「自由万歳!」という言葉はいつごろから使われ始めたの?

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★歴史★
問題:Wikipediaによると、祝賀の言葉、「万歳」をバンザイと発音するようになったのは、明治22年(1889年)2月11日が最初だそうです。紀元節ですね。今でいう建国記念日です。青山練兵場で観兵式があったらしい。陛下が軍隊を閲兵するのかな。このとき、青山に向かう明治天皇の馬車に向かって万歳三唱したのが最初だそうです。
■当時の文部大臣森有礼(もり ありのり)は、奉賀という言葉を候補として推したらしい。でも、連呼すると「ホウガホウガ…」となり、2番目以降は「アホウガ」とも聞こえます。で、廃案になり、古来から祝賀の辞として使われた万歳が浮上してきたようです。
■発音が問題となったようです。「マンザイ」を三唱するのもいいでしょうけれど、三河万歳(みかわまんざい)みたいです。力が抜けてしまいます。それまでの奉祝の言葉としては「バンセイ」という発音もあったらしい。でも新味には欠ける感じなのかな。最後はバンザイに落ち着いたようです。
■バンザイは、読みかたとしては少し変則らしい。Wikipediaによれば漢音と呉音の混用になるとのこと。漢和辞書「字通」では、万歳を「バンサイ」という濁らない読みで立項しています。「字源」では「バンザイ」として立項していますが。
■ちなみに、中国語では萬歳(万歳)をワンスイと発音するらしい。朝鮮語ではマンセーだそうです。秋葉原でおなじみの「肉の万世」みたいですね。
■江戸っ子の啖呵(たんか)で知られる「このベラボウめ!」という言葉は、本来はヘラボウだったらしい。ごはんをつぶして糊にするヘラがあります。「穀潰し(ごくつぶし)」という駄洒落でヘラ坊・ヘラ棒という悪口になりましたが、「へ」という発音では気が抜けてしまいます。少し臭うし。自然と、ベラボウという濁音になったらしい。日本語では濁音にすると力強く聞こえるのかな。
■閑話休題。言葉としては中国にも朝鮮にもあり、江戸時代以前の日本にもあった万歳ですが、当時の流行語「自由」とつなげて「自由万歳!」と使われ出したのは、明治時代のある出来事がきっかけになったそうです。それは次のどれでしょうか?
[い]明治5年(1872年)の東京日日新聞の宅配開始
[ろ]明治7年(1874年)の二階建馬車の運行開始
[は]明治15年(1882年)の板垣退助(たいすけ)遭難事件
[に]明治22年(1889年)の大日本帝国憲法発布
[ほ]明治38年(1905年)の日比谷公園焼討事件(日露戦争後の講和条件に怒った暴動)
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★歴史★
正解:[は]明治15年(1882年)の板垣退助(たいすけ)遭難事件
説明:ご存じのとおり、自由民権運動の志士にして昔の百円札肖像画のモデル板垣退助は、岐阜で暴漢に襲われ負傷します。明治15年(1882年)の4月6日の夕方6時ごろらしい。「板垣死すとも自由は死せず!」と叫んだと伝えられます*2。板垣自身の言葉ではないという説もあるようですが。
■幸い、板垣の傷は浅く、10日ほどでごく安定した状態になったらしい。4月15日には医師から移動許可が出たようです。遊説旅行を続けるべく、琵琶湖に到着すると、湖上の汽船には「自由万歳!」と大書された幟(のぼり)が立っていたそうです。古沢滋(しげる)という土佐藩以来の仲間が景気付けに準備してくれたらしい。参考資料*3によれば、「自由万歳」という言葉が日本で初めて使われた瞬間だそうです。このとき、万歳は「Long live」の訳として使われたとのこと。全体としては「自由よ、永らえよ」という願いがこめられているのかな。
■明治22年に初めて「バンザイ」という発音になったわけです。明治15年の古沢滋らは、「らぁて(なんて)書きましょうか」、「そうだな、自由マンザイとでも書くか」なんて会話をしたのでしょうか。なおこの土佐弁は参考資料*4の翻訳によります。
■ちなみに「自由」という言葉自体は、古くから中国にも日本にもあったようです。漢和辞書「字通」には、「後漢書」という4世紀末~5世紀半ばにかけて成立した歴史書での使用例が掲載されていました。「思いのまま」という意味は現在と変わっていないようです。
■明治維新以降、自由と平等は流行語になったらしい。ただし、政治活動の自由は現在ほどではありませんし、言論の自由もずいぶん制限されていました。四民平等という建前ではありますが、華族や士族と平民では扱いが違います。士農工商よりはマシでしょうが平等もまた実現していなかったようです。
■最近では、「自由」という言葉はあまり使われなくなりました。自由があまりにありふれたもの、あたりまえなものになった証左でしょうか。有権者の多数派は、「自由民主党」は古く、「民主党」は新しいととらえているようです。「自由」なんて言葉がついていると古くさい印象があるのかな。
◆参考*1:HP「万歳 - Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%87%E6%AD%B3
◇*2「板垣死すとも自由は死せず」は板垣自身が言った言葉ではないの?
http://blog.q-q.jp/200904/article_7.html
◇*3書籍「幕末明治風俗逸話事典」初版571~575頁、紀田順一郎(きだ じゅんいちろう)著、ISBN4-490-10338-7、東京堂出版
◇*4HP「土佐弁コンバータ「よさこい龍馬」」
http://www.roy.hi-ho.ne.jp/ken_jun/

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