「脳は10%しか使われていない」というのはホントなの?

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★科学★
問題:脳は多くの迷信の発信源だそうです。まだわかっていないことが多いからでしょうか。科学者たちが肯定も否定もできないお話について、ニセ科学者たちが断定的に語る事例が多いらしい。
■マスコミを使って広めようとする商売がらみの悪質な迷信もあります。金のからまない純粋な噂話もあります。いずれも人々の好奇心をエネルギーとして広まっていくようです。
■では灰色の脳細胞についての灰色のお話のうちのひとつ、「脳は10%しか使われていない」というのは事実なのでしょうか? 
[い]嘘である。まったく使われていない神経細胞などひとつもない
[ろ]10%は誤りだが、20%前後しか使われていないのは事実である
[は]10%は誤りだが、50%前後しか使われていないのは事実である
[に]「10%しか使われていない」は誤りだが、「脳の10%はまるで使われていない」は事実である
[ほ]事実である
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★科学★
正解:[い]嘘である。まったく使われていない神経細胞などひとつもない
説明:参考資料*1の記事の中で、東京大学大学院医学系研究科准教授坂井克之(かつゆき)という専門家が次のように述べています。「脳内のすべての神経細胞がつねに活発に活動しているわけではないのは事実です」。
■これだけ聞くと、10%使用説を肯定しているようにも見えますが、そのあとに次のように続きます。「ただし、活発に活動している割合が10%というわけではなく、数字にはなんの根拠もありません。また、脳のすべての神経細胞は、互いにどこかの神経細胞とつながり、信号を送り合っています。まったく使われていない神経細胞などありません」*1。
■1000億個以上あるといわれる神経細胞、いわゆるニューロンは、互いにつながりあいながら複雑な情報処理網、いわゆるネットワークを構成しているそうです。1つの神経細胞は、数個から数万個のほかの神経細胞と必ずつながっているらしい。孤立して引きこもっている神経細胞はないという専門家の見解です。
■脳では、必要なときに必要な神経細胞だけが働く仕組みになっているそうです。ある瞬間だけをとれば、休んでいるように見える神経細胞はあるのかもしれません。でも、生まれてから死ぬまで休眠状態が続く神経細胞はないようです。坂井克之准教授のお話では、「すべての神経細胞が活発に活動したら、全身の痙攣(けいれん)発作を起こしてしまう」とのこと。なぜかは記されていませんでした。エネルギーを使いすぎるのかな。
■素人考えでは、あたかも交響楽団のように、ある瞬間は休んでいる楽器もあるけれど、最高潮に達した瞬間にはほとんどの楽器が鳴るのかと思っていました。でも違うようですね。脳みその中では、常時いくつかの楽器は休んでいるらしい。考えてみると、味に関する情報処理は味覚や嗅覚の信号が送られてきたときに活発になるはずですね。食事時間とその前後かな。視覚についての情報処理は、起きているときは活発でしょうけれど、寝ているときにはだいぶ少なくなるのかもしれません。
■余談です。素町人が子どもの頃はたしか「5%しか使っていない」という説もありました。残りの95%のうち1%分でも使えるようになれば6%になります。なんと2割増しで賢くなれる。意味もなく希望を抱いたものです。脳みそは100%使われているという専門家たちの指摘が正しいとすると、もう「伸びしろ」はないような気分になります。少し味気ないですね。
◆参考*1:雑誌「『脳』の神話にご注意を!」Newton (ニュートン) 2010年 10月号100~105頁、担当編集者福田伊佐央(いさお)、ニュートンプレス

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この記事へのコメント

ねこのひげ
2011年06月07日 07:30
ねこのひげも脳の半分は使われてないとかいう話はよく聞きました。
10%とか20%というから、おかしな解釈が生まれるんでしょうね。
最高時速200キロ出せる車が40キロで走っているようなものという例えはどうでしょうか?

ねこのひげの子供の頃読んだSFでも機械を使って脳の能力を100%にするというのがありました。
すると超天才の超能力者になるんですが、結局、脳がショートして自滅してしまうとかいう話でした。
映画の『X-MEN』みたいな話でしたね。
ねこのひげ様<素町人
2011年06月07日 08:28
コメントをありがとうございます。

「最高時速200キロ出せる車が40キロ…」というのは、いいたとえかもしれませんね。
 ただし、素町人に限っては、最高時速一杯で走っても40キロ、ふだんは20キロで走っていますので、例外になりますけど。
(^^;)

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