2。扁平足で手が膝まである? なんとなく、仏様がチンパンジーに見えてきたのですが、これは罰当たりな妄想なのかな。
◆参考*1:雑誌「人類は、いつから直立二足歩行が得意?」Newton (ニュートン) 2011年5月号123頁、ニュートンプレス
◇*2HP「三十二相八十種好 - Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E5%8D%81%E4%BA%8C%E7%9B%B8%E5%85%AB%E5%8D%81%E7%A8%AE%E5%A5%BD

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この記事へのコメント

ねこのひげ
2011年11月11日 07:28
むかしは、猿と人間の境界線がどこかというので揉めていたという記憶がありますが・・・
土踏まずがあるかないかですか?
そうすると土踏まずの浅いねこのひげは、猿に近いのか?
それとも仏に近いのか?
悩みますな(-_-)
ねこのひげ様<素町人
2011年11月11日 22:41
コメントをありがとうございます。

 土踏まずの浅いかたは、きっとお釈迦様に近いのでしょう。

 かつての盗塁王、阪急ブレーブスの福本豊氏は、当時の世界記録を作ったほどの人ではありますが、扁平足だったそうです。土踏まずが2足歩行や2足走行にホントに有効なのかどうか。わからなくなりますね。
(^^;)

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