昔の算数クイズ。継子立て(ままこだて)の大逆転ドラマはどこから始まるの?

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★科学★
問題:本日は、古くからある継子立てという算数クイズをご紹介しましょう。白と黒の碁石をいくつか輪に並べます。ある石から始め、定まった数だけ勘定し、当たった石を取り除いていきます。最後に残った石の所有者が勝ちという遊びらしい。
■昔の欧州でも知られた遊びだそうです。日本では平安末期には「簾中抄(れんちゅうしょう)」という有職故実(ゆうそくこじつ)を記した書物に記録が残されているらしい。有職故実は、昔から伝わるしきたり・儀式や、暮らしの決まりごと・習慣といった意味だそうです。
■鎌倉時代末期から室町時代初期にかけて活躍した作家吉田兼好(けんこう)氏も「徒然草」の第137段、「花はさかりに、月はくまなき」のなかで継子立てに触れています。人が少しずつ死んでいくという景気の悪いたとえ話にしています。その他、江戸時代初期の和算書「塵劫記(じんこうき)」にも収録されています。「塵劫記」では、口絵に記したような碁石の並べかたが記されているとのこと。
■継子立てという遊びの名前は、白と黒の碁石を実子と継子になぞらえたことに由来するらしい。たとえば口絵の配列では次のような話になるのでしょう。金持ちが子宝に恵まれ、先妻に15人の子供ができました。さらに、15人の子供を持つ女性を後妻として娶ります。
■後継ぎを決めるのに次のようなやりかたをします。まず30人を適当に輪に並べます。ある子から始めて、上からみて時計回りに10人目にあたる子供を輪から除いていきます。最後に残った子供が相続人になります。
■実際に口絵のように碁石を並べて試してみると、白はまったく減らずに黒の碁石だけがどんどん減り、最後は[い]~[ほ]のどれかひとつだけになってしまいます。継子たちは運がなかったのでしょうか。
■あんまりだと思った最後の継子はここで異議を申し立てます。今度は自分から数え始めてほしい。先妻の子は15人、後妻の子は1人です。まぁ大丈夫だろうと実子側が承諾してやってみると、今度は実子ばかり15人が連続して取り除かれ、継子側、つまり黒の碁石が逆転勝利を飾るというドラマです。
■本日はあまりクイズらしいクイズではありません。口絵の配列で、最後の継子、逆転のきっかけとなる異議申し立てをした継子はどの碁石でしょうかという質問です。実際にやってみればすぐにわかってしまいますけど。
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★科学★
正解:[ろ]
説明:最後に残った[ろ]の碁石から数え始めると、白の15連敗が始まります。
■余談です。鎌倉時代初期に成立したといわれる百科事典「二中暦(にちゅうれき、二中歴とも)」にも継子立てについての記述があるらしい。碁が普及していたため、碁石を使った遊びもいろいろ考えられたようです。
■「塵劫記」は吉田光由(みつよし)という江戸時代初期の和算家の著述だそうです。寛永(かんえい)4年(1627年)ごろに成立したらしい。数の桁の名前とか九九のように基本から学べたらしい。面積の求め方なども記されているようです。暮らしの話題にもとづいて解説しているとのこと。一冊で江戸時代に必要な算術がほぼすべて学べる優れものだったそうです。
■算術の教科書の代名詞になったらしい。内容を一部書き換えただけの本が3~400種類も見つかっているとのこと。明治時代に入るまで売れた大ロングセラーのようです。
■「じんこうき」は、昔の表記では濁点をつけません。「し」は「ち」と記されます。「う」は「ふ」と記されます。そんなこんなで、昔の本の振り仮名を目にすると、ギョッとすることになります。
◆参考*1:書籍「徒然草(三)全訳注」文庫初版152~156頁、三木紀人(すみと)訳註、ISBN4-06-158450-8、講談社
◇*2書籍「数学トリック だまされまいぞ!」新書初版34~35頁、仲田紀夫(なかだ のりお)著、ISBN4-06-132908-1、講談社

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この記事へのコメント

ねこのひげ
2011年08月13日 06:30
数学も遊びとして教えたらいいのでしょうね。
江戸時代には、和算の問題を絵馬にして神社に奉納するのが流行ったそうで、回答も絵馬で奉納したそうですね。中には10歳程度の子供が難しい問題を絵馬にして評判を呼んだこともあるそうです。
旅行したときに、田舎で古そうな神社を見つけると、そんな絵馬がかかってないか探してみたことがあります。
残念ながら見つかりませんでしたけど(^^ゞ
ねこのひげ様<素町人
2011年08月13日 10:04
コメントをありがとうございます。

 日常の暮らしに密着した算数とそうでない算数があるようですね。

 我が家の豚児の1人は勘定高いところがあります。よくいえばしっかりしているわけですが、この子は確率や順列・組合せはたいへんよくできます。微分や積分、三角関数などは苦手なのですが。
(;^_^

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