お医者さんゴッコの必須アイテム。聴診器はいつごろ発明されたの?

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★科学★
問題:体の調子についてお医者さんが質問し、患者が答えるのを問診というそうです。肌着を脱がせ、胸・腹や背中を叩いて音を聴くことは打診というらしい。肺や心臓の音を聴くことは聴診というのかな。
■聴診器はとても単純な道具です。心臓の鼓動や肺の呼吸、あるいは指で腹腔や胸腔を叩いた反響をゴムの管を通して聴くだけらしい。ゴムの管は雑音の混入や音の減衰を防いでいるのでしょうね。最近では電子部品を使って増幅する仕掛けのものも登場しているらしい。
■最近のお医者さんは問診と血液検査、CT・MRIなどがお好きなようです。でも、ほんの30年ほど前までは、打診や聴診でずいぶん多くの病気を発見したといいます。経験で得られた技能が必要だそうです。若いお医者さんには人気がないと聞きます。
■ところで、聴診器はいつごろ発明されたものでしょうか?
[い]紀元前の時代
[ろ]西暦1~1000年のあいだ
[は]西暦1001~1500年のあいだ
[に]西暦1501~1800年のあいだ
[ほ]19世紀以降
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★科学★
正解:[ほ]19世紀以降
説明:聴診器はあんなに単純素朴な仕掛けです。その原形はヒポクラテスの時代からある、といわれても驚きません。ヒポクラテスは、紀元前5世紀から4世紀に活躍したという古代ギリシャの医業の始祖だそうです。19世紀までなかったというのはちょっと驚きですね。心臓や肺の病気の診断には欠かせない道具でしょうに。
■聴診器を発明した人は、フランス人の病理学者・医師で、ラエネクという人だそうです*1。Wikipediaでは、ルネ・ラエンネック(René-Théophile-Hyacinthe Laennec)と表記していました*2。ルーブル宮殿で中庭を歩いていたところ、子供たちが長い棒の両端に耳をつけ、音を聞いて遊んでいたそうです。ふと、自分の仕事に生かせないか。心臓病に応用できないかと閃(ひらめ)いたらしい。
■自分の病院の診察室で、紙を巻いた筒を患者の胸に当て、音を聴いてみたそうです。雑音が聞こえたらしい。少しずつ改良を加えた結果、長さ30cm、直径3cmほどの木製・中空の筒を使うことに決めたようです。これが聴診器の発明というか発見の瞬間のようです。満35歳前後のときらしい*1。
■それまでの医師は、患者の胸に直接耳をあてて鼓動や呼吸の音を聴いていたそうです。患者が若い女性なら喜んでやりたい。でも、出来物だらけだったり異常に毛深かったりしたら、遠慮したくなるでしょうね。医師によっては、患者の胸に広げる専用の絹のハンカチを携帯していたそうです。
■ラエネク医師は、その聴診器を自分の胸にも当ててみたらしい。木製です。かなり首を傾けたのでしょうか。Wikipediaには、甥っ子に聴いてもらったとありました。
■運命は残酷です。かなり重い肺疾患にかかっていることがわかります。聴診器発明の10年ほど後。1826年(文政(ぶんせい)9年)8月13日にラエネク医師は肺疾患が原因で満45歳の若さで亡くなったとのこと。肺結核だったのでしょうか。ラエネク医師は「わが人生最大の遺産」として甥っ子に自分の聴診器を譲ったそうです*1。
■ラエネク医師は、最後の残された時間で、肺疾患の原因を科学的に整理した医学書をまとめあげたらしい。後世の人から「この本によって医学は科学的な方向に向かっていった」といわれるほどの名著とのこと*1。また、聴診器で聴いた音を水泡音、類鼾音(るいかんおん)、捻髪音(ねんばつおん)、山羊声などの用語をつけて分類したそうです。これらの言葉は現在の医師たちにも使われているらしい*2*3*4。名著と聴診器を残して去った医師に感謝します。
◆参考*1:書籍「頭にやさしい雑学読本3」文庫初版330~331頁、竹内均(たけうちひとし)編、ISBN4-8379-0943-4、三笠書房
◇*2HP「ルネ・ラエンネック - Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%83%8D%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%83%E3%82%AF
◇*3HP「類鼾音 - Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A1%9E%E9%BC%BE%E9%9F%B3
◇*4HP「肺の聴診」
http://akimichi.homeunix.net/~emile/aki/html/medical/respiratory/node26.html

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