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zoom RSS 末尾に「顔」がつく言葉。「いもがお」ってどんな意味なの?

<<   作成日時 : 2010/04/22 07:37   >>

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★日本語★
問題:「大辞泉」で調べると、「顔」という言葉が末尾につく項目は180ほどあるとのこと。
■たしかにいろいろありますね。美人を表現する言葉でも、「瓜実顔(うりざねがお)」とか「玉顔(ぎょくがん)」、「花/玉の顔(かんばせ)」などがあります。瓜実顔そのものは、顔の形が瓜の種子に似ているという意味です。でも昔から美人の典型ではあったらしい。玉顔は、「天皇の顔」という意味もありますが、「玉のように美しい顔」という意味もあります。「花の顔」という言いかたよりさらに細かく指定しているのが「芙蓉の顔(ふようのかんばせ)」という言葉です。「ハスの花のように美しい顔」を表現しているらしい。
■美人の形容だけではありません。顔の表情を形容するのにもよく使われます。「何食わぬ顔」で国会に登院する連中がいます。でも脛に傷があるので、いずれは検察のお世話になるのかも。貸し金業者たちは、「借りる時のえびす顔(地蔵顔とも)、返すときのえんま顔」をよくご存じでしょう。「目顔で知らせる」という言葉もあります。非言語意志疎通(ノンバーバル・コミュニケーション)という奴かな。
■本日は、顔という言葉が末尾につく単語の意味に関するクイズです。次の言葉はそれぞれどんな意味があるのでしょうか? 日常はあまり使わない言葉です。かなり難易度は高いかもしれません。
[い]「ありつきがお」
[ろ]「いもがお」
[は]「おためがお」
[に]「かたもちがお」
[ほ]「たぬきがお」
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★日本語★
正解:各項目を参照してください
説明:
[い]「ありつきがお」
■「ありつきがお」は、「有り付き顔」と書くらしい。「有り付く」という動詞と関係しているのかな。「求めていたものをやっとの思いで手に入れる顔」なのかな。「彼女いない歴25年の男性が、バレンタインデーに本命チョコを貰ったような顔つき」なのかな。ん? 辞書によると、全然違うみたいですね。「慣れた顔つき。物慣れたようす」を意味するそうです。
□菅原孝標女(すがわらのたかすえのむすめ)という女性が記した「更級日記(さらしなにっき)」という本には、「ありつき顔」という言葉が登場します。「…馴れたる人は、こよなく何事につけてもありつき顔に…」。現代語訳は「古参の人は格段に何事につけても物馴れ顔で…」となるらしい。「宮家の生活になれきった心得顔」という意味で使われるとのことでした*1。
[ろ]「いもがお」
■「芋顔」と漢字表記して、芋の形に似た顔、洗練されていない顔という意味かしらんと思いきや、これも全然違います。「痘瘡(とうそう)のあとのある顔」だそうです。いわゆる「あばたづら」ですね。夏目漱石氏、倍率の高い望遠鏡で眺めた月面、ブラックマヨネーズの向かって右側の人のような顔を意味するらしい。漢字表記も「痘瘡顔(いもがお)」とのこと。
□痘瘡(とうそう)は疱瘡(ほうそう)とも呼ばれます。別名を天然痘。全身に小さな水疱ができ、熱で苦しむ病気らしい。軽く済んだ場合でもあばたが残ったんですね。
[は]「おためがお」
■「おため」は、「もらい物の返礼としてその器に入れて相手に返す品」という意味があります。また、お使いの人に対するお駄賃という意味もあります。「おためがお」は「おためを欲しがっている…物欲しそうな顔」なのかなと思いきや、これも全然違っていました。
□「御為顔」と書くらしい。「本心とはうらはらに、人のためを思っているように見せかける顔つき」だそうです。「おためごかし」などという場合の「御為」なんですね。「おためごかし」は、「表面は人のためにするように見せかけて、実は自分の利益を図ること」です。「〽おためごかしの 言い手はあれど まこと実意(じつい)の 人はない」という都々逸がありました。実意は「まごころ」と似たような意味らしい。
[に]「かたもちがお」
■「肩持ち顔」と表記するようです。「一方の肩をもつような顔つき。ひいきをするようなようす」とのこと。
□歌舞伎の「菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)」という演目には、菅丞相(かんしょうじょう、菅原道真)を陥れた時平(しへい/ときひら、菅原道真の政敵)の乗った牛車を、梅王丸・桜丸の2人が止める場面があります。「クルマ、や〜ら〜ぬ」と力むところですね。
□梅王丸と桜丸は菅丞相の家来だった者たちです。時平の乗り物をとめ、お尻をペンペンしてやると勢い込んでいます。杉王丸・松王丸という時平の家来たちが邪魔します。桜丸の台詞で「言われぬ主の肩持顔」、梅王丸で「出しゃばって」、桜丸で「怪我まくるな」という割り台詞があります。杉王丸・松王丸に対する一種の威嚇なのかな。
[ほ]「たぬきがお」
■「たぬき顔」は、「人をばかにしたような、そらとぼけた顔」だそうです。亡くなった五代目柳家小さんをつい思い出してしまいます。「人をばかにしたような」という要素はあまり感じられません。そらとぼけた顔という意味では、これほどとぼけた顔はありません。
□得意の演目にも「狸賽(たぬさい)」とか「たぬき」など、たぬきにまつわる話がありました。おなじ人間国宝の落語家でも、三代目桂米朝のほうは整った顔立ちです。顔で笑いをとるという意味では、小さんのほうが上かな。
◆参考*1:書籍「更級日記(下)」文庫初版39頁、関根慶子(よしこ)校注、ISBN4-06-158173-2、講談社
◇*2書籍「名作歌舞伎全集2 忠臣蔵・菅原伝授・義経千本桜」初版192頁、東京創元社

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