謎につつまれたガス冷房。ホントに火をたくと部屋が冷えるの?

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★科学★
問題:まだまだ寒さの残る早春です。でも気は早いですけど、冷房の話です。
■ガス冷房というのをお聞きになったことがあるでしょう。ご利用になっている家庭はまだ多くはないと思われます。電気の冷房というのも仕組みは理解しにくいのですが、ガスで冷房ができるというのも素人には不思議ですね。ガスというのはほとんどの場合、熱を加えるのに使います。加熱して冷房になるというのは妙です。
■本日は、謎につつまれたガス冷房についての雑学クイズです。次のうちで正しい記述はどれでしょうか?
[い]電気を一切使わない冷房方式である
[ろ]フロンを一切使わない冷房方式である
[は]ガスは使うけれど炎で加熱する場面はない
[に]ガス冷房は省スペースになる
[ほ]東京ドーム・新国技館・帝国ホテルなどではガス冷房が使われている
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★科学★
正解:[ろ]と[ほ]が正しい
説明:[い]電気を一切使わない冷房方式である(×)
■ポンプなどに補助的に使う場面があるそうです。詳しくは[は]の説明をご覧ください
[ろ]フロンを一切使わない冷房方式である(○)
■オゾン層に穴をあけ、地表に紫外線を導くといわれるフロンはいっさい使わないとのこと。これも詳しくは[は]をごらんください。
[は]ガスは使うけれど炎で加熱する場面はない(×)
■ガスは間違いなく加熱するのに使うとのこと。不思議ですね。
□参考資料*1*2によれば、ガス冷房には、吸収式とかガス・ヒート・ポンプ式などがあるようです。たとえば吸収式の仕組みは次のようになっているとのこと。
□冷たさは液体が気体に蒸発する際の気化熱を利用して生むらしい。風呂上がりに扇風機やエアコンの風に当たると猛然と冷えます。あれとおなじ原理だそうです。電気式のエアコン(クーラー)もおなじ原理と聞きます。電気式ではかつては蒸発させる冷媒にフロンを使っていたらしい。オゾン層が破壊されるので使われなくなり現在では代替フロンを使っています。代替フロンはオゾン層破壊効果は低い。でも温室効果ガスとしては強力らしい。すべてを回収できれば問題はありません。でも使用中に大気に漏洩するとのこと。環境にとってあまりかんばしい物質ではないようです。
□一方、ガス冷房ではフロンは一切使いません。使われるのは普通の水だそうです。蒸発器と呼ばれる密閉装置に導かれたパイプに水を撒きます。水の蒸発でパイプを冷やすとのこと。蒸発を助けるために蒸発器内部は6~7mmHgにしてあるらしい。760mmHgが1気圧です。蒸発器の中は1/100気圧以下という真空に近い状態らしい。このとき、水は5度Cで沸騰して蒸発するそうです。
□水の気化熱で冷やされたパイプの中にも水が封入されています。気化熱を奪われ、7度Cぐらいに冷やされたパイプの中の水は各部屋まで行って冷風をつくり、12度Cぐらいまで温度をあげて蒸発器に戻ってきます。また気化熱を奪われて各部屋に行きます。これを繰り返すらしい。
□蒸発器の中はどんどん水蒸気ができます。気圧が上がって蒸発しにくくなります。それを防ぐために吸収器という装置とつながっているとのこと。吸収器も蒸発器とおなじ低気圧です。臭化リチウム水溶液が入っています。この液体は水蒸気を吸収する性質があるそうです。
□臭化リチウム水溶液もいつまでも水蒸気を吸い続けることはできません。いつかは飽和します。吸収器は再生器につながっているそうです。再生器に管で導かれた臭化リチウム水溶液はここでガスで加熱されるらしい。このとき、ガスの炎が使われるわけですね。
□再生器で加熱されると臭化リチウム水溶液は水蒸気を蒸発させるとのこと。この水蒸気は凝縮器という装置で液体の水に戻ります。水は蒸発器に通され、再び各部屋に通じるパイプを濡らし水蒸気になります。水蒸気は吸収器で臭化リチウム水溶液に溶け込みます。さらに臭化リチウム溶液とともに再生器に通され、加熱されて水蒸気に戻ります。凝縮器に通され、液体の水に戻る。これを繰り返すらしい。我ながら説明が稚拙です。言葉だけではなかなかご理解いただけないでしょう。参考資料*1*2の図もぜひご覧ください。
□電気は各部屋で冷風を送る場面の扇風機とか臭化リチウム水溶液の移動用ポンプ、あるいは水蒸気を水に戻す際の冷却などに使われるとのこと。補助的な使われかたですので、電気の消費量は低いらしい。
[に]ガス冷房は省スペースになる(△)
■家庭で使おうとすると電気式のエアコンに比べて設備は大きくなってしまうらしい。でもビルなどで使う場合は従来の冷暖房設備にくらべて省スペースになるそうです。1台で冷暖房が可能だそうです。燃料貯蔵設備も不要とのこと。
[ほ]東京ドーム・新国技館・帝国ホテルなどではガス冷房が使われている(○)
■大きな建物ではガス冷房は運用の費用が安くて済むようです。政府はガス冷房の普及を助けるため、「エネルギー需要構造制度改革投資促進税制」という19字もある長い名前の税制度にもとづいて優遇措置をもうけているとのこと。新しい建物ではなるべくガス冷房を使ってねということらしい。
□その優遇措置を利用したのかどうかは知りませんけど、東京ドーム以下の建物はガス冷房が使われているそうです。
◆参考*1:HP「日本ガス協会/ガス冷房」仕組み
http://www.gas.or.jp/gasaircon/contents/01_1.html
◇*2HP「業務用途のお客さま [ガス空調システム] /西部ガス」
http://www.saibugas.co.jp/business/air/kyusyuu/index.htm
◇*3HP「日本ガス協会/ガス冷房」メリット
http://www.gas.or.jp/gasaircon/contents/02_1.html
◇*4HP「ガスでエアコン???」
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/n-waka/question/gas.html

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