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●●●★日本語★●●● 問題:俳句には作風というものがあるそうです。生まれや育ち、環境や経験が作者の脳味噌に影響を及ぼし、作品に反映するとのこと。 ■本日は、とても有名なふたりの俳人の作品を仕分けしていただきます。一人は松尾芭蕉。知らない人のいない大俳人ですね。代表作は「古池や蛙(かわず)飛びこむ水の音」。もう一人は小林一茶。こちらも知らない人のいない大物です。代表作は「やれ打(うつ)な蝿が手をすり足をする」。2人の代表作はもっと別の句だというご意見もありましょうけど。 ■次の5つの作品は、芭蕉と一茶が詠んだ作品です。それぞれがどちらの作品か、仕分けをして下さい。 [い]「馬の屁に 目覚めてみれば 飛ぶほたる」 [ろ]「野を横に 馬引き向けよ ほとゝぎす」 [は]「北しぐれ 馬も故郷へ 向いて嘶(な)く」 [に]「鴫(しぎ)立て 畠の馬の あくび哉」 [ほ]「柴栗(しばぐり)や 馬のばりして うつくしき」 (答えはずっと下↓ スクロールして下さい) ●●●★日本語★●●● 正解:[ろ]「野を横に 馬引き向けよ ほとゝぎす」だけが芭蕉の句。他はみんな一茶の句 説明:「馬」が登場する俳句で統一してみました。参考資料*1*2で探したのですが、芭蕉のほうにはこれしかありませんでした。参考資料*2には芭蕉の作品のごく一部しか掲載されていません。で、「馬」の登場作品もひとつしかありません。少し数に偏りができてしまいました。 ■芭蕉の作品はちょっと意味がわかりにくいですね。参考資料*2の説明によれば、「ホトトギスが鳴いたぞ。馬子よ、私の乗っている馬をその方向に向けてくれ。もう一声聞きたいので。ひょっとしたら姿も見えるかもしれない」という意味だそうです。 ■気のせいか、なんかちょっと威張っている感じがします。馬上にいるから「上から目線」なのかな。客という立場だからかな。それとも身分を意識しているからかな。 ■一茶の作品は、すべてが馬の動きを詠み込んでいます。「馬の屁に 目覚めてみれば 飛ぶほたる」。馬の生理現象ですね。聞いたことがないのですが、きっと眼が覚めるほどに大きな音なのでしょう。旅の木賃宿での場面なのでしょうか。それとも信濃の故郷での光景かな。 ■「北しぐれ 馬も故郷へ 向いて嘶(な)く」。「嘶」という漢字は、「いななく」とも読みます。馬が首を曲げていなないている様子を描いているようです。「北しぐれ」はなんでしょう。演歌の曲名みたいですね。どんな雨でしょうか。北のほうから黒い雲に覆われてきて、雨が激しくたたきつけるのかな。 ■「鴫(しぎ)立て 畠の馬の あくび哉」。「鴫」というのは、チドリ目シギ科の鳥の総称だそうです。水辺に住んで貝やカニ、ゴカイなどを食べているらしい。渡り鳥が多いようです。文学や音楽にときどき登場する鳥類らしい。西行法師の「心なき 身にもあはれは 知られけり しぎたつ澤の 秋の夕ぐれ」という歌はよく知られていますね。三夕(さんせき) の和歌のひとつです。 ■余談です。「いそしぎ(原題はThe Sandpiper)」という映画もあります。二十世紀中盤の美男美女、エリザベス・テイラーとリチャード・バートンが主演していました。主題歌「♪The shadow of your smile(いそしぎのテーマ)」は、多くの音楽家に愛されています。いそしぎは、磯を生活圏とする鴫らしい。 ■「柴栗(しばぐり)や 馬のばりして うつくしき」。柴栗は実の小さな栗。「ばり」とは御疾呼のことです。落語の「三十石船」では、女性が船べりからお尻を突き出して川に放尿なさるという場面を描くことがあります。このとき、船頭は「ばりはじく」という表現を使ったりします*3。一茶の句の意味はわかりかねます。美しいのは柴栗かな。情景まるごとかな。前者だとすれば、馬の尿が大量にかかり、柴栗の汚れがとれ、濡れて輝いているのかな。湯気も立っていたりして。 ■おなら、いななき、あくびときて最後は御疾呼です。芭蕉と異なり、一茶は馬を道具としては見ていない気がします。一緒に生きていく仲間という感覚なのかな。 ◆参考*1:書籍「一茶俳句集」文庫初版17、52、87、96頁、丸山一彦(かずひこ)校注、ISBN4-00-007081-9、岩波書店 ◇*2書籍「芭蕉俳句16のキーワード」初版180頁、復本(ふくもと)一郎著、ISBN4-14-001659-0、日本放送出版協会 ◇Yahoo! J Dictionaries 大辞泉 ◇Yahoo! J Dictionaries 大辞林 ◇*3CD「米朝 珍品集 その七 三十石 -三十石夢の通路」48分30秒前後、三代目桂米朝、TOCF-5016 、EMIミュージック・ジャパン ぬけられます→日本語雑学クイズ一覧 |
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