日本にも氷河があるの?

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★科学★
問題:アーネスト・ヘミングウェイの小説「キリマンジャロの雪」で知られるアフリカの最高峰には、かつて巨大な氷河が存在していたそうです。アフリカのタンザニアにある山です。麓は暑いのでしょうが、山頂近辺はたいへん凉しい。というか寒いのでしょうね。20世紀の末期になって、山頂付近に氷雪は見られるものの、氷河と呼べるような存在が消えてしまったらしい。温暖化の影響かと心配されています。
■従来の日本には、氷河と呼べるような自然現象はないことになっていました。ところが、平成22年(2010年)になって、ある山の近辺に見られる氷の塊は、氷河である確率が高いといわれはじめました。計測器が進歩し、厳しい環境での測量活動ができるようになり、そんな事実が判明したらしい。では、日本初の氷河かもしれない氷の塊を頂いている山とは次のどれでしょうか?
[い]大雪山
[ろ]月山
[は]富士山
[に]立山
[ほ]白山
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★科学★
正解:[に]立山
説明:立山(たてやま、富山県)は飛騨山脈に属する標高3015mの山だそうです。雄山(おやま)、大汝山(おおなんじやま)、富士ノ折立(ふじのおりたて)の3つの峰の総称とのこと。中部山岳国立公園を代表する山であるとWikipediaにありました。3000m以上の山としては日本最北の山らしい。
■雄山の東側に御前沢(ごぜんざわ)と呼ばれる谷があるとのこと。御前沢には冬に積もった雪が溶けずに残った雪渓があるようです。万年雪らしい。一見氷河のように見えます。ただし、厳密な意味で氷河の定義にあてはまるかどうかはわからなかったようです。
■氷河の定義とは、「積もった雪がみずからの重みで押し固められた氷体が継続して流動している」というものらしい。この文章、日本語としてはちょっと変ですけど意味はわかりますね。
■「流動」とは、氷体、つまり氷の塊が単に滑るだけではなく、固体なのに変形しつつゆっくりと流れることらしい。なかなか条件がうるさいようです。
■日本には全部で10ほどの氷体があると見られているらしい。たとえば立山以外では劒岳(つるぎだけ、富山県)の雪渓にも氷体があるとみられています。平成23年(2011年)の夏には劒岳の氷体を確認するための調査が行なわれる可能性があるそうです。
■立山カルデラ砂防博物館の学芸員福井幸太郎(こうたろう)氏らは、御前沢の氷体が「流動している」ことを確認したそうです。かつては御前沢の氷体は厚さが10m前後だろうと見られていました。これだと、氷体が流動するための厚みには欠けているとのこと。この観測は不十分なものだったようです。3000m近い標高であり、急斜面でもあり、本格的な調査はなかなかむずかしかったとのこと。
■福井幸太郎氏らは、平成21年(2009年)に、軽量化した機器を利用し、電波を使って雪渓の下に隠れた氷体の構造を測定することに成功したそうです。氷体は長さ300mの上流と400mの下流にわかれており、下流の氷体の厚さは最大で30mほどあるとのこと。氷河として流動することが可能な厚さだそうです。
■平成22年(2010年)には雪渓表面の11箇所に目印のポールを立て、GPSを使って動きを測定したとのこと。その結果、GPSの誤差の範囲を超える動きを確認できたとのこと。ますます氷河である可能性が濃くなってきたようです。
■とはいえ、現在のところ、まだ氷河であると断定できてはいないらしい。今後も調査は続行されるようです。地元の観光関係者たちは、固唾を呑んで見守っているのでしょうね。
◆参考*1:雑誌「発見! 日本にも氷河が存在か」Newton (ニュートン) 2011年 2月号122頁、ニュートンプレス
◇*2HP「立山 - Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AB%8B%E5%B1%B1

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この記事へのコメント

ねこのひげ
2011年06月03日 08:28
これは新聞の記事で読んだ覚えがあります。氷河と言うと名前のとおり川のように何百キロも流れる氷のイメージなので、この長さで?と思いましたが・・・

キリマンジャロは5895mあってタンザニア在住の日本人の娘さんが学校の行事?で頂上を目指すことになったそうですが、悪天候のため断念したそうです。
「来年再チャレンジするの?」と聞いたら「二度と行かない!」と言われたそうです。
メチャクチャ寒かったらしいです。(>_<)
ねこのひげ様<素町人
2011年06月03日 08:52
コメントをありがとうございます。

 たしかに、立山のは、仮に氷河だとしてもかなり小さめのものみたいですね。観光客にとっては、氷河であるということだけで値打ちはあるでしょうけど。
(^^;)

 標高と気温差を説明したHPなどを読むと、6000m級の山では、麓とくらべて30度C前後の気温差がありそうです。麓で30度Cあっても、キリマンジャロの山頂では氷点下だったのかもしれません。最近は温暖化で氷点をこえてしまっているのかな。

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