日本がメートル条約に加入した日。世界のメートルの定義が変わった日でもあるの?

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★歴史★
問題:本日、10月20日は、我が国がメートル条約に参加した日だそうです。明治18年(1885年)のことだったらしい。
■メートル条約は、明治8年(1875年)5月20日にパリで成立した条約だそうです。最初は17か国が加盟したらしい。日本も勧誘されましたが、このときは見送ったそうです。同年に政府が定めた度量衡取締条例という約束事では、尺貫法が用いられたとのこと。
■明治17年(1884年)に、メートル原器を新たに製作するという知らせが届いたようです。これをきっかけとして、メートル条約への加入が検討され、決断されたらしい。
■それから約100年たった昭和58年(1983年)の今日、10月20日。第17回国際度量衡会議という科学者の集まりで、1mは光速を基準として定義されることになったらしい。「真空中で1秒の2億9979万2458分の1の時間に光が進む行程の長さ」になったようです。
■アインシュタイン博士らが指摘するところでは、真空中の光の速度は絶対不変なものらしい。それで光速が基準に使われるようになったとのこと。
■なお、「真空中」と限定するのは、光が他の媒体中を進む速さは真空中よりも遅くなるからだそうです。真空中では2億9979万2458m(約30万km)ですが、ガラスの中だと秒速約20万km。ダイヤモンドの中では約10万kmに減速するらしい。もちろん光ファイバーの中でも減速するとのこと。音の場合は真空中では伝わりませんが、ガラスや空気、金属、水など媒体によって伝わる速度が違うそうです。ちょっと似ています。
■では、本日のクイズ。メートル法が世界でいちばん最初に決められたのはいつなのでしょうか。次の中から選んでください。
[い]18世紀初めごろ
[ろ]18世紀中ごろ
[は]18世紀末ごろ
[に]19世紀初めごろ
[ほ]19世紀中ごろ
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★歴史★
正解:[は]18世紀末ごろ
説明:Wikipediaによれば、メートルが初めて規定されたのは1791年(寛政(かんせい)3年)だそうです。欧州の各地では度量衡の単位がまちまちで不自由だったらしい。フランス革命のとき、改革すべき旧体制のひとつとして単位系がとりあげられたとのこと。
■3つの案の中から「地球の北極から赤道までの子午線弧長の1000万分の1」が採用されたらしい。実際には、北極から赤道までを測るのはむずかしいので、フランス北部のダンケルクからスペインのバルセロナまでを測ります。それぞれの緯度を精密に測定し、距離とあわせて計算して、北極から赤道までの距離を算出したそうです。
■寛政(かんせい)11年(1799年)に白金製のメートル原器が完成したらしい。質量についても、メートル原器を基準として10cm立方の水の質量を1kgと決めたとのこと。
■明治22年(1889年)の第1回国際度量衡総会で、メートル条約の加盟国にくじ引きでメートル原器が配布されたそうです。日本は30本作られたうちのNo.22というのが当たったらしい。それぞれのメートル原器は、厳密にいえば少しずつ誤差があったそうです。たとえば日本の原器は0.78μm(マイクロメートル、100万分の1m)だけ誤差があったらしい。髪の毛の太さほどだったようです。短かったのか長かったのかはわかりませんでした。
■科学が進むにつれ、もっと普遍的な定義が求められるようになったそうです。光の波長を用いた長さの基準の研究が進みます。昭和35年(1960年)には、第11回国際度量衡総会が開かれ、あたらしい1mが定義されたらしい。クリプトンという元素の原子が特定の条件で発する赤い光の真空中における波長の165万0763.73倍という新しい定義が採択されたとのこと*1。クリプトンは、かのスーパーマン氏の生まれ故郷の星の名前ですね。まるで関係ないでしょうけれど。
■そして昭和58年(1983年)の今日、真空中の光の速度を基準にすることが決まったようです。光速の測定精度が高まったことなどが理由らしい*1。
■なお、秒の基準についても光が使われているそうです。「セシウム原子が吸収・放出する特定の光の振動周期の91億9263万1770倍」が1秒だそうです*5。時間も空間も光で定義されているというのは、知りませんでした。
■余談です。Wikipediaのメートル原器の項によれば、明治23年(1890年)に日本に到着したメートル原器とキログラム原器は、現在、産業技術総合研究所という機関が保管しているとのこと*6。噂では、尺貫法の尺の原器も同機関にあるとか。これらの原器は、各地に複製品があり、公開展示されることもあるようです。なお、尺は明治24年(1891年)制定の度量衡法でメートル原器の10/33と決められたそうです。曲尺(かねじゃく)と呼ばれるほうですね。いわゆる鯨尺(くじらじゃく、呉服尺とも)は、曲尺より25%長いものらしい*8。
■産業技術研究所によれば、現在では2000kmあたりにつき髪の毛の太さ1本分ぐらいの誤差で距離を測る技術もあるらしい*7。明治23年(1890年)には1mにつき髪の毛1本分の誤差。120年経過した今では、測定の精度は200万倍に向上した…と考えていいのかな。白金を加工する精度のほうが低かったのかな。
■さらに余談です。「メートルをあげる」という言葉は、酒を飲んで気炎をあげるという意味です。この場合のメートルは長さの単位ではありません。数量表示器のほうのメーターです。伊藤永之介(えいのすけ?)という人の「鶯」という文章では、「やがて四合瓶になり一升瓶になって、さんざメートルをあげた揚げ句の果てには」と使われているとのこと。この文章を、「合・升」という尺貫法とメートル法が混在した悪い文例…と解釈するのは間違いのようです。
◆参考*1:HP「メートル - Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%AB
◇*2HP「メートル条約 - Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%AB%E6%9D%A1%E7%B4%84
◇*3HP「ガラスの中を通過するとき光は秒速30万kmではないの?」
http://blog.q-q.jp/200910/article_14.html
◇*4HP「伊能忠敬が測った緯度1度の距離は正確だった?」
http://blog.q-q.jp/200709/article_10.html
◇*5HP「秒 - Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A7%92
◇*6HP「メートル原器 - Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%AB%E5%8E%9F%E5%99%A8
◇*7HP「産総研・サイエンス・タウン 世の中の基準を創って守るために 「“ものさし”のふるさと!?」」
http://www.aist.go.jp/aist_j/science_town/standard/standard_01/standard_01_02.html
◇*8HP「尺 - Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%BA
◇*辞書「日本国語大辞典」小学館

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