町人思案橋・クイズ集

アクセスカウンタ

zoom RSS 暗号解読クイズ。平安貴族の雅びな暗号通信とはどんなもの?

<<   作成日時 : 2011/05/19 07:14   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 2 / トラックバック 0 / コメント 6

画像
★日本語★
問題:平安時代を代表する美女、小野小町(おののこまち)と匿名希望の誰かさんの和歌を通じたやりとりです。
小野小町から発信
---言の葉も 常盤(ときは)なるをば 頼まなむ 松を見よかし 経ては散るやは
---(言葉も常緑であるのを頼りにしてほしい。松をご覧なさい、時を経て散りはしない)
誰かさんからの返信
---言の葉は 常(とこ)懐かしき 花折ると なべての人に 知らすなよゆめ
---(あなたの言葉はいつも懐かしい花を折るように出端を折ると一般の人に決して知らせるな)
(参考資料*1より)
■この優雅にして意味不明なメールのやりとりは、実はちょっとした暗号になっているそうです。では、その通信内容は次のどれに該当するのでしょうか?
[い]権力者に紹介してほしいという依頼に対して承諾したという返事
[ろ]美しい松を愛でに来ませんかという招待に対して喜んでという返事
[は]珍しい食べ物を入手したから一緒に召し上がりませんかという誘いに対していいとも! という返事
[に]私のどこが気に入らないのという質問に対して生理的に受け付けないんだという返事
[ほ]琴を貸してくれませんかという依頼に対して持っていないという返事
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★日本語★
正解:[ほ]琴を貸してくれませんかという依頼に対して持っていないという返事
説明:小野小町と誰かさんの和歌には、「琴給へ(ことたまへ)」、「琴はなし」というやりとりがあったそうです。各句の頭文字に注目してください。小野小町の和歌では、「こ・と・た・ま・へ」、返事では「こ・と・は・な・し」となっていますね。
■「給ふ」は、「与える・くれる」の尊敬語とか、「もらう」の謙譲語だったりもするらしい。ひょっとしたら「琴を頂戴な」といっているのかと思いましたけど、それではあまりに図々しい。やはり「貸して頂戴な」なんでしょうね。
■各句の頭文字に言葉を折り込む遊びは、折り句と呼ばれ、よく行なわれていたそうです。昌泰(しょうたい)元年(898年)に行なわれた「亭子院(ていじいん)女郎花合(おみなえしあわせ)」という催しでは、秋の七草のひとつ、「女郎花(おみなへし)」を折り句にしました。「古今集」を編纂したことで知られる紀貫之(きのつらゆき)は、「小倉山 峰立ちならし 鳴く鹿の 経にけむ秋を 知る人ぞなき」という歌を詠んだそうです。意味は、「小倉山の峰を歩き回って鳴く鹿が過ごしたであろう秋の数を知る人もない」というものらしい。紀貫之は結果に満足したらしく、「古今集」にも収載したそうです。
■なお、亭子院というのは、この会を主催した宇多上皇の通称らしい。女郎花合は、「和歌を添えたオミナエシの花を持ち寄って比べ、その優劣を競う」という催しだそうです。催しが終わったあとでも「おみなへし」の折り句はたくさん作られたとのこと。「斧の柄は みな朽ちにけり なにもせで 経し程をだに 知らずざりける」というのもその1つ。「少しと思った間に長い時間が経ってしまった。何もしないで過ごした間だって知らなかった」という意味だそうです。
■時代は江戸時代に下り、本居宣長(もとおり のりなが)の折り句です。本居宣長は、「敷島(しきしま)の 大和心(やまとごころ)を 人問はば 朝日に匂ふ 山桜花」と呼んだ国学者ですね。たしか賀茂真淵(かものまぶち)の弟子でした。平賀源内などと同時代を生きた人です。
■その本居宣長氏は、明和(めいわ)9年(1772年)の3月に吉野山で出会った中年の婦人にお茶を送った際に歌を添えたそうです。
---契りあれや 山路分け来て 過ぎがての 木の下陰に しばし会ひしも
---(因縁があったからでしょうか。山道を踏み分けて来て過ぎ去りがたい桜の木陰でしばらく会ったのも)
「木の下陰」は「このしたかげ」と読み、木陰の意味だそうです。折り句として読むと「茶少し」になっています。中年の婦人とは何があったのでしょうね。あまりにも粋な和歌なので、下衆(げす)としてはつい勘ぐりたくなります。
■では、つたないものですが自家製の折り句をふたつ。
---罵声聞き 歓声と思う 菅総理
---アーノルド ホンマの隠し子 やりすぎよ
どちらも単なる語呂合わせ。政治的な意図は特にはありません。
◆参考*1:書籍「日本のことば遊び」初版37〜38頁、小林祥次郎(しょうじろう)著、ISBN4-585-05303-4、勉誠(べんせい)出版
◇*2HP「本居宣長の命日。「古事記伝」で知られる学者の本業はなんだったの?」
http://blog.q-q.jp/200811/article_4.html
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞泉
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞林

ぬけられます→日本語雑学クイズ一覧

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 2
なるほど(納得、参考になった、ヘー)
面白い

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
そういえば、明智光秀は公家言葉と尾張弁が出来たので、織田信長から大事にされていたようで、公家と名古屋に人間が直接しゃべるとお互いに意味不明でわからなかったそうですね。
鹿児島弁も他国の人間(特に幕府の隠密)にわからせないために人工的に作られた方言とか?
情緒がないと言われますが、標準語はありがたいというべきかな?(~_~;)
ねこのひげ
2011/05/20 11:08
コメントをありがとうございます。

 公家の言葉と名古屋弁の両方がしゃべれるので重宝されたというお話は面白いですね。いつの時代でも、バイリンガルは役に立つのかな。
(^^;)
ねこのひげ様<素町人
2011/05/20 15:03
町じまん
人もじまんの
クっく(q-q)ドットジェーピー
イきなところが
ズぬけてる


町(チョー)ぜんと
人(ニン)きどくせん
思(シ)ぜんたい
案ばいよけれ
橋(ば、し)あわせじゃ


え〜と、お後がよろしいようで(汗)
ロング
2011/05/21 18:36
コメントをありがとうございます。

なんだか照れくさいぐらいのお褒めの言葉。でも褒められるの嫌いじゃありません。ありがとうございます。
m(_ _)m

さっそく返そうかなと思いましたが、「ン」を頭に折り込むのはむずかしそう。趣向を変えて、末尾にしました。
「ジャズの色 落語の余韻 聞くブログ」
失礼つかまつりました。
ロング様<素町人
2011/05/21 22:06
おぉ、思いがけず「返歌」を頂戴いたしまして、恐悦至極でございます
また出没するやもしれませんが、よろしくお付き合いのほどをお願い致します
ロング
2011/05/22 09:19
コメントをありがとうございます。

つたない返歌で失礼しました。
>また出没するやも…
いつでも歓迎します。
(^^;)
ロング様<素町人
2011/05/22 09:27

コメントする help

ニックネーム
本 文
暗号解読クイズ。平安貴族の雅びな暗号通信とはどんなもの? 町人思案橋・クイズ集/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる