人類史上初の人工衛星同士の交通事故はいつ起こったの?

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★科学★
問題:人類初の人工衛星は、昭和32年(1957年)10月4日にソ連が打ち上げたスプートニク1号だそうです。スプートニク・ショックを引き起こし、アメリカは開発競争に負けていることを思い知らされたそうです。その後、昭和36年(1961年)にはガガーリンが初の宇宙飛行をやってみせます。ソ連の優位はゆるぎないものだと思われました。
■頭に血がのぼった当時のアメリカ大統領、ジョン・F・ケネディは、「1960年代中に人間を月に到達させる」という声明を発表します。予算と意地をつぎ込んで研究と訓練を重ね、昭和44年(1969年)に月旅行を実現し、アメリカは自信を取り戻すわけですね。
■現在、人工衛星を保有する国は50か国もあるそうです。打ち上げ能力のある国は10か国ほど。これらの国がポンポンと打ち上げますので、宇宙には数百の現役の人工衛星が飛行しているという話があります。また、寿命の尽きた人工衛星が地球を空しく周回している例はもっとたくさんあり、われわれの頭上はかなり多くの人工物が飛び交っているようです。
■地上でも天空でも、混雑してくるとぶつかることがあります。往来なら「あっ、ごめん」とか「これは失礼」と謝ってわかれます。宇宙での接触事故では、そう簡単にはすみません。人工衛星は、新幹線の100倍前後の速度で飛行しているそうです。ちょっとした接触でも大事故につながります。では、レッキとした人工衛星どうしが衝突し、互いに大破したという事故の史上初の事例はいつごろ起きたのでしょうか? 次の中でいちばん近い年を選んで下さい。
[い]昭和45年(1970年)。日本初の人工衛星「おおすみ」が打ち上げられたころ
[ろ]昭和53年(1978年)。タイトーがスペースインベーダーの1号機を発売したころ
[は]昭和61年(1986年)。スペースシャトル「チャレンジャー号」が事故を起こしたころ
[に]平成6年(1994年)。国産のH-IIロケットの1号機が打ち上げられたころ
[ほ]平成15年(2003年)。宇宙科学研究所が小惑星探査機「はやぶさ」を打ち上げたころ
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























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正解:[ほ]平成15年(2003年)。宇宙科学研究所が小惑星探査機「はやぶさ」を打ち上げたころ
説明:参考資料*1によれば、人工衛星どうしが衝突するという史上初の事態は、平成21年(2009年)の2月10日、シベリアの上空790kmで起きたそうです。はやぶさは帰途についていたころですね。
■事故の当事者は、アメリカのイリジウム社が使用する衛星電話用の通信衛星「イリジウム33」と、ロシアの軍事衛星「コスモス2251」だそうです。イリジウム33は運用中の現役。コスモス2251は運用が終わっていたらしい。それぞれ560kg、900kgの重量があったそうです。軽自動車と小型自動車ぐらいの重さかな。
■交差した角度は104度ぐらい。いわば側面衝突だったらしい。一方から見た他方の速度は秒速11.8kmだったそうです。時速では4万2480kmぐらいかな。この速度で衝突したら、シートベルトやエアバッグはあまり役に立たないかもしれません。
■衝突事故の結果、デブリとも呼ばれる宇宙ゴミがたくさん発生しました。1cm以上の宇宙ゴミは6万2000個以上。そのうち10cm以上の大きなゴミが最低でも1000個は発生したと推測されています。
■そのうち約5万個は数ヶ月のうちに大気圏に突入し、燃え尽きたと見られているようです。それでも1万個前後の不燃ゴミが宇宙を漂っているわけですね。漂っているという穏やかな状態ではなく、ものすごい速度で地球を周回しているわけかな。
■帰還したスペースシャトルを調べると、小さな宇宙ゴミの衝突痕が見られることがあるそうです。いまのところ小さいものなので大事故にはつながっていません。でも、将来的には宇宙で悲劇が起きる可能性も十分にあるらしい。
■国際宇宙ステーション(ISS)でも、大きな宇宙ゴミとの衝突を避けるため回避行動をとったことがあるとのこと。10cm以上の宇宙ゴミは、地上から観測できるらしい。回避が必要なこともあるようです。ISSの設計では、1cm以下の宇宙ゴミなら衝突に耐えられるそうです。問題なのは1~10cmほどの宇宙ゴミらしい。動きを捕捉しにくいし、ぶつかると大きな事故につながるようです。困った問題ですね。
◆参考*1:雑誌「人工衛星衝突で『宇宙のごみ』が大量発生」Newton (ニュートン) 2009年 5月号10頁、担当編集者高嶋秀行、ニュートンプレス
◇*2HP「宇宙の恐怖、ケスラー・シンドロームをご存じですか?」
http://blog.q-q.jp/200809/article_8.html

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この記事へのコメント

ねこのひげ
2011年03月18日 07:28
NHKで『プラネテス』という宇宙ゴミを回収している会社のサラリーマンを主人公にしているアニメがありましたね。
2070年代の設定でしたが、将来、ほんとうにそういう会社を作られる時が来るかもしれませんね。
NASA発表の画像を見ましたが、いまでも、地球の周りは埋め尽くされている感じでした。
ねこのひげ様<素町人
2011年03月18日 11:44
コメントをありがとうございます。

 ゴミの回収も宇宙規模ですとたいへんそう。デブリはみんな不燃ゴミなのかな。アニメ「プラネテス」でも不燃ゴミの日は決められているのでしょうかね。そういう問題じゃないのか。
(^^;)

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