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zoom RSS 勘違いしやすい言葉の問題。「気骨が折れる」の「気骨」は「きこつ」と読むの?

<<   作成日時 : 2010/06/10 07:34   >>

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★日本語★
問題:以前にも何回か出題していますが、ちょとした表現の勘違いというのは多いですね。「後継ぎ息子」→「跡継ぎ息子」、「相見互(あいみたが)い」→「相身互い」、「異才を放つ」→「異彩を放つ」。みんな矢印の後者が正解です。でも、前者もつい使ってしまったりします。
■本日は、読みかたの勘違いを試すクイズです。次のうちで正しい記述はどれでしょうか?
[い]「木枯らし紋次郎は侠客だった」の「侠客」は「きょうかく」と読む
[ろ]「祖父は行年七十六でした」の「行年」は「こうねん」と読む
[は]「気骨が折れる」の「気骨」は「きこつ」と読む
[に]「京都の経師屋に表装を依頼する」の「経師屋」は「けいしや」と読む
[ほ]「旗幟を鮮明にする」の「旗幟」は「きしょく」と読む
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★日本語★
正解:[い]だけが正しい
説明:
[い]「木枯らし紋次郎は侠客だった」の「侠客」は「きょうかく」と読む(○)
■参考資料*1によれば、「侠客」は「きょうきゃく」とは読まないそうです。「きょうかく」だけらしい。「大辞泉」や「大辞林」を引いてみても、「きょうきゃく」という読みの熟語は「橋脚」だけです。
□「侠客」は、「義侠(ぎきょう)・任侠(にんきょう)を建て前として世渡りする人」だそうです。「義侠」は、「正義を重んじて、強い者をくじき、弱い者を助けること」。「任侠」は「弱い者を助け強い者をくじき、義のためならば命も惜しまないといった気性に富むこと」だそうです。ほぼおなじ意味かな。
□末尾に客がつく言葉はいくつかあります。そのうち、「来客、剣客、刺客、論客、食客」は、「かく/きゃく」のどちらの読みでも構わないとのこと*1。なぜ「侠客」は「かく」という読みだけなんでしょうね。
[ろ]「祖父は行年七十六でした」の「行年」は「こうねん」と読む(△)
■一般には「行年(ぎょうねん)」です。でも、「行年(こうねん)」でも間違いではないらしい。「享年(きょうねん)」とおなじ意味とのこと。「人がこの世に生存していた年数。死んだときの年齢」の意味だそうです。昔の人の行年/享年では、満なのか数えなのかがわからないときがありますね。
□「当年」といういいかたもあります。たいていは「当年とって○○歳」という形になります。こちらは、おおむね生きている人についての表現です。単に「今年」とおなじ意味で使われるそうです。昭和25年(1950年)生まれの人は「当年とって60歳」でしょうか。誕生日の前か後かは気にしないんでしょうかね。「(ひとつ年を)とって」だから「今年の誕生日が来たら」という意味になるのかな。
[は]「気骨が折れる」の「気骨」は「きこつ」と読む(×)
■正しくは、「気骨(きぼね)が折れる」だそうです。「あれこれ気をつかって精神的に疲れる」こととのこと。「気骨」は「きこつ」と読む場合もあります。このときは、「自分の信念を守って、どんな障害にも屈服しない強い意気」という意味だそうです。
□余談です。昭和天皇が園遊会に招いた客にお声をかけられます。そのとき、「骨は折れるかい?」というのが口癖だったらしい。たとえば人間国宝の陶芸家だったら、「ロクロを回すのは、骨が折れるかい?」などと聞くのかな。
□昭和59年(1984年)のロスアンゼルス五輪で柔道無差別級の金メダルを獲得した山下泰裕(やすひろ)選手にも「柔道は、…」と、おなじパターンでたずねたらしい。山下選手は、「はい、昨年骨折しました」と答えたとのこと。周囲は爆笑だったようです。
[に]「京都の経師屋に表装(ひょうそう)を依頼する」の「経師屋」は「けいしや」と読む(×)
■正しくは、「…経師屋(きょうじや)に表装を依頼する」ですね。経師屋は、「書画の幅(ふく)や屏風(びょうぶ)・襖(ふすま)などを表装する職人」のことです。表具師(ひょうぐし)とも呼ばれます。
□溝口健二(みぞぐち けんじ)監督の名作「近松物語」の原作は、近松門左衛門(もんざえもん)の「大経師昔暦(だいきょうじむかしごよみ)」という作品だそうです。主人の後妻と使用人が不義密通するというお話らしい。舞台は経師屋だそうです。使用人を何人も使っているので「大経師」なのかな。主役の香川京子さんが美しかったですね。長谷川一夫はもちろん二枚目だし。
□なお、「経師屋」には「女を手に入れようとねらう人」をいう俗語もあったらしい。その心は「どちらも張る」。女性の自宅や職場の前で張っているのかな*2。現代ならストーカーでしょうか。
□刑事が待ち伏せをすることも「経師屋」と呼ばれたとのこと*2。やはり「張る」からだそうです。
[ほ]「旗幟を鮮明にする」の「旗幟」は「きしょく」と読む(×)
■正しくは、「旗幟(きし)を鮮明にする」ですね。「旗幟」は、「表立って示す立場や態度、また、主義主張」のことだそうです。もともとは、「旗と幟」です。「幟」は「のぼり」ですね。恋幟は端午の節句の風物詩です。失礼、鯉幟でした。
□ATOKでは、「きしょく」と入力すると「旗幟」と変換できます。ただし、「『きし』の誤読」と突っ込みをいれられてしまいます。
□余談です。「きしょく」という発音には別種の誤読もあるようです。「気色悪い(きしょくわるい、気味が悪い)」なのかなと思ったらさにあらず。「旗色(はたいろ、戦いの形勢)が悪い」を「きしょくが悪い」と誤読していたりするらしい。
◆参考*1:書籍「勘違いことばの辞典」初版161〜163頁、西谷裕子(にしたに ひろこ)編、ISBN4-490-10701-3、東京堂出版
◇*2書籍「下等百科辞典」復刻本初版46頁、尾佐竹猛(おさたけ たけき)著、礫川全次(こいしかわ ぜんじ)校訂・解題、ISBN4-8265-0276-1、批評社

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