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zoom RSS 駄洒落でつけられた日用品・食品の名前。「武蔵野」はどんな道具の名前なの?

<<   作成日時 : 2011/08/25 06:31   >>

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★日本語★
問題:落語に「試し酒」という演目があります。おたくの飯炊きの権助は大酒呑みかもしれないが、さすがに5升の酒は呑めまい。いや呑めるでしょう。権助の主人とその友人が賭けをします。ちょっと考えさせてもらうべぇ。権助はいったん2人の前から姿を消します。なんだ、逃げちまったじゃないか。いやいやそんなはずはないのですが。やがて戻って来た権助は挑戦すると言い出します。
■権助は大きな盃になみなみと注がれた酒を一息に呑み干します。これで1升。あとはなんだかんだと馬鹿話をしながら、大盃を計5回も空にします。
■参った。お前は凄いな。ははぁ、なにか秘密があるな。始める前に酒がいくらでもやれる秘薬かなんかを飲んできたか。なんにせよ、いったん姿を消したのが怪しい。あれはなんだったんだ?
■権助の回答がオチになっています。ワシも生まれて初めて5升の酒を呑むわけだからね、ホントに出来るかどうか、前の酒屋で試しに5升呑んでみただよ。10升は1斗です。「斗酒なお辞せず」とは、権助のことだったんですね。
■権助が傾けた大盃は、「武蔵野」と呼ばれるそうです。武蔵野はとても広く、見つくせません。「野、見尽くせない」→「のみつくせない」という駄洒落で、酒がたくさん入る大盃は「武蔵野」と呼ばれるそうです。
■本日は、「武蔵野」とおなじでんで駄洒落から名前のついた日用品・食品の名前についてのクイズです。次の名前の説明のうち正しいのはどれでしょうか? (正解は複数かも) 
[い]「吉良(きら)」は鍋の名前である
[ろ]「待ち兼ね(まちかね)」は米の異称である
[は]「こずこず」は鱈子の俗名である
[に]「紫(むらさき)」は醤油の別名である
[ほ]「十七屋(じゅうしちや)」は両替屋の店名である
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★日本語★
正解:[は]が正しい
説明:[い]「吉良(きら)」は鍋の名前である(×)
■正しくは、「漬け物の呼びかた」だそうです。吉良といえば吉良の仁吉(にきち)。違うな。仁吉は幕末の有名なヤクザですが、元禄時代にはもっと有名な吉良がいます。吉良上野介ですね。パワハラ復讐劇で大石内蔵助以下47士に首をちょん切られるジイサンです。「こうずけのすけ」から「香漬け」を連想した駄洒落だそうです。
□鍋の名前では行平(ゆきひら)鍋というのがあります。取っ手と注ぎ口、蓋のついた土鍋だそうです。名前の由来になった行平は、有名なプレイボーイ在原業平(ありわらのなりひら)のお兄さんだそうです。兵庫県の須磨に流されていたことがあるらしい。海女と親しくなり、潮を汲ませて塩を焼いた鍋が行平鍋だといわれているようです。
[ろ]「待ち兼ね(まちかね)」は米の異称である(×)
■正しくは、「小糠(こぬか)の異称」だそうです。「(まだ)来ぬか、待ちかねた」から来ているらしい。忠臣蔵の四段目、塩冶判官(えんやはんがん)の切腹の場でも、「由良之助は(まだ来ぬか)」とか「待ちかねたわやい」といった台詞がありますね*3。
□小糠は、「玄米を精白するとき、その表皮が細かく砕けてできる粉」だそうです。単に糠とも呼びます。石鹸が普及する前は、糠を袋に入れた道具、糠袋で顔や身体を磨いていたらしい。落語の「延陽伯(えんようはく)」などに登場します*2。
□「小糠三合あるならば入り婿するな」という言葉はよく知られています。入り婿は苦労が多いようです。フグ田マスオさんもなかなか気苦労がたえないのでしょうかね。
□欧陽菲菲のヒット曲「♪雨の御堂筋」の出だしは、「〽こぬか雨降る御堂筋」でした。振られた女性が男性を待ちかねた心情を歌いあげた歌詞なのかな。
[は]「こずこず」は鱈子の俗名である(○)
■「こずこず」は「不来不来」だそうです。江戸の政治家にして知識人、新井白石氏の解釈によると、魚のはらわたはおおむねクルクルと巻いています。なぜか鱈の卵巣、いわゆる鱈子だけはクルクルしていない。で、「来る」の反対語で「こずこず」となった。ほんとかどうかはよくわかりません。安積澹泊(あさか たんぱく)という人への手紙の中に記されているとのこと*1。
□なお、室町時代ごろの記述では、「不来不来」では縁起が悪いので、「来る来る」と呼ぶようになったという話もあるらしい。16世紀なかごろの「運歩色葉集(うんぽいろはしゅう)」という辞書にも、「来来 クルクル」という項があるそうです。「こずこず」はだいぶ古い言いかたなのかな。
[に]「紫(むらさき)」は醤油の俗名である(△)
■紫が醤油の別名であるのは事実ですが、「大辞泉」によると、これは単に色が紫色をしているからだそうです。駄洒落ではなさそうです。現代の醤油は黒が多いようですが、昔は紫色の醤油が多かったのかな。
□紫は「鰯(いわし)」を指す女房詞(にょうぼうことば)でもあるそうです。女房詞は、宮中の女官などが使った隠語です。で、「鮎(あゆ)→藍(あい)」より優るから紫なんだそうです。人によって好みはありますが、たしかに鰯のなかには驚くほど旨いものがありますね。
[ほ]「十七屋(じゅうしちや)」は両替屋の店名である(×)
■正しくは、「十七屋は飛脚屋の名前である」だそうです。「十七屋→十七夜→立待月(たちまちづき)→忽(たちま)ち着き」という駄洒落らしい。
□十五夜(じゅうごや)のあとは十六夜(いざよい)。月の出が少し遅れます。「いざよう」にはためらうという意味があるらしい。立待月ではさらに遅れ、十八夜は居待月(いまちづき)、一九夜は寝待月(ねまちづき)あるいは臥待月(ふしまちづき)という形で、月見はどんどん長期戦化していくわけですね。
◆参考*1:書籍「日本のことば遊び」初版119〜124頁、小林祥次郎(しょうじろう)著、ISBN4-585-05303-4、勉誠出版
◇*2HP「狂言で使われる言葉。「わわしい女」ってどんな女性なの?」
http://blog.q-q.jp/201004/article_22.html
◇*3書籍「名作歌舞伎全集2 丸本時代物集1」初版46〜47頁、戸板康二他監修、東京創元社

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