町人思案橋・クイズ集

アクセスカウンタ

zoom RSS 病気の名前の書き取り。「せきり」や「コレラ」はどう書くの?

<<   作成日時 : 2010/05/24 07:55   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 2 / トラックバック 0 / コメント 0

画像
★日本語★
問題:ちょっと前に病名書き取りクイズを出題させていただきました*2。意外に好評だったので、第二弾です。
■昔は、多くの病名が漢字で表記されていたようです。疝気(せんき)、癪(しゃく)、溜飲(りゅういん)なんて病が多くの人のおなかや下腹部を苦しめたようですね。
■明治維新後も長く漢字は使われました。最近ではエイズとかHIVなど、片仮名や英字を使う例も増えてきたようです。でも後天性免疫不全症候群と呼ぶほうが内容は理解しやすい。言葉はわかりやすさが基本ですよね。
■狂牛病も最初は牛海綿状脳症とかいっていました。脳味噌が海綿のようにスカスカになり、牛が狂ってしまう病気。万人に理解されます。今ではBSEなんて怪しい言い換えをしています。宮崎県で流行中の口蹄疫は、言い換えされていなくてわかりやすい。口や蹄(ひづめ)に水疱ができる病気だそうです。
■では、病気やそれにまつわる言葉の書き取りクイズです。次の平仮名、片仮名を漢字に直して下さい。
[い]せきり
[ろ]コレラ
[は]ペスト
[に]かさぶた
[ほ]うおのめ
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★日本語★
正解:各項目を参照してください
説明:[い]「せきり」は赤痢と書く
■「赤痢」は、「しゃくり」とも読んだらしい。細菌や微生物(アメーバ)によって起こされる消化器系の病だそうです。連続的な便意を催すとのこと。粘液性の血便が出るらしい。このため、病名としては「血屎(ちくそ)」とも呼ばれたようです。端的な呼びかたですね。「赤」痢という名前も排泄物の色に由来するのでしょうか。
□似たような名前で「疫痢(えきり)」という病気もあります。こちらは、「赤痢のうち、小児にみられる重症型のもの」だそうです。勝負が早く、死者が多かったところから「はやて」とも呼ばれたらしい。パスツール先生以来、細菌や微生物に対する傾向と対策が研究されています。近年は赤痢や疫痢で亡くなるかたはほとんどいなくなったらしい。ご同慶の至りです。
[ろ]「コレラ」は虎列剌と書く
■「虎列剌」は、「コレラ菌が口から入って感染し、激しい下痢と嘔吐(おうと)を起こす感染症」だそうです。こちらの便は「米のとぎ汁様」とのこと。赤痢と虎列剌の便は紅白で対称的らしい。
□虎列剌は、他にも「虎列刺(これり)」とか、「虎狼狸(ころうり)」などの表記もあるようです。昔は死亡率が高く、たちまちにして死に神が押しかけてきたところから、あだ名としては、「鉄砲」、「見急(けんきゅう)」、「三日コレラ」などの呼びかたもあったとのこと。
□「遠国にコレラの発生とかけて、嵐ととく。心は、木(気)がもめる」なんて謎かけが明治時代の風刺新聞に掲載されているそうです*3。多くの人がコレラの動向を気にかけたんでしょうね。最近でいえば新型インフルエンザみたいなものかな。
□日本では、大正時代の末期にようやく抑制できるようになったらしい。まぁ最近でも、帰国者が発病したりはしていますけど。
[は]「ペスト」はと書く
■これはWikipediaのペストの項に掲載されていました。「癙」は環境によっては表示されない文字のようです。「やまいだれ」の中に「鼠」と書きます。鼠が媒介する病気というほどの意味でしょうか。漢和辞書「字通」などには掲載されていません。意味がわかりやすいところからみて国字なのかな。
□「癙」は、欧州では黒死病とも呼ばれたらしい。人口の1/3が失われたという大流行があったらしい。幸いにして日本ではコレラの大流行はありましたが、癙の大流行はあまり聞きません。
□現在では抗生物質が有効で、癙の死亡率はずいぶん下がっているようです。Wikipediaには「適切な治療で20から0パーセントに下がる」と書かれていました。いまや癙より季節性インフルエンザのほうが怖いのかな。
[に]「かさぶた」は瘡蓋と書く
■「瘡蓋」は、「傷などの表面に、にじみ出た漿液(しょうえき)・膿(うみ)・血液などが乾いて固まってできる皮」ですね。痂皮(かひ)とも呼ばれるそうです。方言では「つ」とか「へた」、「がんべ」などとも呼ばれるらしい。
□「瘡(ソウ、かさ)」は、「皮膚のできもの、腫れもの」などを意味するらしい。梅毒の意味でも使われることがあります。「瘡っ気(かさっけ)と山っ気のない男はいない」というときの瘡ですね。
[ほ]「うおのめ」は魚の目と書く
■「魚の目」は、「皮膚の角質の一部が肥厚し、楔(くさび)状に真皮に食い込んでいるもの」だそうです。別名を鶏眼(けいがん)と呼ぶらしい。
□江戸中期の俳人、松尾芭蕉翁は、有名な「奥の細道」の旅の初めに、千住(せんじゅ)という場所でよく知られた俳句を詠んでいます。「行く春や 鳥啼魚の 目は涙(ゆくはるや とりなきうをの めはなみだ)」。
□「行く春を惜しんで、鳥は悲しげに啼き、魚の目も涙でうるおっている」という解釈が一般です。でも、ホントは、芭蕉翁の足にはひどい魚の目があったのでしょう。知識人ですから鶏眼という別名も知っていたのでしょう。「これから長い旅に出ようというのに、鶏眼が泣きたいぐらいに痛む。魚の目のせいで涙が出てくる」。震度5ぐらいのかなり深刻な痛み。あぁ、前途が思いやられるという嘆きなんですね。
□その証拠に、すぐにそのあとに「是を矢立(やたて)の初として、行道(ゆくみち)なをすゝまず」という文が続きます。「この句をものして旅の一歩を踏み出したのだけれど、道がはかどらない」という意味です。魚の目はかなり重症だったと推測されます。もちろん冗談ですけど。
◆参考*1:書籍「奥の細道」文庫初版12〜13頁、麻生磯次(あそう いそじ)訳註、ISBN4-01-067218-8、旺文社
◇*2HP「病気に関する書き取り。「モウチョウ」ってどう書いたっけ?」
http://blog.q-q.jp/201004/article_16.html
◇*3書籍「ことば遊び辞典」鈴木棠三(とうぞう)編、東京堂出版

ぬけられます→日本語雑学クイズ一覧

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 2
なるほど(納得、参考になった、ヘー)
ナイス

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文
病気の名前の書き取り。「せきり」や「コレラ」はどう書くの? 町人思案橋・クイズ集/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる