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zoom RSS 太閤秀吉に即答した細川幽斎(ゆうさい)の頓知の歌はどんなもの?

<<   作成日時 : 2011/03/10 06:52   >>

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★日本語★
問題:あるとき、太閤秀吉は、炒(い)り豆に青海苔をまぶした菓子を見ながら、細川幽斎という武将に歌を詠めといったらしい。幽斎は文武両道の人です。当時、歌の名人としてたいへん有名だったらしい。
■のちに関ヶ原の戦いで家康方についた細川幽斎は、わずか500人の兵とともに現在の京都府舞鶴市にある田辺城に立て籠もります。押し寄せてきた西軍は1万人余り。絶体絶命の危機です。でも、朝廷から調停者があらわれて、細川幽斎は一命をとりとめます。歌道の達人である細川幽斎を惜しんだ宮中のはからいだったらしい*1。芸が身を助けたわけですね。
■ちなみに細川幽斎の息子は細川忠興(ただおき)。細川ガラシャ夫人の配偶者です。ガラシャ夫人は明智光秀の娘です。幽斎はガラシャ夫人の義父。生きていれば、明智光秀と細川幽斎は姻戚だったわけかな。残念ながら光秀とガラシャは、それぞれの別個の悲劇を演じたわけですけど。
■それはともかく、秀吉に求められて幽斎が詠んだ歌は、たいへん頓知がきいていて現代の者が耳にしても笑える作品(?)だったようです。その歌は、古来から知られる著名な歌のもじりです。では、元の歌は次のどれだったのでしょうか? 
[い]「銀(しろがね)も 金(くがね/こがね)も玉も 何せむに まされる宝 子にしかめやも」(山上憶良作)
[ろ]「秋の田の かりほの庵(いほ/いお)の 苫(とま)をあらみ わが衣手は 露に濡れつつ」(天智天皇御製)
[は]「ちはやぶる 神代(かみよ)もきかず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは」(在原業平作)
[に]「世の中に 人の来るこそ 嬉しけれ とはいうものの お前ではなし」(内田百闕)
[ほ]「君が代は 千代に八千代に さざれ石の 巌となりて 苔のむすまで」(詠み人知らず)
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★日本語★
正解:[ほ]「君が代は 千代に八千代に さざれ石の 巌となりて 苔のむすまで」(詠み人知らず)
説明:ご存じ我が国歌の歌詞に採用されている和歌ですね。もともとは「古今集」におさめられた歌だそうです。「古今集」では最初の5文字が「我が君は」となっているらしい。「和漢朗詠集」という後世の本にも採用されてますが、これも当初は「我が君は」だったようです。のちの写本では「君が代は」と表記されているらしい。写し間違えでしょうか。意図して改変したのかな。「君が代は」のほうが耳慣れているせいか、安定した表現に感じられますね。
■もちろん安土桃山時代にも、この歌は著名な歌だったようです。で、細川幽斎先生の作品は次のような歌だったらしい。
「君が代は 千代に八千代に さざれ石の 巌となりて 苔のむす豆」
■「苔のむすまで」を「苔のむす豆」にしただけです。青海苔を苔に見立てました。最高権力者を言祝ぐ(ことほぐ、言葉で祝う)歌とし、労力は最小にして効果は最大。さすがは名人ですね。
■余談です。[い]の「銀(しろがね)も 金(くがね/こがね)も玉も 何せむに まされる宝 子にしかめやも」(山上憶良作)のもじりが鉄道愛好者のHPに掲載されていました。「しろがねも くがねもたまも なにせむに まされるたから くろがねのみち(鉄(くろがね)の道)」*3。心に「鉄道命」という刺青を入れているかたの作品のようです。
■[に]の内田百閨iひゃっけん、百間/百鬼園とも)の作品は、昔の作品をもじった狂歌だそうです*4。この作品の元歌は、狂歌界最大のスター四方赤良(よものあから、蜀山人(しょくさんじん、その他の別号あり)の作品です。「世の中に 人の来るこそ うるさけれ とはいうものの お前ではなし」。元歌・替え歌のどちらも味がありますね。
■余談のさらに余談です。内田百閧ヘ夏目漱石の晩年の弟子で「阿房列車」、「贋作吾輩は猫である」、「百鬼園随筆」などの作品を残した作家・随筆家です。「♪春の海」で知られる盲目の箏曲家(そうきょくか)宮城道雄(みちお)の親友だったとのこと。鉄道ファンであり、東京駅名誉駅長をつとめたこともあるとWikipediaに記されていました*4。
◆参考*1:HP「戦国武将にして歌道の達人、細川幽斎が九死に一生を得た理由とは? 」
http://blog.q-q.jp/200610/article_58.html
◇*2書籍「日本のことば遊び」初版187〜188頁、小林祥次郎(しょうじろう)著、ISBN4-585-05303-4、勉誠出版
◇*3HP「くろがねのみち(鉄道)homepage」
http://www.kurogane-rail.jp/
◇*4HP「内田百 - Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%85%E7%94%B0%E7%99%BE%E9%96%93

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1字変えただけで別の歌にする省エネ作歌術。長寿を言祝ぐ歌はどんな歌に変わったの?
●●●★日本語★●●● 問題:以前、弊クイズでもとりあげた細川幽斎(ゆうさい)の歌がありました。太閤秀吉にオヤツとして炒り豆に青海苔をつけた菓子が出されたことがあったらしい。その場に居合わせた細川幽斎は、関白から即興の歌を求められます。幽斎は、「君が代は 千代に八千代に さざれ石の 巌となりて 苔のむす豆」と返したそうです。 ■日本国民なら誰でも知っている君が代の歌をもじり、炒り豆に青海苔をつけた菓子を主題としながら最高権力者の御機嫌をとり結んでいます。見事なまでの機知といえるでしょう... ...続きを見る
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2012/01/19 10:42

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