飛行機事故でいちばん多い原因は整備不良なの?

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★科学★
問題:飛行機は安全な乗り物だというお話をよく耳にします。
■Wikipediaには航空事故という項目があります。記事中に、アメリカ国家運輸安全委員会という機関が行なった調査の結果というのが記されています(101224現在)。全世界でみると、「航空機に乗って死亡事故に遭遇する確率」は0.0009%だそうです。100万分の9ぐらいらしい。アメリカ国内に限れば0.000034%とのこと。アメリカ国内の自動車事故で死ぬ確率の33分の1だそうです*1。
■この調査結果は、かなり多くのHPや書籍で引用されているようです。でも懐疑派には疑問が残ります。具体的にはどんな確率なんでしょうね。1回飛行機に乗るたびに100万分の9の確率で死ぬよという意味でしょうか。もしそうならば、けっこう高い確率のような気もしてきます。
■世界最大の航空機会社の企業連合「スターアライアンス」には、全日空やルフトハンザ航空、シンガポール航空などが加盟しているそうです。その年間乗客数合計は平成12年(2000年)で2億8000万人ほどだそうです*3。スターアライアンス加盟企業ではどのぐらいの死亡事故が起きているのでしょうか。
■統計のとりかたをかえると、話はかわってくるという人たちもいます。参考資料*2には次のように記されています。「…しかしこの確率(100万分の9)は移動(走行)距離を基準にした結果であり、旅行回数でみれば航空機の方が自動車よりも死亡遭遇率が高いという計算を出す専門家も当然存在する。事実、走行距離あたりの事故率ではなく、昇降回数(つまり飛行機の1回の離陸、着陸に対し、車の1回の乗車、降車)あたりでカウントをすると、飛行機死亡リスクは車の約10倍との統計もある」。
■「1回乗るたびに100万分の9の確率で死ぬ」という見方は誤っているのかな。それにしても、飛行機は安全なのか危険なのか。素人にはわかりにくい。ディズレーリという19世紀英国の政治家の言葉を思い出します。「世の中には3つの嘘がある。1つは嘘、次に大嘘。そして統計である」*4。誰かが嘘をついているのかもしれません。
■それはともかく、本日のクイズです。航空機製造元のボーイング社では、平成8年(1996年)から平成17年(2005年)までの民間航空機全損事故183件を調査し、原因が判明している134件についての内訳を発表しているらしい*1。では、この調査では、飛行機の事故が起きる原因は、つぎのうち、どれがいちばん多いのでしょうか? 
[い]整備不良
[ろ]航空管制の失敗
[は]操縦の失敗
[に]異常な天候
[ほ]破壊行為(テロなど)
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★科学★
正解:[は]操縦の失敗
説明:ボーイング社の調査結果では次のようになっているそうです。
---操縦ミス…55%
---機械的故障…17%
---天候…13%
---その他…7%
---不適切な航空管制…5%
---不適切な機体整備…3%
(参考資料*1による)
■もうひとつ、航空事故を専門に調べる「planecrashinfo.com」というHPが昭和25年(1950年)から平成16年(2004年)までに発生した民間航空事故2147件をもとに作った統計があるそうです。これによると、事故原因の内訳は次のようになっているらしい。
---操縦ミス…37%
---原因不明…33%
---機械的故障…13%
---天候…7%
--- 破壊行為(爆破、ハイジャック、撃墜など)…5%
---操縦以外の人為的ミス(不適切な航空管制・荷積・機体整備、燃料汚濁、言語、意思疎通の不良、操縦士間の人間関係など)…4%
---その他…1%
(参考資料*1による)
■どちらも最大の事故原因は操縦士の失敗といっているようです。それならいっそ、操縦士を搭乗させなければいいような気もします。現在の技術では、操縦士は地上にいても離着陸はできるし、航行もできるという噂を聞いたことがあります。遠隔操作で必要十分な制御ができるというのですが。
■もし操縦士搭乗不要説が事実なら、ぜひ試してほしいですね。旅客機だと乗客は不安を覚えるかもしれません。当面は無理かな。貨物機から実験を始めてみたらどうでしょう。人件費は少し節約できるでしょう。しかも事故が減らせるなら、経営状態の苦しい各航空会社にとっては一石二鳥のような気もしますけど。
◆参考*1:HP「航空事故 - Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%88%AA%E7%A9%BA%E4%BA%8B%E6%95%85
◇*2HP「CAになるための基礎知識 航空事故の確率」
http://ca-juken-taisaku.zalos.net/2007/03/ca_1.html
◇*3新聞「スターアライアンスにシンガポール航空が加盟 」000409読売新聞東京朝刊09頁
◇*4HP「ディズレーリの誕生日。19世紀の大政治家も最初は4回連続で落選の憂き目を見たの?」
http://blog.q-q.jp/200912/article_26.html

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この記事へのコメント

ねこのひげ
2010年12月24日 12:19
統計のウソというのはありますね。
先日、アメリカで安全な車に、はじめてトヨタの車が入りましたが、それまで安全とされていた車が、GMとフォードの車だそうで・・・・
ビックリしますね。
トヨタのクレーム、リコールが100回とすると、GM、フォードのクレーム、リコールは1万回を軽く超えているそうですけどね。
両方とも、国営会社みたいなものだし・・・(>_<)
ねこのひげ様<素町人
2010年12月24日 17:02
コメントをありがとうございます。

 アメリカではGMとかフォードの車が安全とされているのですか。きっと中国では自国製の鰻や餃子やガンダムが安全とされているのでしょうね。ガンダムは違うか。
(^_^;)
 自動車業界のことはわかりませんが、国が守っていく会社というのは、しょせん長くは続かないでしょうね。默って座って筮竹をもてあそんでみると、GMはもういちど危機に見舞われるという卦が出ています。

 だいたい素町人の占いは当たらないほうが多いので、GMの倒産を当て込んでカラウリなどなさらぬようにお願いいたします。
m(_ _)m
チョコ
2010年12月24日 18:56
リモートでの操縦は可能かもしれませんが、最低0.27秒のタイムラグが常時発生します。JAL123事故のように劣悪な状況での操縦は不可能では? また、航空会社としては、乗務員の命を担保として、安全運行を維持しているはずなので、(それでも逆噴射みたいな事故もある)歯止めがなくなってしまうのでは?
チョコ様<素町人
2010年12月24日 23:40
コメントをありがとうございます。

 タイムラグの発生はあるでしょうね。でもJAL123便の場合は、タイムラグはありませんでしたが結果は最悪に近かったようです。
 ホントに問題なのは操縦士の気の緩みとか、冷静さを失った末の判断ミスではないかと素人は憶測しています。

 操縦士は機長として搭乗すれば王様です。でも、地上では単なる従業員です。上司や同僚の眼が光っていれば真面目に慎重に仕事をするでしょう。
 体調や精神状態の不安定な者の操縦は避けやすいでしょう。飲酒操縦については完全になくなるかもしれません。操縦の途中交代も容易です。一定の姿勢で数時間も集中力を持続させるという酷な労働は避けられるかも知れません。

 まっ、ものは試しにやってみたらいいと思います。貨物機で成功したら旅客機もやればいい。操縦室も客室にできます。最高の眺望を提供して、うんと高額の料金をとれるかもしれませんよ。
(^_^;)

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