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zoom RSS 間違えやすい読みの慣用句。「煙に巻く」はなんと読むの?

<<   作成日時 : 2011/07/07 07:07   >>

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★日本語★
問題:ふつうの文章中だとふつうの読みなのに、慣用句の中では特別な読みをする言葉があります。たとえば題の質問にある「煙に巻く」もそうです。「けむにまく」が正解ですね。火事で煙に巻かれた場合には、「けむり」ですが、言葉で相手を戸惑わせる場合には「けむ」だそうです。ひょっとしたら日本語を習う人がとまどう場面の1つなのかな。
■同様に、ふだんと使いかたが異なる、それがゆえに間違いやすい漢字・熟語の問題です。次の言葉の読みはなんというでしょうか?
[い]後生畏るべし
[ろ]件の如し
[は]奇しくも
[に]意気地
[ほ]言質
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★日本語★
正解:各項目を参照してください
説明:[い]後生畏るべしはコウセイおそるべしと読む
■「古びたビニ本を後生大事に持っている」などという場合は「ゴショウ」と読みます。「後生だから」とか、「後生を願う」の場合も「ゴショウ」です。前者は「お願いだから」、後者は「極楽往生を願う」という意味になります。「ゴショウ」と読む場合は仏教から生まれた言葉であり、「のちの世に生まれかわること」、「来世」という意味になるらしい。
□「コウセイ」と読む場合には、「後から生まれて来る人」の意味になるとのこと。「先生」の対義語でもあり、後輩、後進と似た意味ですね。「後生畏るべし」は、「後から生まれて来る人の能力は計り知れない、あなどってはいけない」という意味になるようです。
[ろ]件の如しはくだんのごとしと読む
■「ケンのごとし」とは読みません。「件の如し」は、「前記の通りである」という意味です。証文・手紙・公用文書などの末尾に用いるきまり文句とのこと。
□江戸時代などの三行半(みくだりはん、離縁状)では、末尾に「仍而如件(よってくだんのごとし)」という文句がついたらしい。これも、「というわけで前記のとおりですよ」という意味だそうです。
□「件(くだん)」はもともとは文章の記述の一部分を指すとのこと。章・条・段を指したりするらしい。「大辞泉」には、「冒頭の件がよく書けている」という使用例が示されていました。「前に述べた事柄」を受けて「件」を使う場合もあります。「件の如し」はその例ですね。
[は]奇しくもはくしくもと読む
■「奇(き)をてらう」などの慣用句もありますので、つい「きしくも」と読みたくなります。でも、誤りだそうです。
□「偶然にも」という意味ですね。「彼女と僕は奇しくもおなじ生年月日だった」などと使われます。
□古い「くし」という言葉は、「奇し」の場合は神秘的とか不思議を意味したそうです。似た発音で「酒」とか「髪の毛、櫛」などをあらわすこともあります。酒の効果も神秘的だし、髪の毛も神秘的といえば神秘的なのかな。
[に]意気地はいくじと読む
■「意気軒昂(ケンコウ)」の場合は「イキ」と読みます。「人生意気に感ず」の場合も「イキ」ですね。でも、「意気地」と書かれている場合には「いくじ」です。「意気地なし」と書かれていると、多くの人が「いくじなし」と読むでしょう。参考資料*1には「いきじ」は誤りとしてありました。でも、「大辞泉」では「いきじ」という読みも記されています。説がわかれているようです。
□古い話で恐縮ですが、故人となった村田英雄(ひでお)という演歌歌手の「♪王将」という曲があります。阪田三吉(さんきち)という大阪の将棋指しを歌った作品です。1番の最後に「♪月も知ってる 俺らの意気地」という歌詞があります。村田英雄氏はこの部分をたしかに「いきじ」と発音していたような気がします*3。
□ただし、村田英雄氏は豪快な人物ですので、言葉の小さな間違いなどは頓着なさらないのかもしれません。噂では、バーで「おい、俺のボルトを出してくれ」と言っていたらしい。「意気地」の発音についてもこだわりがないのかも。
[ほ]言質はゲンチと読む
■「ゲンシチ」などと読みたくもなりますが、これはゲンチが正しいようです。
□言質は「言葉質(ことばじち)」と言い換えることができます。「人の発言をのちの証拠としてとっておくこと」だそうです。
□昔の口約束は、第三者が聞いていない限り、ほぼ無効でした。約束の存在を証明できない事例が多かったようです。「書いた物がものをいう」という慣用句がありました。書類の証拠能力がとても強かったらしい。
□現代では口約束もこっそり電子記録できるようになりました。電話でも生の会話でも言質は簡単にとられてしまいます。そのせいでしょうか。政治家のみならずわれわれ町人ですら、表現をあいまいにする傾向があります。いつでも逃げられるような言い回しをするわけですね。いいことなのか、悪いことなのか。
◆参考*1:書籍「勘違いことばの辞典」西谷裕子編、ISBN4-490-10701-3、東京堂出版
◇*2HP「離縁状の別称、「みくだりはん」を漢字で書くと?」
http://blog.q-q.jp/200605/article_4.html
◇*3HP「Amazon.co.jp: 王将/人生劇場: 村田英雄, 西條八十, 佐藤惣之助, 安藤実親, 古賀政男, 佐伯亮: 音楽」(110707現在、試聴できます)
http://www.amazon.co.jp/%E7%8E%8B%E5%B0%86-%E4%BA%BA%E7%94%9F%E5%8A%87%E5%A0%B4-%E6%9D%91%E7%94%B0%E8%8B%B1%E9%9B%84/dp/B0000C9VL3
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞泉
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞林
◇辞書「字通」白川静、平凡社

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