冬でも毎日コップ一杯以上の汗をかくの?
●●●●★科学★●●
問題:だんだん寒くなってきました。暑いのも苦手ですが、寒いのも苦手というわがままな者にとっては、秋が終わるのは辛いですね。
■夏はベトベトと汗をかくから好きじゃないという人がいます。でも人間は1年中汗はかいているという説もあります。汗をかけば蒸発する際の気化熱で皮膚の温度が下がります。体温調節のための汗という目的からすると冬に汗をかくのは無意味な気もしますけど。
■真夏に平均温度が30度の室内で体重65kgの人が1日でかく汗の量は3L(リットル)程度という話があります。日射しの強い露天で肉体労働に従事すると、1日で10L以上も汗をかく場合もあるらしい。水の補給が欠かせませんね。真夏の日中に屋外を歩けば、1時間で500ml程度は汗をかくそうです。真夏ではないでしょうけれど、一般の人がフルマラソンを完走すると、4時間ぐらいで4Lほどは汗を流すらしい。一般とはいっても4時間で完走というのはかなり走り慣れている人かもしれませんけど。
■では、真冬の日常生活では、1日でどのぐらい汗をかいているのでしょうか?
[い]10mlぐらい
[ろ]50mlぐらい
[は]150mlぐらい
[に]300mlぐらい
[ほ]600mlぐらい
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)
●●●●★科学★●●
正解:[に]300mlぐらい
説明:真冬でもコップ一杯以上の汗をかいているというのはちょっと不思議な気もします*1。参考資料*2によれば、「…冬は夏と比較して、発汗量が少なく、発汗しても乾燥した環境では汗は流れ落ちずに蒸発するため、自分では汗をかいているという自覚がない」とのこと。
■汗が出るのは、エクリン腺、アポクリン腺という2種類の汗腺だそうです。前者は生理的な汗、後者は精神性発汗に関係する汗腺らしい。エクリン腺は全身に分布していて200万以上もあるようです。手のひらがいちばん多く分布しているとのこと。1平方cmあたり300も分布しているそうです。背中と胸は少ないらしい。1平方cmあたり100ぐらいとのこと*1。
■アポクリン腺からでる汗は、人間においては体温調節のための汗ではないらしい。脇の下、乳首、おへその周囲、外陰部などにある汗腺だそうです。冷や汗をかいたりするときに出るのかな。よく多汗症ではないかと心配する思春期の男女がいます。そういうかたは、エクリン腺ではなく、アポクリン腺から汗をかいているのでしょうか。
■なお、哺乳類の多くはエクリン腺がなく、アポクリン腺だけあるそうです。よく犬は汗で温度調節ができないから舌を出してハァハァしているといいますね。あれもエクリン腺がないからかな。ウマやウシの場合はアポクリン腺からの汗で体温を調節するそうです*1。
■余談です。漢語では冷汗三斗(れいかんさんと)という言葉があります。恐ろしかったり恥ずかしかったりして冷や汗をいっぱいかくという意味らしい。現在の日本では1升=約1.8L(リットル)で1斗=10升です。3斗=約54Lでしょうか。身体の60~70%は水であるという話からすると、冷汗三斗を実現できるのは、最低でも体重90kg前後の人かもしれません。冷汗三斗の後では、究極の脱水症状でミイラと化しているのかな。
■なお、大昔の中国では1斗=約1.8Lという話もあります。これだと話は1/10になりますね。Wikipediaによれば、現代の中国では1升=1Lと決められ、1斗=10Lだそうです。わかりやすいことはわかりやすい。でも、升や斗という単位を残しておく意味はほとんどありません。変なの。
■なお、冷や汗一斗(ひやあせいっと)という日本語の表現もあるそうです。いずれにせよ、かなりの誇張があります。そんなに冷や汗をかいたら、アポクリン腺が過熱して熱暴走してしまいそうです。
◆参考*1:書籍「頭にやさしい雑学読本1」文庫初版198~199頁、竹内均(たけうち ひとし)編、ISBN4-8379-0912-4、三笠書房
◇*2HP「からだクローズアップVol.33 真冬でも水分摂取を大切に:@niftyダイエット」
http://diet.nifty.com/cs/tanita-kcloseup/detail/100126845088/1.htm
ぬけられます→科学雑学クイズ一覧
問題:だんだん寒くなってきました。暑いのも苦手ですが、寒いのも苦手というわがままな者にとっては、秋が終わるのは辛いですね。
■夏はベトベトと汗をかくから好きじゃないという人がいます。でも人間は1年中汗はかいているという説もあります。汗をかけば蒸発する際の気化熱で皮膚の温度が下がります。体温調節のための汗という目的からすると冬に汗をかくのは無意味な気もしますけど。
■真夏に平均温度が30度の室内で体重65kgの人が1日でかく汗の量は3L(リットル)程度という話があります。日射しの強い露天で肉体労働に従事すると、1日で10L以上も汗をかく場合もあるらしい。水の補給が欠かせませんね。真夏の日中に屋外を歩けば、1時間で500ml程度は汗をかくそうです。真夏ではないでしょうけれど、一般の人がフルマラソンを完走すると、4時間ぐらいで4Lほどは汗を流すらしい。一般とはいっても4時間で完走というのはかなり走り慣れている人かもしれませんけど。
■では、真冬の日常生活では、1日でどのぐらい汗をかいているのでしょうか?
[い]10mlぐらい
[ろ]50mlぐらい
[は]150mlぐらい
[に]300mlぐらい
[ほ]600mlぐらい
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)
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正解:[に]300mlぐらい
説明:真冬でもコップ一杯以上の汗をかいているというのはちょっと不思議な気もします*1。参考資料*2によれば、「…冬は夏と比較して、発汗量が少なく、発汗しても乾燥した環境では汗は流れ落ちずに蒸発するため、自分では汗をかいているという自覚がない」とのこと。
■汗が出るのは、エクリン腺、アポクリン腺という2種類の汗腺だそうです。前者は生理的な汗、後者は精神性発汗に関係する汗腺らしい。エクリン腺は全身に分布していて200万以上もあるようです。手のひらがいちばん多く分布しているとのこと。1平方cmあたり300も分布しているそうです。背中と胸は少ないらしい。1平方cmあたり100ぐらいとのこと*1。
■アポクリン腺からでる汗は、人間においては体温調節のための汗ではないらしい。脇の下、乳首、おへその周囲、外陰部などにある汗腺だそうです。冷や汗をかいたりするときに出るのかな。よく多汗症ではないかと心配する思春期の男女がいます。そういうかたは、エクリン腺ではなく、アポクリン腺から汗をかいているのでしょうか。
■なお、哺乳類の多くはエクリン腺がなく、アポクリン腺だけあるそうです。よく犬は汗で温度調節ができないから舌を出してハァハァしているといいますね。あれもエクリン腺がないからかな。ウマやウシの場合はアポクリン腺からの汗で体温を調節するそうです*1。
■余談です。漢語では冷汗三斗(れいかんさんと)という言葉があります。恐ろしかったり恥ずかしかったりして冷や汗をいっぱいかくという意味らしい。現在の日本では1升=約1.8L(リットル)で1斗=10升です。3斗=約54Lでしょうか。身体の60~70%は水であるという話からすると、冷汗三斗を実現できるのは、最低でも体重90kg前後の人かもしれません。冷汗三斗の後では、究極の脱水症状でミイラと化しているのかな。
■なお、大昔の中国では1斗=約1.8Lという話もあります。これだと話は1/10になりますね。Wikipediaによれば、現代の中国では1升=1Lと決められ、1斗=10Lだそうです。わかりやすいことはわかりやすい。でも、升や斗という単位を残しておく意味はほとんどありません。変なの。
■なお、冷や汗一斗(ひやあせいっと)という日本語の表現もあるそうです。いずれにせよ、かなりの誇張があります。そんなに冷や汗をかいたら、アポクリン腺が過熱して熱暴走してしまいそうです。
◆参考*1:書籍「頭にやさしい雑学読本1」文庫初版198~199頁、竹内均(たけうち ひとし)編、ISBN4-8379-0912-4、三笠書房
◇*2HP「からだクローズアップVol.33 真冬でも水分摂取を大切に:@niftyダイエット」
http://diet.nifty.com/cs/tanita-kcloseup/detail/100126845088/1.htm
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