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zoom RSS 「穴」にまつわる言葉の意味。「穴守様」は性病のお医者様なの?

<<   作成日時 : 2009/12/18 07:16   >>

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★日本語★
問題:素町人が子供のころ、昭和30年代から40年代にかけて、二代目三遊亭歌奴(うたやっこ)という落語家がいて、「授業中」という新作落語で大当たりをとっていました。のちに三代目三遊亭圓歌(えんか)となり、落語協会の8代目会長をつとめた人ですね。最近では高齢化社会を笑う「中沢家の人々」で受けています。
■「授業中」という落語では、「山のあなあなあな…」というカール・ブッセの詩をどもってしまう生徒の台詞がよく知られています。上田敏(びん)氏による原詩の和訳は下のとおりです。
---山のあなたの空遠く
---「幸(さいはひ)」住むと人のいふ。
---噫(ああ)、われひとゝ尋(と)めゆきて、
---涙さしぐみ、かへりきぬ。
---山のあなたになほ遠く
---「幸(さいはひ)」住むと人のいふ。
作者のカール・ブッセという詩人は、ちまたの評判によれば二流詩人だそうです*2。でも、上田敏が「海潮音(かいちょうおん)」に名訳を載せたため、また三遊亭歌奴が「授業中」で広めたため、たいへん知名度が高くなっているらしい。ちなみに歌奴は昭和天皇をはじめとする皇族の前でも「授業中」を演じたとか。やんごとなきかたがたも、「やまのあなあなあな」で爆笑されたのでしょうか。
■それはともかくとしまして、本日は「穴」にまつわる言葉の問題です。次の記述のうち、正しいものはどれでしょうか?
[い]「馬鹿穴」とは、「タヌキやキツネを捕るための罠の穴」を意味する
[ろ]幇間(ほうかん、たいこもち)が「穴釣り」といえば、茶屋で隠れ遊びをする客の座敷を約束もなく不意に訪れて祝儀をせしめることである
[は]「穴番」という職業は、「隧道(ずいどう、トンネル)の保守点検をする作業員」という意味である
[に]「穴っぱいり」とは、「パチンコに凝って仕事をしないヒモ」を指す俗語である
[ほ]「穴守様」は明治以降に台東区吉原三丁目に出来た帝立病院の俗称。性病から女陰を守る医者として敬愛された。
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★日本語★
正解:全部間違い
説明:[い]「馬鹿穴」とは、「タヌキやキツネを捕るための罠の穴」を意味する(×)
■正しくは、「ボルトなどを通すために、ボルトなどの径よりやや大きくした穴」という意味だそうです。建築とか製造業などで使われる言葉なのでしょうか。
□「馬鹿穴」の馬鹿は、「正常に働かなくなる」という意味らしい。「風邪をひいて鼻が馬鹿になっており、料理の味がわかりにくい」などと使われます。「ネジが馬鹿になっている」なんて言いかたもありますね。「馬鹿穴」はおなじ系統の言葉なのかな。
[ろ]幇間(ほうかん、たいこもち)が「穴釣り」といえば、茶屋で隠れ遊びをする客の座敷を約束もなく訪れて祝儀をせしめることである(×)
■正しくは、「幇間が客の自宅を訪れ、遊びに誘い出すことをいう」とのこと。子供の遊びではありません。「○○君、あーそーぼぅ!」と自宅に突撃してしまうんですから図々しいですね。当然、細君をはじめとする家族とも顔をあわせる可能性が高いでしょう。でも、そんなことを気にしていたら、幇間などはつとまらないのかな。
□落語「鰻の幇間(うなぎのたいこ)」でも、主人公の幇間が「羊羹二棹(ようかんふたさお)」を餌に穴釣りに行こうという場面が描かれることがあります。あいにく穴釣りは失敗。たまたま道であった旦那にヨイショしてたかろうと企み、逆にたかられてしまうという可笑しくも哀れな物語ですね。
[は]「穴番」という職業は、「隧道(ずいどう、トンネル)の保守点検をする作業員」という意味である(×)
■正しくは、「劇場の奈落で回り舞台を回す職方」のことだそうです。暗い中で間合いを計り、力仕事をなさるわけですね。
□「穴番」は、開幕前の舞台の掃除も役目だそうです。「奈落番」ともいわれます。なんだかちょっと雑用っぽいですけどね。
[に]「穴っぱいり」とは、「パチンコに凝って仕事をしないヒモ」を指す俗語である(×)
■正しくは、「花柳界につとめる女の元に入り込むこと」だそうです。女性の稼ぎをあてにしているのでしょうから、ヒモかもしれません。
□ストリッパーのヒモのかたで、毎日お札にアイロンをかけるのを趣味にしているという男性がいました。パチンコに凝るよりはマシかもしれません。でもあまり前向きな人生ではありませんね。早くご自分の仕事を見つけ、収入を得て、踊り子さんを身請けしてあげるといいのですが。
[ほ]「穴守様」は明治以降に台東区吉原三丁目に出来た帝立病院の俗称。性病から女陰を守る医者として敬愛された(×)
■正しくは、「東京羽田にある穴守稲荷」のことだそうです。花柳界の女性の守り神らしい。芸よりも肉体を売るご婦人方は、「穴、つまり女陰をかけての商売繁昌」を願って穴守稲荷に参詣したと聞きます。「明治の末年から大正の中頃までは汐干狩で遊べたところから、客との遠出もかねて出かけた」とのこと。
◆参考*1:書籍「花柳風俗語辞典」藤井宗哲(そうてつ)編、東京堂出版
◇*2書籍「故事名言ことわざ総解説」初版233頁、担当筆者平田次三郎、自由国民社
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞泉
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞林

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