今日はフグの日。秀吉は毛利氏が禁止していたフグ料理を解禁したの?

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★歴史★
問題:本日は29日の語呂合わせで、一部の業者からフグの日と呼ばれているらしい。毎月あるようです。おなじ理由で2月9日もフグの日だそうです。2月派と毎月派はどちらが多数派なのかな。いっそ2月と9月はフグの月とすれば、計2か月にわたって客を呼べそうですけど。
■1500万~3500万年前にサバフグの先祖が出現したそうです。サバフグ属はフグ科の一種らしい。150万~200万年前になってトラフグが出現したそうです。トラフグはマフグと並んで食用に供される種類とのこと*3。
■フグにはご存じのとおり毒があります。でも旨い。「河豚は食いたし、命は惜しし」ですね。江戸時代の俳人小林一茶は、「鰒(ふぐ)食わぬ 奴には見せな(見せるな) 不二の山」と読んだとか。フグを積極的に召し上がるタイプらしい。松尾芭蕉は「河豚汁や 鯛もあるのに 無分別」と安全を重視するタイプらしい。
■本日は、フグの日にちなみ、この毒のある魚の歴史についての雑学クイズです。次のうち正しい記述はどれでしょうか? (正解は複数かも)
[い]フグは平安時代中ごろの記録に初めて登場する。それ以前は海流の関係から日本近辺ではほとんど捕れなかったと見られている
[ろ]毛利氏はフグを調理して食べることを禁止していた。秀吉は下関に滞在した際にこんな旨いものを食べられないのは不合理だとして自分の家来には解禁した。
[は]明治新政府はフグを食べることを禁じた
[に]毒のないフグ肝を製造する方法が特許を得ている
[ほ]Wikipediaのフグで亡くなった有名人の項にはレスラーの名前が多い
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★歴史★
正解:[は]が正しい
説明:[い]フグは平安時代中ごろの記録に初めて登場する。それ以前は海流の関係から日本近辺ではほとんど採れなかったと見られている(×)
■日本の2万年前ぐらいのものと見られる遺跡の出土品と一緒に、フグの骨が発掘されたりしているそうです。ずいぶん昔から食用にされていた可能性があるらしい。
□縄文時代の多くの貝塚からもフグの骨が発掘されているとのこと。30cm以上の大きなマフグの骨が多いらしい。昔の人たちはどのように調理したんでしょうかね。やはり時々事故を起こしていたのかな*3。
[ろ]毛利氏はフグを調理して食べることを禁止していた。秀吉は下関に滞在した際にこんな旨いものを食べられないのは不合理だとして家来には解禁した。(×)
■正しくは、「秀吉はフグを食べることを禁止した」だそうです。朝鮮征伐で参謀本部を置いた名護屋(現佐賀県唐津市)に行く往復なのでしょうか。秀吉は下関に立ち寄っているそうです。その際、フグ毒の犠牲者が出ることを恐れ「河豚食用禁止令」をだしたとのこと*1。
□参考資料*2には、やや異なる情報が記されています。「朝鮮出兵の際には、佐賀県北部に集結した兵士達が、出陣の前祝にふぐを食べ多くの犠牲者を出した」とのこと。秀吉は「鰒(ふく)を食することまかりならぬ」 と札を立てさせたらしい。でも、字の読めない者が多く、多数の兵士がフグを口にし、命を失ったそうです。命令を出した場所は異なりますが、戦力減少をもたらす危険な食品を秀吉が禁止したことは確かなようです。
[は]明治新政府はフグを食べることを禁じた(○)
■参考資料*1によれば、江戸時代の各藩はそれぞれに「河豚食用禁止令」を出した。特に長州藩は厳しく、家禄没収などの厳しい処罰が定められていたらしい。落語家は、「フグはお家の法度(はっと)」と駄洒落をとばしています。「不義」と「河豚」ですね。
□農・工・商に従事する者は、藩士への禁令は無関係です。フグは「赤間ヶ関(下関)名物の料理として、日本全土に知れ渡った」ようです。落語「らくだ」の主人公はフグに当たって亡くなっていますね。川柳にもフグにまつわる作品が数多くあるようです。「臆病は 葱(ねぎ)ばかり食う 雪の夜」。てっちりを皆さんで突っついているのかな。「フグの客 また死にたいと 礼に来る」。フグで接待したらたいへん喜ばれたようです。
□明治政府は、フグ中毒の増加を受けて、「フグを喰う 者は科料に 処するべし」という川柳をつくりました。ん、違うか。「河豚食う者は拘置科料に処する」とした項目を含む違警罪即決令(いけいざいそっけつれい、微罪を警察官に処理させるもの)を発布したらしい。フグ料理はにわかに姿を消してしまったようです。
□明治21年(1888年)、伊藤博文が下関を来訪したとき、割烹料亭の春帆楼(しゅんぱんろう)でフグを食べます。感嘆した伊藤博文は県知事に働きかけ、山口県下ではふぐ食が解禁されたとのこと*1。
[に]毒のないフグ肝を製造する方法が特許を得ている(×)
■Wikipediaによれば、平成17年(2005年)に佐賀県の業者がフグ毒の発生しない養殖法を開発し、フグの肝を食用として提供できるように特許を申請したそうです。でも、「100%の安全性が保証できない」という理由でいまのところ却下されているらしい。
[ほ]Wikipediaのフグで亡くなった有名人の項にはレスラーの名前が多い(×)
■正しくは「相撲の力士が多い」です。といっても、フグ毒で亡くなった有名人は3人しか挙げられていません。そのうちの2人が力士。残る1人はご存じのかたも多い8代目板東三津五郎(みつごろう)という歌舞伎役者です。人間国宝でした。女優の池上希実子(きみこ)は孫だそうです。食通で知られる三津五郎は板前にせがんでフグ肝を4人前も食べ、亡くなったとのこと*4。
□福栁伊三郎(ふくやなぎ いさぶろう)という力士は大正15年(1926年)12月11日に、沖ツ海福雄(おきつうみ ふくお)という力士は昭和8年(1933年)9月30日に亡くなっています。
□関西以西では、フグは福を招く縁起のいい魚といわれます。「フク」と濁らずに呼ぶことがあるらしい。死んだ2人の力士は、どちらも名前に「福」という漢字が含まれています。ひょっとしたら「福」がフグを招いたのかもしれませんね。
□力士は身体が大きいので油断するのかな。フグ1匹がもつ毒性は、人間だと10人以上を殺すことができるほど強いと聞きます。どんなに頑強な身体の持ち主でもとてもかなわないと考えたほうがよさそうです。
◆参考*1:HP「【楽天市場】ふぐの歴史:フグと言えば下関!伊藤商店」
http://www.rakuten.co.jp/itoushouten/808610/
◇*2HP「ふぐの呉竹 ふぐのお話」
http://www.interq.or.jp/cool/gun3/hugunohanashi.html
◇*3HP「松浦商店インデックスd」
http://www.jnit.co.jp/fugushop/83indexd.htm
◇*4HP「フグ - Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B2%B3%E8%B1%9A
◇*5:書籍「川柳食物事典」初版71~73頁、山本成之助著、牧野出版

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