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zoom RSS アンデルセンの「即興詩人」からの読み問題。「羅馬」はなんと読むの?

<<   作成日時 : 2010/05/31 08:07   >>

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★日本語★
問題:ご存じのとおり、ハンス・クリスチャン・アンデルセンは、「みにくいあひるの子」や「裸の王様」、「マッチ売りの少女」などで知られる童話作家です。その出世作は「即興詩人」。イタリアを舞台にした長編恋愛小説だそうです。
■日本では、森鴎外がこの作品に惚れ込んだらしい。「わが座右を離れざる書」としているそうです。約10年ほどもかけ、独訳された本から邦訳したらしい。文豪が精魂こめて訳したため、当時「原作以上の翻訳」とも評されたとか。原作はデンマーク語だそうです。褒めた明治の人たちはホントに原語でも鑑賞したのかな。
■鴎外は、文語調の日本語で表現したそうです。また、西洋の故事にまつわる表現は、中国の古典に置き換えたらしい。直訳ではなく、意訳なのかな。
■本日は、流麗と評される鴎外氏の「即興詩人」からの読み問題です。次の括弧内の漢字・熟語はなんと読むでしょうか? 例によって青空文庫の読みを正解とします。必ずしも辞書どおりではありません。当て字もあります。
[い]「加特力」
[ろ]「羅馬」
[は]「苞苴」
[に]「竊む」
[ほ]「手巾」
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★日本語★
正解:各項目を参照してください
説明:
[い]「加特力」はカトリコオと読む
■「加特力」は、「即興詩人」では「カトリコオ」という振り仮名になっていました。ご推察のとおり、カトリックのことらしい。当て字ですね。これに対してプロテスタントは、「抵抗勢力」と表記するようです。冗談です。
□ちなみにデンマーク王国は、現在は福音ルーテル派という宗教だそうです。ルター氏の流れをくむプロテスタントということなのかな。
□「加特力」は、原文では「善き加特力教徒はこれと殊(こと)にて神の愛子(まなご)なり、これを陷(おとしい)れむには惡魔はさまざま手立を用ゐざること能はず」と使われていました。カトリック教徒は神に愛されているとの主張です。最近は悪魔の活動が活発なのか、神父さんの性的醜聞などをよく耳にします。羅馬法王が代表して謝罪したりしていますね*3。
[ろ]「羅馬」 はローマと読む
■「羅馬」は、多くの道が集まるハブ型都市ローマを意味するそうです。ついついラーマと読んでしまいそうですが、家庭用マーガリンの銘柄とは無関係らしい。
□「即興詩人」の中には、ちょっと似た地名もありました。「l馬」という地名です。「デンマルク」という振り仮名が振られていました。「れんま?」としか読めないですよね。「ルク」はどこへ消えたのでしょうか。なお、前のほうの漢字は「王偏に連」です。環境によっては表示されないのかな。
□「羅馬」は、原文の冒頭の文章で使われていました。「羅馬に往きしことある人はピアツツア・バルベリイニを知りたるべし。こは貝殻持てるトリイトンの神の像に造り做したる、美しき噴井(噴水?)ある、大なる廣こうぢ(ひろこうじ、大通り)の名なり。貝殻よりは水湧き出でてその高さ數尺に及べり」。
[は]「苞苴」はみやげと読む
■「苞苴」は、辞書を引くと「あらまき」とか「つと」という読みが見られます。荒巻(鮭)とおなじ意味もあるらしい。「つと」のほうは、「わらなどを束ねて、その中に食品を包んだもの」という意味と、「土地の産物、旅のみやげ」という意味があるそうです。
□「苞」という漢字も「苴」という漢字も常用漢字表には掲載がありません。漢和辞典「字通」によれば「苞」は「ホウ、むしろぐさ、つと、つつみ、むらがる」という字音・字訓があります。「苴」は「ショ、ソ、しきもの、つと、つむ」という字音・字訓がありました。
□「苞苴」はホウショとも読み、「神に薦めるものをしく席として用いるもの」だそうです。呪術的な意味があったらしい。のちには「人に薦めるものを包むもの」に変化したのかな。
□原文では、「…その折には苞苴(みやげ)もてゆくことなるが、そはをぢ(叔父?)が嗜(たしな)めるおほ房の葡萄二つ三つか、さらずば砂糖につけたる林檎なんどなりき」と使われていました。荒巻鮭ではなく、植物系の食べ物のようです。
[に]「竊む」はぬす(む)と読む
■「ぬすむ」という意味の漢字には、「盗む」とか「偸む」があります。さらに「窃盗」、「剽窃(ひょうせつ、作品のパクリ)」という熟語に使われる「窃」という漢字もぬすむという意味があるらしい。「竊」は「窃」の異体字だそうです。形は異なりますが、読みも意味もおなじらしい。
□漢和辞書「字通」によれば、そもそもは穀物の実の中で小さな虫が食い荒らすことを意味したらしい。それで、外からは気づかれないようにぬすむのが「竊む」という字になったそうです。
□「窃視(せっし)」という熟語もあります。盗み見ることですね。出歯亀やピーピング・トムなど、洋の東西を問わず、ひそかに見たいという欲望を抑えきれない人がいるようです。あの家政婦さんもそうなのかな。
□原文では、「うぬは盜人なり。我錢(銭)を竊(ぬす)む奴なり」と使われていました。また、「竊に(ひそかに)おもふに…」など、「ひそか」という読みでも使われていました。
[ほ]「手巾」はハンケチと読む
■「手巾」は、ハンケチのことだそうです。いまではハンカチと呼ぶ人のほうが多いようです。ハンケチ王子では食事もホテル代も割り勘、締まり屋の若者みたいですね。
□辞書によれば、「しゅきん」という読みもあります。「手をふくための布切れ。手ぬぐい」とのこと。そういえば最近は手ぬぐいを見かけませんね。タオルやハンドタオル、ハンカチに駆逐されてしまったのでしょうか。昔は近所の商店の名が入った手ぬぐいが便所の手洗い場にかかっていたものですけど。
◆参考*1:HP「アンデルセンは5歳年下の子供たちと一緒に勉強していたの? 」
http://blog.q-q.jp/200609/article_76.html
◇*2HP「図書カード:即興詩人」
http://www.aozora.gr.jp/cards/000019/card4376.html
◇*3HP「ローマ法王 批判の矢面 相次ぐ聖職者の児童性的虐待 / 西日本新聞」
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/162415

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