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zoom RSS 狂歌師たちの辞世の歌。「こいつぁたまらん」とホンネを吐いたのは誰なの?

<<   作成日時 : 2010/11/11 07:14   >>

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★日本語★
問題:題の質問の答えは蜀山人(しょくさんじん)です。四方赤良(よものあから)、大田南畝(おおたなんぽ)、大田直次郎(なおじろう)などとも呼ばれます。幕府の役人でありながら洒落本を書き、狂歌師として超一流の作品を残した人物ですね。
■「今までは 他人が死ぬと 思いしが 俺が死ぬとは こいつぁたまらん」というのが、死の宣告を受けたときの歌だそうです。実に素直に本音を漏らしていますね。満74歳で亡くなっています。
■「20世紀最大の芸術家」ともいわれるマルセル・デュシャンという人物がいます。美術関係者に高く評価されるその前衛芸術作品には「泉」という名前がつけられています。男性用便器を仰向けに寝かせただけの作品だそうです。人を食った人物ですね。デュシャン先生の墓碑銘は、「死ぬのはいつも他人ばかり」というものだったらしい。わが蜀山人先生の辞世の歌とちょっと似ている気がします*3。
■江戸の作家十返舎一九(じっぺんしゃいっく)の辞世の歌もなかなか洒落ています。「此の世を どりゃお暇(いとま)と 線香の 煙と共に 灰さやうなら」。満66歳ぐらいで亡くなったらしい。
■「死にとうて 死ぬにはあらねど 御年には 御不足なしと 人の言ふらん」。手柄岡持(てがらのおかもち)という狂歌師の辞世だそうです。満78歳ぐらいらしい。現在の男性の平均寿命に近い。江戸時代なら、もちろん「お年に不足はありませんけど」というお悔やみがあったでしょう。
■戯作者式亭三馬(しきていさんば)の辞世は、「善もせず 悪も作らず 死ぬる身は 地蔵笑はず 閻魔叱らず」。式亭三馬は、手鎖の処分を受けたことがあるそうです。作品の材を取った人物とのあいだで揉めたことが原因らしい。まぁそれぐらいなら、「悪も作らず」のうちと考えていいのでしょうね。
■というわけで、本日は江戸の人物たちの辞世の歌についてのクイズです。それぞれの虫食い部分に言葉を埋めて下さい。
[い]「執着の ( )や娑婆に のこるらん よしのの桜 更科の月」 ヒント 物ではありません
[ろ]「宗鑑は いずくへ行くと 人問わば ちとようありて ( )へといへ」 ヒント 無神論者にはありません
[は]「われ死なば 備前の土と なしてたべ ( )となりて 長く栄えん」 ヒント 酒飲みの辞世です
[に]「われ死なば ( )のかめの 下にいけよ せめて滴の もりやせんもし」 ヒント これも酒飲みの辞世です
[ほ]「わんざくれ ふんぞるべいか ( )ばかり あすは烏が かつかじるべい」 ヒント 明日処刑されます
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)





















★日本語★
正解:各項目を参照してください
説明:[い]「執着の ( )や娑婆に のこるらん よしのの桜 更科の月」 の虫食い部分にはが入る
■朱楽菅江(あけらかんこう)という狂歌師の作品だそうです。朱楽菅江氏は、元文(げんぶん)5年(1740年)ごろに生まれ、寛政(かんせい)12年(1800年)まで生きた洒落本作者とのこと。蜀山人らとともに天明狂歌壇の中心的な人物らしい。
□満60歳での死は、江戸時代ではそんなに若死にではないでしょけれど、でもやはり娑婆に未練があるらしい。酒とか女とか食い物に未練があるのではなく、妙に風流なものが並んでいます。そこがちょっとした見栄なのかな。
[ろ]「宗鑑は いずくへ行くと 人問わば ちとようありて ( )へといへ」 の虫食い部分にはあの世が入る
■山崎宗鑑(そうかん)という連歌師・俳人だそうです。この人だけは、室町時代後期の人で江戸時代ではありません。Wikipediaによれば、寛正(かんしょう)6年(1465年)〜天文(てんぶん)22年(1553年)とありました。計算上は88歳ぐらいで亡くなったことになり、当時としては大変なご長寿です。ただし、生年にも没年にも疑問符が付けられています。死因はできものが出来たことらしい。
□「ちとようありて」の「よう」は、「用」と「瘍(よう、できもの)」をかけているそうです。死因に言及しているわりには妙に軽くてさっぱりとした作品ですね。
[は]「われ死なば 備前の土と なしてたべ ( )となりて 長く栄えん」の虫食い部分には徳利が入る
■酒の好きでたまらない人は、ときどきこんなことを考えるようですね。徳利になれば、またいくらでも酒が飲める。ただし、備前の土になったからといって、徳利になれるかどうかはわかりません。「望みなら 備前の土に なしもせん もしすり鉢に なった時には」という返歌を詠まれているようです。どちらも詠み人しらずの歌です。
[に]「われ死なば ( )のかめの 下にいけよ せめて滴(しずく)の もりやせんもし」の虫食い部分には酒屋が入る
■これも、酒飲みの妄想ですね。酒屋の瓶の下に埋めてもらえれば、滴(しずく)ぐらいは垂れてくるかもしれない。少し遠慮気味の願望のようです。この歌を詠んだのは、守屋仙庵(もりや せんあん)という人物だそうです。歌の最後に自分の名前を詠み込んでいるようです。
[ほ]「わんざくれ ふんぞるべいか ( )ばかり あすは烏が かつかじるべい」の虫食い部分には今日が入る
■この歌は、山中源左衛門(げんざえもん?)という人の歌らしい。2代目将軍の秀忠のころ、江戸城につとめていた武士だそうです。ちょっと道を踏み外して遊び人になったらしい。それも吉原に入り浸るというようなものではなくて、男を売り物にする人たちの仲間になったようです。噂にきくかぶき者になったのでしょうか。仕事は休みがちで町で暴れてばかりいるのでついには切腹を命じられたようです。
□「わんざくれ」とは「やけになること」だそうです。「ふんぞる」は「手足を思いきり伸ばして背をそらす」という意味があるようです。「もうやけくそさ。今日だけは好きにさせて貰おうじゃねぇか。明日になったら烏に我が身をかじられるんだからさ」というような意味でしょうか。この武士らしくない言葉づかいも、きっとアウトローの仲間で通用するものだったのでしょう。
◆参考*1:書籍「江戸狂歌125選」長生馬齢著、ISBN978-4-7500-0308-5、愛育社
◇*2HP「山中源左衛門 辞世の句」
http://www.yuugao.jp/jinpati/lastsong/genzaemon.htm
◇*3HP「「20世紀最大の芸術家」デュシャンの誕生日。便器を使った記念碑的作品は壊されちゃったの?」
http://blog.q-q.jp/201007/article_23.html

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