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zoom RSS 言葉の間違い探し。「改革は依然として進んでいる」は間違いが含まれているの?

<<   作成日時 : 2011/10/13 08:27   >>

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★日本語★
問題:正しいのか誤りなのか。慣用句の微妙な使い方の問題です。下の選択肢の文のうち、正しい使いかたをしている文章はどれでしょうか? (複数かもしれないし、ないかもしれません)
[い]森は辺(あた)りを払う静けさだった
[ろ]改革は依然として進んでいる
[は]仮装が板についている
[に]意を尽くして犠牲者を弔った
[ほ]問題点を指摘された担当者は鸚鵡(おうむ)返しに反論した
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★日本語★
正解:どれも微妙に間違っている
説明:[い]森は辺(あた)りを払う静けさだった(×)
■「辺りを払う」は、「他の者を近くに寄せつけない」という意味があるそうです。「お人払い」ですね。「辺りを払って社長に機密事項の報告をする」などと使われるらしい。
□「お人払い」をすれば、結果として静かになるかもしれません。「辺りを払ったら不自然な静けさがやってきた」という表現なら間違いではないのかな。でも、単純な静けさの形容に「辺りを払う」は使えないようです。
□「辺りを払う」にはもうひとつ意味があって、「そばに寄りつけないほど堂々としている」、あるいは「威勢がある」という意味でも使われます。「明治天皇は威風辺りを払う人物だった」などと使われるようです。近ごろの言葉でいえばオーラがあるということかな。
[ろ]改革は依然として進んでいる(×)
■「依然として」は、「古い体制の問題点は依然として残っている」とか、「食欲不振が依然として続いている」などと使われます。
□「依然」は、「もとのままであるさま。前のとおりであるさま」だそうです。改革は元の姿を変えることです。例文は、理屈の上では矛盾が生じます。「完全に正しい表現である」とはいいにくいようです。改革が常態になっている場合にはそんな表現もOKという意見もあるかもしれませんけど。
□「改革の速度は依然としてのんびりしたものである」という表現なら問題ないでしょう。速度が元のままである。等速度運動であり加速していないという意味では、「依然」の使いかたとしては間違いではなさそうです。
[は]仮装が板についている(×)
■「板につく」という言葉は、「服装や職業などが、その人になじんでふさわしくなること」をあらわすそうです。板は元は舞台をあらわしたらしい。役者が経験を積み、芸が舞台になじむことが「板につく」だそうです。「大臣としての答弁が板についてきた」という表現はあっても、「証人喚問での答弁は板についたものだった」という表現はなさそうですね。
□仮装はその日・その場限りの衣装ですので、板につくことはありません。少なくとも理屈の上ではそうなります。
□花嫁衣装もやはり板につきません。亡くなったエリザベス・テーラーのように、8回も結婚している場合には、「ウェディング・ドレスが板についている」と言えるのかな。
□余談です。歌舞伎などでは、幕が開いたときに役者が舞台に出ていることを「板付き」と呼ぶそうです。他の場合は上手か下手、あるいは花道から舞台に登場するわけですね。
[に]意を尽くして犠牲者を弔った(×)
■「意を尽くす」とは、「相手に納得してもらうために、自分が考えていること、思っていることを十分に言い表すこと」だそうです。プレゼンなどの売り込みの場では、意を尽くさねばなりません。例文の場合は、「誠意をもって」という意味にとれます。間違いのようです。
□似たような言葉に、「心を尽くす」というのがあります。「心の底から思ってする」とか、「できる限りのことをする」という意味だそうです。「心を尽くして犠牲者を弔った」という文章なら、間違いではないようです。
[ほ]問題点を指摘された担当者は鸚鵡(おうむ)返しに反論した(×)
■「鸚鵡返し」は、「人から言われた言葉をそのまま言い返すこと」だそうです。「ごらん、いい月だ」と言われたら、「いい月ですね」と返すのが鸚鵡返しです。
□「設定した価格は高すぎないか」と突っ込まれたとき、「そうです。高いですね」と鸚鵡返ししたのでは、反論にはなりません。「そんなことはありません。これだけの機能を備えていれば、設定価格でも消費者は十分に満足するはずです」。これは鸚鵡返しではないようです。
◆参考*1:書籍「勘違いことばの辞典」初版4〜8頁、西谷裕子編、ISBN4-490-10701-3、東京堂出版
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞泉
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞林

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
使い方が微妙に変化していくというのはありますよね。
最近の若者が使っている日本語はきたないなどと発言もありますが、徐々に変化していくものなのでしょうね。
なにかの番組で70%以上の人が使っている言葉遣いが、実は間違った使い方であるというのがありました。
ねこのひげ
2011/10/14 05:00
コメントをありがとうございます。

 誤った使い方が定着してしまい、もはや後戻りできそうもないという事例は少なくないようです。

 素町人が気づいた範囲では「助長」という言葉です。もともとは、「不必要な力添えをして、かえって害すること」だそうです。たとえば、「勝利に飢えていた投手に変化球を教えたら肘を壊して野球を諦める羽目になってしまった」という場合、「コーチが助長して最悪の結果を招いた」といえるらしい。

 「助長」は「苗を早く生長させようと思った宋の人が苗を引き抜いて枯らしてしまったという『孟子』公孫丑上の故事」に由来する言葉だそうです。

 現在では、「力を添えて、ある物事の成長や発展を助けること。また、ある傾向をより著しくさせること」という意味で使われます。「国際交流を助長する」などと使われるわけですね。意味としてはほぼ180度逆になってしまっています。
(^^;)
ねこのひげ様<素町人
2011/10/14 08:37

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