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zoom RSS 地口行灯(じぐちあんどん)の駄洒落。「微分積分いい身分」はどんな句にかけてあるの?

<<   作成日時 : 2010/02/17 07:25   >>

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★日本語★
問題:地口行灯(じぐちあんどん)をご存じと思います。昔の商店街で店先にかけた照明に駄洒落と絵が記されたものですね。タコが山によっかかって昼寝している絵が描かれており、横に「タコネ山」と書かれていたりします。箱根山の駄洒落です。無意味です。でも、のんびりとしていて、そこはかとない面白さがあります。
■いまでも地口行灯が飾られた通りがあるそうです。参考資料*1には三島市の写真が掲載されていました。現代の駄洒落が面白い。高校生の作品は「微分積分いい身分」。元の句は「セブンイレブンいい気分」。授業中のご苦労がしのばれます。数学自体、あるいはその先生に対して若干の敵意を感じているのかな。共感します。
■「エコにカバン」というのもあります。レジ袋をことわり、石油消費を減らそうという心意気でしょう。けれど、温暖化に対する懐疑派からは無意味じゃないかと茶々を入れられています。「エコにカバン」は「猫に小判」の駄洒落とのこと。
■本日は、昔の人が考えた地口行灯の駄洒落から、元の文句を探っていただきます。次に掲げられた5つの駄洒落は、昔はよく人の口の端(くちのは)にかかった有名な句を元ネタにしています。では元の言葉はどんなものでしょうか?
[い]「主(ぬし)は居(お)らぬに嬶(かか)用事」(ヒント 諺)
[ろ]「干菓子(ひがし)は桃に及ばざりけり」(ヒント 百人一首の歌)
[は]「貧は愚なもの恥なもの」(ヒント 慣用句)
[に]「ひまの下手碁」(ヒント 江戸の地名)
[ほ]「人間万事西行が猫」(ヒント 故事)
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★日本語★
正解:各項目を参照してください
説明:
[い]「主(ぬし)は居(お)らぬに嬶(かか)用事」は武士は食わねど高楊枝が元ネタ
■「武士は食わねど高楊枝」は、「武士は貧しくて食事ができなくても、あたかも食べたかのように楊枝を使って見せる」という意味だそうです。転じて、武士の清貧を表したり、やせ我慢を表したりするとのこと。
□「主人は不在、細君は多忙」では、客は帰るしかありません。愛想のない家からの帰り道、少し腹を立てつつ、「主は居らぬに嬶用事」とつぶやいたのでしょうか。
□昔は電話やメールで約束してから訪問するなどということはなかったようです。客は常に出し抜けに現れたらしい。不在ならともかく、多少の多忙ならば無理にでも面会したのでしょうね。
[ろ]「干菓子(ひがし)は桃に及ばざりけり」は昔は物を 思はざりけりが元ネタ
■「昔は物を 思はざりけり」は、百人一首の43番目、権中納言敦忠(ごんちゅうなごんあつただ)氏の作品だそうです。上の句が「逢ひみての のちの心に くらぶれば」。それに続く下の句だそうです。「いちばん熱くなっているいまに比べれば、以前はあまりカッカとしていなかったなぁ」。特定の異性への思いが強まり、性ホルモンの活動が活発なかたの感想らしい。
□干菓子は、生菓子に対する言葉だそうです。文字通り水分の少ない菓子のことらしい。落雁(らくがん)や金平糖(こんぺいとう)、煎餅(せんべい)などを指すと「大辞泉」には書いてありました。たしかに桃の極上品には、この世の物とは思えないほど旨いものがあります。干菓子だろうがトリュフ入りチョコだろうが、とても及ぶものではありません。
[は]「貧は愚なもの恥なもの」は縁は異なもの味なものが元ネタ
■「縁は異なもの味なもの」とは、「男女の縁はどこでどう結ばれるかわからず、不思議でおもしろいものである」という意味らしい。偶然の出会いにこそ妙味があるわけですね。出会い系サイトで出会うのでは、あまりに意図的で、趣きが薄まってしまうのかな。
□算数の好きな方々によれば、「円は異なもの味なもの」だそうです。円は2次元のなかで「完全な対称性をもつ唯一の図形」とのこと*3。数学に若干の敵意を抱く者としては、そういわれてもあまり大きな感動は生まれないのですが。
[に]「ひまの下手碁」は芝の愛宕が元ネタ
■「ひまの下手碁」は日本全国で打たれています。娯楽の少なかった昔は、現在よりももっと囲碁人口は多かったかも。落語の「笠碁(かさご)」とか「碁どろ」に登場する愛碁家は、その典型かもしれません。
□芝の愛宕には、愛宕山があります。鉄道唱歌の1番に歌われた「…愛宕の山に 消え残る 月を旅路の友として」ですね。愛宕山は高さが26m足らず。それでも天然の丘陵としては23区内では最高峰だそうです*4。江戸時代には愛宕山に登れば市中の1/3が見渡せたともいわれます。
□ちなみに落語の「愛宕山」に登場するのは京都の愛宕山。標高が920m余りあるとのこと。アウトドアの苦手な幇間(たいこもち)でなくても、登るのには苦労しそうです。
[ほ]「人間万事西行が猫」は人間万事塞翁が馬が元ネタ
■「人間万事塞翁が馬」は、「人生の禍福は転々として予測できないことのたとえ」だそうです。この場合、「人間」は「にんげん」と読まずに「じんかん」と読み、世間・社会という意味らしい。
□「西行が猫」のほうは、新古今和歌集にいちばん多く収載された歌人、西行法師の故事です。源頼朝に招かれて宗教方面の御前講義を行なったらしい。御礼というわけでしょうか、銀で作られた猫が贈られたそうです。西行は門前で遊んでいる子供にその猫を惜しげもなく与えたという逸話があります*5。
◆参考*1:HP「【地口行灯・東海道三島宿】 2009.02.08:クコンバさんの旅行ブログ by 旅行のクチコミサイト フォートラベル」
http://4travel.jp/traveler/bangkok1953/album/10308599
◇*2書籍「ことば遊び辞典」、鈴木棠三編、東京堂出版
◇*3雑誌「円、球、そしてΠ」Newton (ニュートン) 2009年12月号16頁、ニュートンプレス
◇*4HP「愛宕山 (港区) – Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%84%9B%E5%AE%95%E5%B1%B1_(%E6%B8%AF%E5%8C%BA)
◇*5HP「「悪口を 古今綺麗に 初手に書き」とは誰をからかった川柳なの?
http://blog.q-q.jp/200812/article_39.html

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