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zoom RSS 新採用される常用漢字・心系。「戦リツが走った」の「リツ」はどう書くんだっけ?

<<   作成日時 : 2010/12/20 07:52   >>

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★日本語★
問題:相変わらず、常用漢字表の新メンバーのご紹介です。
■文部科学省の案では、改定される最新の常用漢字表で196字が追加されます。5字が削除されます。191字の増加で、2136字になるらしい。平成24年(2012年)度から中学と高校で指導を始め、平成27年(2015年)度から高校・大学の入試に出題を解禁するとのこと*4。
■196字の新採用の漢字の中には、立心偏(りっしんべん)、あるいは下心(したごころ)と呼ばれる部首の漢字が5字ほどあります。
■立心偏は「快」とか「性」などの漢字でつかわれている偏ですね。下心は、「志」とか「忘」などの漢字で使われている部首です。いずれも「心」を意味するそうです。
■本日は心の部首が使われている漢字をクイズにしました。次のカタカナ部分を漢字に直してください。いずれも立心偏あるいは下心が使われています。残りの部分を考えてください。
[い]「亡き母へのショウケイ」
[ろ]「戦リツが走った」
[は]「シ意的(しいてき)に選ばれた評価項目だ」
[に]「危グ(きぐ)する」
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★日本語★
正解:各項目を参照してください
説明:[い]「亡き母へのショウケイ」は憧憬と書く
■「憧憬」は、「あこがれること」だそうです。幼いとき、あるいは若くして母を亡くしている人の場合は、憧憬もあるのでしょうね。美化されるのかな。認知症を発症した老母の介護でさんざん苦労している人の場合は、現実に圧倒されて憧憬が起きにくいようです。高齢化社会はなかなか残酷です。なお、憧憬は「ドウケイ」とも読むそうです。
□「憧」も「憬」も新採用の漢字です。「憧」という漢字は、漢和辞書「字通」によると、「ショウ、ドウ、あこがれる」という字音・字訓があります。「憧憬」以外にはめぼしい熟語はみあたらないようです。
□「憬」という漢字は、漢和辞書「字通」によれば、「ケイ、とおい、さとる」という字音・字訓があります。こちらもまた、「憧憬」のみに使われる漢字のようです。
[ろ]「戦リツが走った」は(戦)慄と書く
■「戦慄」は、「恐ろしくてからだが震えること」だそうです。「ツァラトゥストラはかく語りき」というニーチェ先生のご本では次のように使われています。「あなたがたは鷲ではない。だからあなたがたは、精神の戦慄が味わう幸福を知らない」。「わたしはこうした最善の人間たちの裸体を見たことがあった。わたしは戦慄した。遠い未来へ飛んで行くべき翼が、そのときわたしに生じた」。戦慄という言葉は、ニーチェ先生か翻訳者のどちらかが好きな言葉のようです*5。
□人は恐怖を前にすると、目自体も瞳孔も広がり、口が水平に伸びるらしい。副腎皮質から分泌されるアドレナリンという物質の量が増え、筋肉の血流が増し、脈拍は高くなるとのこと。闘争か逃走かという判断を迫られるそうです。国家でいえば臨戦体制なのかな。
□「慄」という漢字は、漢和辞書「字通」によれば、「リツ、おそれる、おののく、ふるえる」という字音・字訓があります。ちなみに、「戦」という漢字にも、「おののく」という字訓があります。「戦慄」はかなり深くおののいている様子のようですね。「慄」という漢字は「戦慄」以外にはめぼしい熟語がありませんでした。
[は]「シ意的(しいてき)に選ばれた評価項目だ」は恣(意的)と書く
■「恣意的」は、「その時々の思いつきで物事を判断するさま」だそうです。統一がとれていなかったり、整合性がなかったり、計画性がみられないということでしょうか。「恣意的に選ばれた評価項目」は、「思いつきで選んだ評価項目」とほぼおなじ意味なのでしょう。
□使われかたはすこし揺れているのかもしれません。あるHPでは、「稲妻を撮影するのは、恣意的にできるのか。それとも殆どが偶然なのか」という文を見かけました。「稲妻を撮影するのは、意図して(あるいは計画して)できるのか」と言い換えるほうが正しいような気もします。自信はありませんけど。
□「恣」という漢字は、漢和辞書「字通」によれば、「シ、ほしいまま」という字音・字訓があります。「放恣(ほうし)」という熟語をつくります。「気ままでしまりのないこと。勝手でだらしのないこと」だそうです。
□夏目漱石の「明暗」という小説では、次のように使われています。少し長いのですが、引用します。「自分に許された小天地のうちでは飽くまで放恣なくせに、そこから一歩踏み出すと、急に謹慎の模型見たように竦(すく)んでしまう彼女は、まるで父母の監督によって仕切られた家庭という籠(かご)の中で、さも愉快らしく囀(さえず)る小鳥のようなもので、いったん戸を開けて外へ出されると、かえってどう飛んでいいか、どう鳴いていいか解らなくなるだけであった」*6。
[に]「危グ(きぐ)する」は(危)惧と書く
■「危惧」は、「あやぶみ、おそれること」だそうです。心配の度合いは、「懸念」よりも強そうですね。
□「惧」という漢字は、漢和辞書「字通」には掲載されていません。日本でつくられた略字かもしれません。昔は「危懼(きく)」と書いたらしい。「懼」という漢字は、漢和辞書「字通」では、「ク、おそれる、おどろく」という字音・字訓があります。「恐懼(きょうく)」という熟語をつくります。「おそれかしこまること」だそうです。「陛下の威厳に恐懼して何もいわずに引き下がった」などと使います。
◆参考*1:HP「常用漢字表:文部科学省」
http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/k19811001001/k19811001001.html
◇*2新聞「新常用漢字表を国語分科会了承」100519読売新聞東京夕刊10頁
◇*3HP「新常用漢字(常用漢字に追加される196字)の読み方などの一覧:漢字辞典ネット」
http://www.kanjijiten.net/joyo/newjoyo.html
◇*4HP「新常用漢字、12年度導入…入試は15年度から (読売新聞) - Yahoo!ニュース」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100925-00000040-yom-soci
◇*5書籍「ツァラトゥストラはこう言った(上)」、文庫初版175/252頁、氷上英廣(ひかみ ひでひろ)訳、ISBN4-00-336392-2、岩波書店
◇*6HP「図書カード:明暗」
http://www.aozora.gr.jp/cards/000148/card782.html

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