模様の名前の読みかた。「亀甲」はなんと読むの?

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★日本語★
問題:日本に昔から伝わる模様の名前には、なかなか面白いものがあります。口絵の模様は青海波(せいがいは/せいかいは)。雅楽に「青海波」という曲があり、踊り手はこの模様の服を着るらしい*1*2。よく見かける模様ではあります。
■そもそもは、「中国の青海地方の民族文様に由来する山岳文様」とのこと*2。現在の青海省にあたるのでしょうか。もしそうなら、ちょっと不思議です。地名は青い海。でも地図で眺める限り、地域としては思いっきり内陸です*3。海から数千km離れた地域です。「青海」という地名自体も不思議ですし、そんな地方の人々が一面の波の模様を使うのも不思議です。見たことがない海にあこがれて、こんな模様ができたのかな。あるいは、青海湖という大きな塩湖がこの地方にあるので、その波なのかな。
■それはさておき、本日は、日本の模様の名前についての漢字の読みクイズです。次の漢字・熟語はなんと読むでしょうか?
[い]亀甲
[ろ]絣
[は]鎌輪奴
[に]蹌踉縞
[ほ]鞆絵
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★日本語★
正解:各項目を参照してください
説明:
[い]亀甲はきっこうと読む
■醤油製造の会社にキッコーマンがあります。「亀甲萬」という商標から生まれた社名だそうです。商標のほうは、太線で正六角形を描き、中に「萬」という漢字をあしらっています。正六角形のほうが亀甲模様のようです。
□余談です。正六角形の中に「萬」ではなく「益(ます)」の字をいれるキッコーマスという醤油メーカーもあるそうです。全国区としてはあまり認知されていないようですが、西武池袋線沿線ではわりと知られているとのこと。
□そちら方面に深い趣味のあるかたには「亀甲縛り」という種類もよく知られているそうです。「身体に這う縄が六角形になるもの」を亀甲縛りと呼ぶようです。性六角形、失礼、正六角形でなくてもいいらしい。素町人は残念ながら不器用で荷造りは苦手なほうです。異性を縛り上げる術についても詳しくありません。きわめて興味深い問題ではありますが、これ以上の説明は不能です。悪しからず。
▼亀甲
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[ろ]絣はかすりと読む
■「絣」は、「飛白」とも書きます。「かすれたような部分を規則的に配した模様。また、その模様のある織物」だそうです。和服の普段着に使われることが多かったとのこと。久留米絣、伊予絣など、各地で独特の絣を生産していたらしい。
□2ヶ月ほど前、女子大生・短大生の卒業式の季節では、あちらこちらで矢絣(やがすり)と呼ばれる模様の服を着た若い女性を見かけました。どの部分が「規則的にかすれている」のかはよくわかりませんが、あれも絣模様の一種らしい。
▼矢絣
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[は]鎌輪奴はかまわぬと読む
■「鎌輪奴」は駄洒落ですね。草を刈る鎌、輪、ひらがなの「ぬ」を並べた意匠になっています。鎌輪奴と似たもので、「かまいます」というのもあるらしい。正方形の中に鎌の絵とひらがなの「い」が置かれています。正方形は上から見た升でしょうね。
□小林麻央(まお)嬢の嫁ぎ先である歌舞伎の市川家は、「役者文様」として鎌輪奴(鎌輪ぬ)を採用しているとWikipediaの市川團十郎の項に書いてありました。役者文様ってどこで使うんでしょうね。舞台の上かな。楽屋かな。それとも贔屓や関係者に配る手ぬぐいなんかに使うのかな。
□鎌輪奴に似たような駄洒落に「斧琴菊(よきこときく)」というのもあります。「よき」は昔の日本の言いかたで斧を意味するらしい。縁起のいい言葉です。でも、横溝正史(よこみぞ せいし)の「犬神家の一族」でしたっけ。「斧琴菊」にからめた連続殺人が起こっていましたね。
▼鎌輪奴
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[に]蹌踉縞はよろけじまと読む
■「蹌踉」は、音読みでは「そうろう」と読みます。早すぎることではありません。「足もとがしっかりせず、よろめくさま」だそうです。蹌踉縞は、「直線でなく波状にゆがんだ縞模様。また、その織物」だそうです。
□九鬼周造(くき しゅうぞう)という哲学者は「『いき』の構造」という本の中で、日本では縞は粋なものとされていると書いたようです。でも、西洋では悪魔の模様という意味づけもあったらしい。映画で観ると、古い西洋の刑務所のお仕着せは縞模様だったりします。目立つという効果だけでなく、呪術上の意味もあったのかな。
□動物界にも縞模様のものがいます。定規で引いたような縞はめったにありません。ほとんどの場合は蹌踉縞ですね。シマウマやイシダイの場合も蹌踉縞かな。
▼蹌踉縞
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[ほ]鞆絵はともえと読む
■「鞆絵」は、「巴」とも書きます。木曽義仲(よしなか)の側室である巴御前は、鞆絵御前という表記もあるらしい。どちらでもいいのかな。
□鞆絵は、勾玉(まがたま)から生まれた意匠であるという説があるらしい。また、矢を射る際に腕につける鞆という武具・装身具から生まれた意匠であるという説もあるらしい。二つ鞆絵、三つ鞆絵が多いようです。
▼三つ鞆絵
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◆参考*1:書籍「文様の手帖」初版、尚学図書・言語研究所編、ISBN4-09-504021-1、小学館
◇*2HP「青海波」
http://www.wanogakkou.com/hito/0060/0060_karakami14.html
◇*3HP「青海省 - Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%92%E6%B5%B7%E7%9C%81

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