町人思案橋・クイズ集

アクセスカウンタ

zoom RSS ネズミに咬まれた傷をネコの糞で治そうとした医師は誰なの?

<<   作成日時 : 2010/07/21 07:04   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 2 / コメント 2

画像
★歴史★
問題:猫糞(ねこばば)という言葉は、一般には横領するという意味で使われます。会計係や営業係が会社の金を猫糞してトンヅラするという行為は、三面記事ではよく見られる犯罪ですね。
■猫が糞をしたあと、砂をかけて隠すところから、「悪いことを隠して素知らぬ顔をする」という意味になり、「拾得物などをこっそり自分のものとする」という意味が生まれたそうです。
■「ばば」というのは関西の方言で大きいほうの排泄物を指すようです。「猪木危ない」という洒落言葉は、「雲古がしたい」という意味ですね。つまりばば(G馬場/糞)が出そうだということらしい。タッグマッチだったのかな。
■ところで、昔の怪我の治療法には、ネズミに咬まれた傷を猫糞の焼いた灰を使って直すという方法もあったらしい。では、その処方を下した人物は、次の誰でしょうか?
[い]古墳時代の埴輪が物語る薬師(くすし、医者)
[ろ]飛鳥時代の「出雲国風土記」に記されたカリスマ医師
[は]奈良時代に大陸から渡来した唐人医師
[に]平安時代に医薬の家として認められた和気(わけ)家の医師
[ほ]江戸時代に平賀で町民たちに治療を施したオランダ人医師
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★歴史★
正解:[に]平安時代に医薬の家として認められた和気(わけ)家の医師
説明:平安時代の病気対策は、おもに加持祈祷(かじきとう)だったそうです。医学の知識はかなり低く、衛生観念も未熟だったらしい。
■京都の人、とくに貴族たちは、夏になると比叡山延暦寺に隠れるという習慣があったともききます。流行する疫病から逃れるためだったらしい*2。たしかに、人との接触が少なくなれば、空気感染からは逃れやすい。高い場所の湧き水なら、生活排水などで汚染されていません。より清潔ですので、経口感染からも逃れやすいのかな。
■なお、平安時代でも、藤原薬子(くすこ)のように、毒薬には知識のあった人もいたようです*3。でも、赤痢や天然痘を治すことはできなかったのでしょうね。
■そんな中で和気家と丹波家という医薬の家があったとのこと。中国の医書をもとにして薬剤が処方されていたそうです。
■万寿(まんじゅ)2年(1025年)11月28日の早朝。右大臣藤原実資(さねすけ)の幼女が左手の人差し指をネズミに囓(かじ)られて血を流していたらしい。右大臣は国のナンバー2とか3とかいうぐらいの実力者です。可処分所得も多いので、ちゃんと医師に相談したらしい。和気相成(すけなり)という人物の処方は、「甘草(かんぞう)を煮てその汁をつけるか、または猫の糞を焼いてその灰をつけるとよい」とうものだったとのこと*1。
■甘草は、現在でも薬草として通用している植物だそうです。根は独特の甘味を持ち、サポニンという物質を含んでいるらしい。去痰(きょたん)・胃潰瘍などに処方されるとのこと。ただし、傷口の消毒に効果があるのかどうかはわかりません。
■まずは無難に甘草(かんぞう)を煎じてその汁を傷口に塗ったようです。痛みが和らいだので、猫糞の焼き灰のほうは用いなかったとのこと。よかったですね。まぁ焼いているわけですから、糞の中の病原菌は死滅しているでしょう。でも、効能があったかどうかはわかりません。
■娘がこんな事故にあうのもひょっとしたら何かの祟りではないか。藤原実資は心配して陰陽師に占わせたらしい。結局北野神社の祟りらしいということが判明したそうです。
■藤原実資は、当時では学識のある公卿だったらしい。その人物でもこの程度だそうです。平均寿命が短いのも無理はありませんね。
◆参考*1:書籍「日本史こぼれ話200」新書初版52頁、二木謙一著、ISBN4-537-25453-X、日本文芸社
◇*2HP「ふたつの意味を兼ね備えた不思議な漢字「憚」は何と読む? 」
http://blog.q-q.jp/200605/article_56.html
◇*3HP「平城太上天皇に愛された藤原薬子(くすこ)という女性の死因はなに?」
http://blog.q-q.jp/200704/article_66.html

ぬけられます→歴史雑学クイズ一覧

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
なるほど(納得、参考になった、ヘー)

トラックバック(2件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
インドから中国、中国から日本へと運ばれたネコ。どんな物と一緒に移動してきたの?
●●●●●★歴史★● 問題:人間にはミトコンドリア・イブと呼ばれる共通祖先がいるそうです。12万年〜20万年ぐらい前にアフリカに住んでいたはずの女性だそうです。現在の全人類はすべてこの女性の血縁らしい。 ■ホントに「人類はみな兄弟(姉妹)」だったわけですね。そのわりには互いに殺し合うことが絶えません。まぁ、兄弟は他人の始まりです。キリスト教徒たちが信ずる本には、最初の人殺しは兄弟殺しだったと書かれているようです。最初から最後まで、われわれは人殺しを続ける存在なのかもしれません。 ■人... ...続きを見る
町人思案橋・クイズ集
2012/06/27 07:30
西欧では近世まで医者のことをある動物の名前で呼んだとか。どんな動物なの?
●●●●★科学★●● 問題:日本でもそうですが、西洋でも、昔の医者は、現代ほどには尊敬を受けてはいなかったようです。 ■なにしろ治療法が馬鹿馬鹿しい。以前にもご紹介しましたが、日本ではネズミに噛まれた傷を、猫糞(ねこフン、ねこばば)を焼いた灰を使って治そうとしたという記録が残っているそうです。怪しい町医者ではありません。医薬の専門家として知られた和気(ワケ)家、和気相成(すけなり)という当時の著名医の治療法だそうです。 ■患者は右大臣藤原実資(さねすけ)の幼女だそうです。指をネズミに... ...続きを見る
町人思案橋・クイズ集
2017/07/14 14:30

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
なんだか、おっそろしい治療法ですね。
現代の中国漢方薬にも、人間のオシッコを乾燥させたものがありますけどね。(^^ゞ
ねこのひげ
2010/07/21 12:45
コメントをありがとうございます。

 人間の御疾呼を乾燥させた薬というのは驚きますね。どうやって製造するのでしょうか。
 掃除の行き届かない男性用便器には御疾呼の成分が結晶化して固着しているのかな。なんだかもの凄い話で失礼しました。
(^^;)
ねこのひげ様<素町人
2010/07/21 15:30

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文
ネズミに咬まれた傷をネコの糞で治そうとした医師は誰なの? 町人思案橋・クイズ集/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる