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zoom RSS 島崎藤村「千曲川のスケッチ」からの読み問題。「城址」はなんと読むの?

<<   作成日時 : 2009/12/21 07:44   >>

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★日本語★
問題:明治後半から昭和半ばまで活躍した島崎藤村(とうそん)はたいへん有名な詩人ですね。「小諸なる古城のほとり 雲白く遊子悲しむ」という詩は、信州旅行のお土産品や絵はがきに記されていたりします。最初に記されたのは明治34年(1901年)8月に刊行された「落梅(らくばい)集」という詩集の冒頭だったようです。
■島崎藤村の詩では、懐かしの舟木一夫(かずお)が昭和46年(1971年)に歌った「まだあげ初めし 前髪の 林檎のもとに 見えしとき…」という「♪初恋」という詩もよく知られています。明治29年(1896年)に発表されたらしい。いちばん有名なのは、明治33年(1900年)に発表された「名も知らぬ 遠き島より 流れ寄る 椰子の実一つ」という「椰子の実」の詩でしょうか*2。
■もちろん小説家としても知られています。「夜明け前」、「破戒」などは学校で読まされたかたも多いでしょう。
■本日は、島崎藤村の写生文「千曲川のスケッチ」からの読み問題です。島崎藤村の表現手段が詩から小説へと移行する途中での作品らしい。文学を研究する人にとっては特別の意味がある散文のようです。弊クイズにとっては単に出題用のネタですけどね。
■では、次の漢字・熟語はなんと読むでしょうか? 例によって青空文庫の「千曲川のスケッチ」に付せられた振り仮名を正解とします。必ずしも辞書どおりではありません。
[い]「城址」
[ろ]「温順しく」
[は]「臥床」
[に]「襷」
[ほ]「玻璃」
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★日本語★
正解:各項目を参照してください
説明:
[い]「城址」はしろあと/じょうしと読む
■「千曲川のスケッチ」では、「小諸城址(こもろじょうし)」という使われかたと「小諸の城址(しろあと)」という使われかたがしていました。どちらでもいいのでしょうね。常用漢字表の漢字を使うとすれば「城跡(しろあと/じょうせき)」でしょうけれど、なんとなく感じはでません。古い城の跡はやはり「城址」とか「城趾」という漢字のほうがそれらしい。
□「址」という漢字は常用漢字表には掲載がありません。漢和辞典「字通」によれば「シ、あと」という字音・字訓があります。「阯」というこざとへんの異体字があります。「趾」という足へんの漢字ともほぼおなじ意味・読みらしい。
□「址」という漢字の旁(つくり)の部分「止」は「あしあと」を意味するとのこと。「阯」は神様のあしあとで神霊の降臨するところをいうそうです。「趾」は「人のあしあと」だそうです。城のあとにはきっと昔の人々の見えないあしあとが無数にあるのでしょうね。
[ろ]「温順しく」はおとな(しく)と読む
■「おとなしい」は、ふつうは「大人しい」、あるいは「温和しい」などと書きますね。「温順しい」という漢字表記は「大辞泉」や「大辞林」には見当たりませんでした。音読みした「温順(おんじゅん)」は、「おとなしくすなおなこと」だそうです。
□「千曲川のスケッチ」では、「…牛の性質によって温順(おとな)しく乳を搾(しぼ)らせるのもあれば、それを惜(おし?)むのもある…」と使われていました。
[は]「臥床」はしとねと読む
■「しとね」はふつうは「褥」と書きます。「座るときや寝るときに下に敷くもの」だそうです。布団とか敷物ですね。電気敷毛布も「しとね」かな。
□加山雄三(ゆうぞう)が歌った「♪君といつまでも」には、岩谷時子(いわたに ときこ)の詩で「…君はそよ風に 髪をとかせて 優しくこの僕の しとねにしておくれ…」という一節があります。昔の歌は雅びですね。
□なお「臥床」は、一般には「がしょう」と音読みするらしい。サ変の動詞だそうです。「病気で床につくこと」を意味するとのこと。「臥床」を「しとね」と読ませる例は辞書でざっと調べた限りでは見当たりませんでした。
[に]「襷」はたすきと読む
■「たすき」は、「和服の袖やたもとがじゃまにならないようにたくし上げるためのひも」です。「背中で斜め十文字に交差させ両肩にまわして」結びます。時代劇ではよくお目にかかるものですね。
□もうひとつ、選挙運動中の候補者とか競走中の駅伝走者もたすきを使います。こちらは、「一方の肩から他方の腰のあたりに斜めにかける」輪状の紐・帯ですね。
□「襷」という漢字は常用漢字表には掲載がありません。漢和辞典「字通」にもありません。衣へんに「擧」という旁です。「擧」は「挙」の古い字で「あげる」という意味があります。「衣の(そでを)挙げる」ところから「たすき」。理にかなっています。どうも国字のようですね。
[ほ]「玻璃」はガラスと読む
■「玻璃」は「はり」とも読みます。意味としてはガラスですね。王へんの漢字が2つ連なっています。瑪瑙(めのう)とか瑠璃(るり)、珊瑚(さんご)と同様に、昔は宝物の一種とされていたようです。
□地獄に旅行されたことのあるかたはご存じでしょうが、閻魔王庁には浄玻璃の鏡(じょうはりのかがみ)という装置があります。「亡者の生前のすべての行ないをあますところなく映し出す」という高性能な鏡らしい。解像度・分解能が世界最高です。こっそり隠れて悪いことをしていてもみんなばれてしまいます。鏡面に映ったエピソードを元にして、地獄行き/極楽行きが仕分けされるとのこと。地獄には時効はありません。政治的圧力も効かないらしい。娑婆では逃げ切った人殺しや汚職政治家もみんな地獄に行くことになっています。
◆参考*1:HP「図書カード:千曲川のスケッチ」
http://www.aozora.gr.jp/cards/000158/card1503.html
◇*2HP「本日島崎藤村命日。間違った愛を経験してしまったってホント?」
http://blog.q-q.jp/200708/article_41.html

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