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zoom RSS チョウチョはなぜ1頭2頭と勘定するの?

<<   作成日時 : 2009/12/04 07:36   >>

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★日本語★
問題:虫はふつう1匹、2匹と勘定します。「匹」は助数詞と呼ばれます。英語で言えば「counter」だそうです。「勘定するもの」ですね。
■「匹」が使われるのは、「動物・鳥・昆虫・魚」などだそうです。犬の場合も1匹2匹と勘定します。でも土佐犬とかグレートデンのように大きな犬になりますと、1匹というよりは1頭というほうがいいのかなと思ってしまいます。土佐犬でも子犬ならば1匹かな。どちらかといえば大型の動物は「頭」、小型は「匹」。そんな感じがしますよね。
■ところが、不思議なことに昆虫の「てふてふ」は1頭2頭と勘定するそうです。蝶々ですね。モンシロチョウが1頭とアゲハが2頭、花畑を飛び回っています…なんて表現するのが正統だと聞かされました。
■この風習は外国からもたらされたそうです。では、それはどの国の風習だったのでしょうか?
[い]中国
[ろ]インド
[は]イギリス
[に]ドイツ
[ほ]アメリカ
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★日本語★
正解:[は]イギリス
説明:イギリスはダーウィンなどに見られるように虫とか動物の学問については先進国だそうです。そのイギリスには蝶々の動物園などがあるらしい。動物園の中の昆虫園かもしれませんけど。そこで「head」という「counter」を使っていたようです。
■もともと、イギリスでは牛などの家畜を勘定する際に「head」が使われていたらしい。その勢いで、動物園にいる動物もみんなまとめて「head」で勘定していたそうです。明治の初めごろに日本に輸入された書籍の中でも「head」だった。それが「頭」と直訳されたとのこと*1。
■な〜んだ。蝶々を1頭2頭と勘定するのは、翻訳者が手間を省いたからですか。あるいは語彙が足りなかったのかな。それとも盲目的な西洋崇拝かな。
■由緒正しい表現なのかと思いこんでいました。これまでは「蝶々の数を表現する場合にはちゃんと『頭』を使おう」と少し緊張していました。損しましたね。まぁ、昆虫業界の方々は「頭」でもなんでも使えばいいでしょう。でも非業界人としては、これからは匹で勘定することにします。
■「匹」という漢字は象形文字だそうです。漢和辞書「字通」によれば、「馬が並んでいる前脚と胸腹部とを、複線的にしるしたもの」とのこと(口絵参照)。口絵の感じではまだ匹のおもかげがある程度ですが、これから徐々に変態を遂げて漢字の「匹」になるらしい。
■馬の勘定は「匹」でするほうが正統派なのかもしれません。「古事記」には、「百済の国主照古王、牡馬壹疋、牝馬壹疋を…(献上した)」(中つ巻)なんて記述が見られます。「壹」は「壱」とおなじで「一」ですね。「平家物語」を見ると、「馬三疋(びき)ひかる。一疋に鞍おいたり。…(引き出物として)馬三匹が贈られた。一匹には鞍が置かれていた」(征夷将軍院宣)と疋が使われています。
■江戸時代の瓦版でも「馬五百疋」(浅間山噴火の被害を伝える記事)などと「疋」が使われています。ちなみに、「疋」という漢字は、「匹に足の形を加えたもの」だそうです*2。残念ながら、わが中央競馬会は「16頭が出走」などと「頭」を使っています。盲目的な英国崇拝かな。
■もし「頭」という助数詞が伝統のない言葉なら、いっそ動物はみんな「匹」で統一してしまえばいいかもしれません。無意味かつ細かいことに気を配らなくてすみます。すでにその先鞭をつけた文芸作品があります。「男一匹ガキ大将」。あるいは「三匹の侍」。芸術性の高い作品はちゃんと伝統を守っています。なんてね。
◆参考*1:HP「気になることば」
http://www.nhk.or.jp/a-room/kininaru/2007/06/0626.html
◇*2辞書「字通」白川静、平凡社

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
あらっ、ちょっとビックリですね。
なんとなく平安時代あたりから続く習慣的なものと思っていましたが。
イギリスからということは、明治あたりにはいてきたんでしょうね。

ということは、ウサギの数え方1羽2羽もそのあたりですかね。
江戸時代に、ウサギの肉を鶏肉と誤魔化すために呼んでいたと記憶していたんですが(^^ゞ
ねこのひげ
2009/12/04 08:45
コメントをありがとうございます。

 仏教の食物禁忌と関係があるのなら、ウサギの数えかた「羽」は明治維新よりも前かもしれませんよね。

 「古事記」では、大国主命(おおくにぬしのみこと)の登場する「因幡の白ウサギ」は、「稲羽之素兎」と表記されるそうです(漢字はもっと古い字らしいのですが)。兎と羽はだいぶ昔から縁があったのかな。
(^^;)
ねこのひげ様<素町人
2009/12/04 20:25
おはようございます♪

古事記に、すでに見られますか?
となると、ウサギの数え方だけは、古くから。
ということになりますよね。
なかなか、おもしろいですね(^。^)
ねこのひげ
2009/12/05 07:24
コメントをありがとうございます。

 ごめんなさい。誤解を与えるような表現でした。
 「稲羽之素兎」は、いわゆる助数詞として使われているわけではないようです。ウサギの「1羽、2羽」という数えかたが昔からあったという証拠にはなりそうもありません。
m(_ _)m

 ウサギの数えかたがいつごろからかは、ちょっと調べたぐらいでは判明しませんでした。生類憐れみの令に関係しているという説もあれば、仏教伝来以来と推測する向きもあるようです。

 そもそも坊さんは四つ足だけでなく動物性蛋白全般が食物禁忌の対象だという説もありました。魚や鳥も食べてはいけないらしい。たしかに、タコを天蓋(てんがい)、マグロを赤豆腐(あかどうふ)と呼ぶ坊さん業界の隠語が落語には登場します。
 鳥と偽わることは、少なくとも坊さん同士では、無意味なのかもしれません。
 となると、ウサギを1羽2羽と勘定する理由はますます不明です。なぜなのでしょうね。
(^^;)
ねこのひげ様<素町人
2009/12/06 09:33
了解!!
しかし、数え方ひとつでも、謎があるというのは、奥が深いですね。
ねこのひげ
2009/12/07 09:18
コメントをありがとうございます。

 勘定のしかたはたしかに謎が深いですね。知人によれば、アリンコも1頭2頭と数えるとのこと。これも英国渡来なんでしょうかねぇ。
(^^;)
ねこのひげ様<素町人
2009/12/07 19:57

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