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zoom RSS 新しく採用される常用漢字・山岳高原系。「富士の裾野」の裾野はなんと読むの?

<<   作成日時 : 2010/08/30 07:44   >>

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★日本語★
問題:先週に引き続き、常用漢字表の新メンバーのご紹介です。早ければ、平成22年(2010年)の11月から常用漢字表が新しくなるそうです。196字が追加されます。5字が削除されます。191字の増加で、2136字になるらしい。
■この中には、地形などの普通名詞、山などの固有名詞に使われる漢字・熟語もあります。たとえば駒ヶ岳という山は全国に20近くあるそうですが、この「駒」という漢字も今回の採用らしい。
■尾瀬の近所には景鶴山(けいづるやま)という地味な山があります。さほど離れていない場所には男鹿岳(おがだけ)というやはり地味な山があるらしい。いずれも日本三百名山に選ばれているとのこと。前者は「鶴」、後者は「鹿」が新しく採用される常用漢字のようです。
■そういえば栃富士(とちふじ)、栃赤城(とちあかぎ)、栃木山(とちぎやま)、栃王山(とちおうやま)という山もありました。「栃」という漢字が新採用常用漢字です。栃木山は大正時代の名横綱と呼ばれています。ん。ちょっと分類が違うかな。
■本日は、上記の漢字と同様に、山の固有名詞に使われたり、山周辺の地形を表す際に使われる常用漢字の新メンバーをクイズとしました。次の漢字・熟語の読みを示してください。
[い]「那須高原はすでに秋を迎えている」の「那須」
[ろ]「木曽山脈は通称中央アルプスと呼ばれる」の「木曽」
[は]「峨眉山は李白の詩にも詠まれている」の「峨眉山」
[に]「麓から救援隊が登ってきた」の「麓」 
[ほ]「富士の裾野で巻き狩りをした」の「裾野」
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★日本語★
正解:各項目を参照してください
説明:[い]「那須高原はすでに秋を迎えている」の「那須」はなすと読む
■「須」という漢字が新採用漢字だそうです。「須」という漢字は、漢和辞書「字通」では、「シュ、ひげ、もちいる、まつ、すべからく」という字音・字訓があります。
□「すべからく(須く)」は、「あることをぜひともしなければならないという気持ちを表す言葉」だそうです。「当然」と言い換えることができます。たとえば、「すべからく誠実に生きるべし」は「当然ながら誠実に生きるべきである」という意味になります。
□「須く」は、「すべて」とおなじ意味で誤用されることが多いそうです。たとえば、前出の例文なら、「すべての人は誠実に生きるべきである」と解釈してしまうわけですね。厳密に考えると、意味がちがってきます。
□「内閣はすべからく総辞職すべし」という文の場合には、「内閣は当然総辞職すべきである」という意味が正しいようです。たしかに、「内閣はすべて総辞職すべきである」では変ですよね。
□「那須」は栃木県の北東部にある地名だそうです。天皇陛下の御用邸があることでも知られます。屋島の戦いで扇を射貫いたとされる弓の名人、那須与一(なすのよいち)の出身地らしい。「平家物語」や「源平盛衰記」などには記される有名な逸話です。でも、那須与一氏の実在は、学問上は立証できていないという話も聞きます。
[ろ]「木曽山脈は通称中央アルプスと呼ばれる」の「木曽」はきそと読む
■「曽」という漢字が新採用漢字だそうです。漢和辞書「字通」にはありません。日本でのみ使われる略字なのかな。簡易慣用字体と呼ばれる漢字らしい。「曾」という漢字も「曽」と並んで新採用漢字なので、こちらで調べると、「ソウ、こしき、かさねる、かつて、すなわち」という字音・字訓がありました。
□「こしき」は蒸籠(せいろう)の古い形の土器だそうです。「古式な蒸籠」かな。米などを蒸すために使われるそうです。「瓦」という漢字を横にくっつけた「甑」という漢字も使われます*6。
□「木曾路はすべて山の中である」というのは、島崎藤村の小説「夜明け前」の冒頭の一節だそうです。さすが昔の作品ですね。簡易慣用字体は使っていません。
[は]「峨眉山は李白の詩にも詠まれている」の「峨眉山」はがびさんと読む
■峨眉山の「眉」という漢字が新採用漢字だそうです。漢和辞書「字通」によれば、「ビ、まゆ」という字音・字訓があります。
□峨眉山は四川省にある霊山だそうです。標高3035mとのこと。中国仏教の三大霊場の1つとのこと。近ごろの表現に従えばパワー・スポットなのかな。唐の詩人李白は、峨眉山に寄せて七言絶句をつくっています。
---峨眉山月の歌
---峨眉山月半輪(はんりん)の秋
---影は平羌江水(へいきょうこうすい)に入って流る
---夜清渓(せいけい)を発して三峡(さんきょう)に向う
---君を思えども見えず渝州(ゆしゅう)に下る
□峨眉山は山の名、平羌江は川の名、三峡は川の狭まり急流となる険所、清渓・渝州は地名だそうです。古来名句とされている作品だそうですが、なんだか地名の多い不思議な詩ですね。
□結句の「君を思えども」の「君」については昔から議論があるらしい。現代人ですと「思慕する人」という解釈が一般でしょう。でも、専門家によっては、「月」を指しているという禁欲的な意見もあるようです。
[に]「麓から救援隊が登ってきた」の「麓」はふもとと読む
■「麓」という漢字は、漢和辞書「字通」によれば、「ロク、ふもと、やまもり」という字音・字訓があります。もともとは「山林を守る吏」という意味があったようです。いまの森林管理署なのかな。
□「山麓」という熟語をつくります。「山のふもと」という意味だそうです。そのまんまですね。
[ほ]「富士の裾野で巻き狩りをした」の「裾野」はすそのと読む
■「裾」という漢字が新採用漢字だそうです。漢和辞書「字通」によれば、「キョ、すそ、えり、ふところ」という字音・字訓があります。
□「和名抄(わめいしょう、和名類聚抄(わみょうるいじゅしょう))という平安時代の漢和辞書によれば、「裾」は、「古呂毛乃須曾(ころものすそ)」だそうです。衣服の下端です。偶然でしょうが、この短い説明文には、「呂」、「須」、「曾」といった新採用常用漢字が多く使われていました。
□巻き狩りは、「狩り場を四方から囲み、その中に獣を追い込んで捕らえる狩りの方法」だそうです。武士たちは、動く標的を倒す練習のため、巻き狩りをしばしば行なったらしい。敵に見立てられた猪や鹿にとっては迷惑な話ですね。有名な源頼朝の富士の裾野の巻き狩りは、建久(けんきゅう)4年(1193年)に催されたそうです。大規模だったらしい。勢子(せこ、獣の追い立て係)を含めると10万人が参加したという話もあります*9。このどさくさにまぎれ、曾我五郎・十郎兄弟による仇討ちがあったといわれています。
◆参考*1:HP「常用漢字表:文部科学省」
http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/k19811001001/k19811001001.html
◇*2新聞「新常用漢字表を国語分科会了承」100519読売新聞東京夕刊10頁
◇*3HP「新常用漢字表が迫るUnicode移行、「シフトJIS」では対応不可能 - 新常用漢字が引き起こす文字コード問題:ITpro」
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20091209/341831/?ST=management&P=1
◇*4HP「李白:峨眉山月歌 - Web漢文大系」
http://kanbun.info/syubu/toushisen314.html
◇*5HP「那須与一 - Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%82%A3%E9%A0%88%E4%B8%8E%E4%B8%80
◇*6HP「難読漢字の問題です。「甑」はなんと読む? 」
http://blog.q-q.jp/200605/article_96.html
◇*7書籍「新選唐詩鑑賞」初版97〜98頁、内田泉之助著、明治書院
◇*8HP「昔は「みすぼらしい」の意味で使われていた言葉は「素晴らしい」? 」
http://blog.q-q.jp/200606/article_69.html
◇*9HP「「富士山」逸話あれこれ - おらが富士」
http://www.plantatree.gr.jp/oragafuji/itsuwa/arekore/?26

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