実は文化人だった(?)豊臣秀吉。どんな趣味で超一流と認められたの?

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★歴史★
問題:ご存じのように、豊臣秀吉は尾張の水飲み百姓の家に生まれ、知恵と努力で天下人になりました。その過程では、出自が卑しいからと馬鹿にされることも少なくなかったようです。
■たとえば柴田勝家は、天正(てんしょう)10年(1582年)の本能寺の変後の後継者決定会議、俗にいう清洲会議で秀吉を恫喝(どうかつ)したと伝えられます。自分こそは古くからの織田の家臣であり、血筋からいっても家臣団中のナンバーワンだと自負していたらしい。実力主義の戦国時代です。血統書ではチャンピオンになれないことを理解しておくべきだったでしょう。会議から1年もたたないうちに秀吉に滅ぼされてしまいました。
■秀吉は、世渡りの知恵については、おそらく当時の日本で1番の人物といえるでしょう。戦争の技術についても、金満家という点でも1番かもしれません。でも私生活についてはどうでしょうか。抜群の趣味があったという話は聞きません。
■趣味といえるかどうか。女性を愛好したという噂があります。でも、同時代の武将たちの中で飛び抜けて好色とはいいきれないでしょう。陣中でも四十八手を使っていたという噂があり、性技の奥義について著作があるという松永久秀(ひさひで)などにくらべれば、ごくふつうの情欲の持ち主かもしれません*2。
■ところで、近年になってある有名な文化人が、秀吉の趣味について「超一流」というお墨付きを出していたそうです。その趣味とは、次のどれでしょうか?
[い]書道
[ろ]香道
[は]茶道
[に]華道
[ほ]能
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★歴史★
正解:[い]書道
説明:参考資料*5によれば、北大路魯山人(きたおおじ ろさんじん)は一休宗純(そうじゅん)・豊臣秀吉・良寛(りょうかん)を新三筆に選んでいるそうです。
■三筆というのは書道界の御三家みたいなものらしい。御三家といえば舟木一夫(かずお)・橋幸夫(ゆきお)・西郷輝彦(てるひこ)ですね。古いか。西条秀樹(ひでき)・野口五郎(ごろう)・郷ひろみかな。こちらもすでに古くなっているのかな。
■北大路魯山人は、お宝鑑定団の常連視聴者にはおなじみの文化人です。篆刻家(てんこくか)、陶芸家にして画家、漆芸家、美食家、料理家、そして書道家だそうです。明治16年(1883年)に生まれ、昭和34年(1959年)に他界しています。篆刻とは、「石・木などの印材に字を刻すること」だそうです。商店の看板から石碑の文字まで、固い物に字を刻むと篆刻と呼ばれるらしい。
■書道家としても一家をなしたといわれる北大路魯山人に褒められた秀吉の書がどんなものなのか。よくわかりません。秀吉は政治家ですから公的な文書は多く残されているのかも。母親の大政所(おおまんどころ)や正室のねねなどへの私的な手紙も少なくないようです。こうした筆跡をいろいろ鑑定した結果、「新しく三筆を選ぶとしたら、一休・良寛とともに秀吉も入れるべき」という結論に達したのかな。
■北大路魯山人という人は洒落を好む人だそうです。従来の価値観を疑ってかかる人でもありました。だからこそ、さまざまな革新・創造ができたのでしょう。秀吉を三筆に選んだのも、魯山人一流の皮肉なのかもしれません。硬直した書道界・骨董界に一矢を放ったという可能性もあります。まっ、それにしても水飲み百姓の小せがれが日本を代表する芸術家に擬されたのですから、世の中は面白いですね。
■なお、書道には三筆、三蹟、三聖などという漢数字「三」にまつわる名誉ある地位があるようです。三蹟や三聖は1組だけなのに対し、三筆は時代ごとにいくつもの組みあわせがあるらしい。以下に並べておきます*1。
▼三蹟(三跡とも)
---小野道風(おののとうふう)、藤原佐理(さり/すけまさ)、藤原行成(こうぜい/ゆきなり)
▼三聖
---空海、菅原道真(みちざね)、小野道風
(空海は三筆と兼任、小野道風は三蹟と兼任です)
▼三筆
▽平安時代の三筆
---空海、橘逸勢(たちばなのはやなり)、嵯峨天皇
▽寛永の三筆(寛永の元号は1624年2月~1644年12月まで)
---本阿弥光悦(ほんあみ こうえつ)、近衛信尹(このえ のぶただ)、松花堂昭乗(しょうかどう しょうじょう)
▽黄檗(おうばく)の三筆(黄檗宗の書の三名人)
---隠元隆琦(いんげん りゅうき)、木庵性瑫(もくあん しょうとう)、即非如一(そくひ にょいつ)
▽幕末の三筆
---市川米庵(いちかわ べいあん、市河とも)、貫名菘翁(ぬきな すうおう)、巻菱湖(まき りょうこ)
▽明治の三筆
---中林梧竹(なかばやし ごちく)、日下部鳴鶴(くさかべ めいかく)、巌谷一六(いわや いちろく)
▽昭和の三筆
---日比野五鳳(ひびの ごほう)、手島右卿(てしま ゆうけい)、西川寧(にしかわ やすし)
▽筆箱の中の三筆
---鉛筆、シャープ、ボールペン
◆参考*1:HP「三筆 - Wikipedia」(111116現在)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E7%AD%86
◇*2HP「将軍殺害東大寺大仏殿放火の松永久秀。日本最初の自爆自殺者なの?」
http://blog.q-q.jp/200811/article_30.html
◇*3HP「「民芸運動の父」と呼ばれるのは誰なの?」
http://blog.q-q.jp/200607/article_37.html
◇*4HP「文化史02 三筆・三蹟」
http://www.city.kyoto.jp/somu/rekishi/fm/nenpyou/htmlsheet/bunka02.html#a
◇*5HP「三筆・寛永の三筆・黄檗の三筆 京都通百科事典」(111116現在)
http://www.kyototsuu.jp/Tradition/SyodouSanpitsu.html
◇*6HP「「今の時代、書の名人は誰?」と問われた本阿弥光悦の返答は?」
http://blog.q-q.jp/200707/article_47.html

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この記事へのコメント

ねこのひげ
2011年11月17日 05:56
秀吉の直筆の書というのを見たことがありますが、シロウト目にも達筆で、本当に秀吉本人が書いたのかと疑いたくなるくらいうまかったですね。
出身が出身なので、相当な努力をしたのでしょうね。
戦国時代の武将のほとんどは文盲で、武士は、強ければいいんだという風潮だったそうで、僧侶に代読代筆させていたのが、ほとんどだそうですから。
ねこのひげ様<素町人
2011年11月18日 09:22
コメントをありがとうございます。

 秀吉は人を動かす名人でしたから、自筆の手紙の効用もよく知っていたんでしょうね。
 書く機会が多いし、書道の家庭教師はいくらでもいたでしょうから、上達したのかな。

 江戸時代後半になっても、ひらがなしか読めない浪人者はいたのかもしれません。「泣き塩」という落語には、そんな浪人者が往来で手紙を読んでくれと町人娘に頼まれ、読めずに恥をかく場面があります。
(^^;)

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