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zoom RSS 江戸時代の大流行語、「おっこち」ってどんな意味なの?

<<   作成日時 : 2010/03/19 07:43   >>

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★日本語★
問題:現代では、流行はあっというまに過ぎ去っていきます。流行語大賞は毎年発表されますし、一発屋のお笑い芸人はあとをたちません。3で割り切れる数を大きな声で叫んでいた芸人も最近は見る機会が減りました。左から来たものを右に受け流していた芸人も画面に登場しなくなりました。数年前に何が流行していたのか。記録を調べないと思い出せません。
■江戸時代は、当たり前ですが、電網も電波媒体もありませんでした。流行はたいへんゆっくり醸成され、ゆっくりと広がり、ゆっくりと衰退したらしい。六代目三遊亭圓生師の落語「らくだ」の枕では、「かんかんのう」という歌は文政年間から流行を始め、約100年近くも衰えなかったという話が語られます。文政という元号は1818年の4月22日からだそうです。大正7年(1918年)前後まで流行っていたのでしょうか。凄いな。
■本日は、江戸末期、天保の始め(1830年)ごろから幕末にかけて長く大流行した言葉、「おっこち」にかんするクイズです。「おっこち」の意味に近いのは、次のうちどれでしょうか?
[い]愛人
[ろ]不倫
[は]得意(満面)
[に]大成功
[ほ]大失敗
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★日本語★
正解:[い]愛人
説明:「日本国語大辞典(小学館)」によれば、おっこちの説明は次のようになります。「恋におちいること。情人関係になること。また、その相手。情人」
■落語にもときどき登場する有名な川柳に「おっこちが できてわたしが いやになり」というのがあります。天保(てんぽう)9年(1838年)の秋の朝、隅田川は御厩河岸(おんまやがし、蔵前の付近らしい)の渡し船が強風にあおられ、4人の乗客が投げ出されて亡くなったそうです。
■川柳は、その直後に出来たのでしょうか。川に落ちる事故があったので渡しが怖くなった。これが表の意味。裏の意味は、「誰かいい人が出来たので私がいやになったのね」かな。折れた煙草の吸い殻で、あなたの嘘がわかるのよ…これは中条きよしの「♪うそ」でしたっけ。
■大流行した「おっこち」は、もちろんなぞなぞなどの言葉遊びにも取り入れられています。「猫の恋とかけて、八犬伝信乃現八(しの・げんぱち)の組み討ちととく」。心は? 「屋根でしてからおっこちになる」。犬塚信乃と犬飼現八は曲亭(きょくてい、滝沢とも)馬琴「南総里見八犬伝」の登場人物ですね。芳流閣(ほうりゅうかく)という利根川沿いにある建物の屋根の上で一騎打ちになり、ふたりとも川の中に落っこちます。
■狂歌にも取り入れられました。「おっこちに 酒であいそを つかされて つらぬきとめぬ たぼぞちりけり」。「たぼ」は女性の髷(まげ)の一部分、「襟足にそって背中に張り出した部分」のことだそうです。転じて若い女性のことも指します。「酒は燗(かん)、肴(さかな)は刺身(きどりとも)、酌は髱(たぼ)」。三代目三遊亭金馬の落語「居酒屋」などでも紹介される狂句ですね。
■百人一首の37番目、文屋朝康(ぶんやのあさやす)という人の歌に、「白露に 風の吹きしく 秋の野は つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける」というのがあります。そのパロディが「おっこちに〜」の狂歌らしい*3。「つらぬきとめぬ」という表現はそのままに受けとめていいのでしょうかね。
■都々逸にもおっこち都々逸というのがあります。「おっこち帰して お部屋でせかれ とがないこじょくに 八つ当たり」。愛人である女郎が去ってしまい、部屋でせかれ、罪のない女郎付きの女の子に八つ当たりをするという意味だそうです。「せかれ」はどんな意味かな。「急かれ」ですと「早く帰れ」ということかな。「塞かれ」ですと「仲をさまたげられ」ということかな。
■「おっこち」という言葉が流行したので、天保時代には「おっこち絞り」という染め物も流行しています。「藍、ねずみ色などの単色地に紅、紺などの花形をところどころ絞り染めにしたもの」だそうです。
◆参考:辞書「日本国語大辞典」小学館
◇*2書籍「江戸語大辞典」初版、前田勇編、ISBN 4-06-265333-8、講談社
◇*3書籍「艶本 江戸の瓦版」文庫初版133〜134頁、林美一著、ISBN4-309-47144-7、河出書房新社
◇*4書籍「江戸風俗語事典」初版169頁、ISBN4−7905−0510−3、三好一光(いっこう)編、青蛙房(せいあぼう)
◇*5書籍「新版ことば遊び辞典」鈴木棠三(とうぞう)編、東京堂出版

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