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zoom RSS 慣用句の問題。「ポンコツ」ってそもそもは拳固で殴る音だったの?

<<   作成日時 : 2009/10/30 07:45   >>

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★日本語★
問題:慣用句。やわらかくいえば決まり文句でしょうか。この中には、よく使うのに語源を知らないものがけっこうあるものです。
■たとえば「ポンコツにする(〜をきめる)」。音の響きに滑稽味のある言葉です。いまから150年ほど前、幕末から明治維新のころ、横浜や神戸など開港した町で生まれたらしい。拳骨で殴ることを言ったようです。口語として流行していたらしい。いわゆるオノマトペ(擬声語、擬態語)だったのかどうかは判然としません。ゲンコツがもとにあり、ポンと殴るのポンがくっついたのかな。
■文明開化の風俗を描いた仮名垣魯文(かながき ろぶん)に「西洋道中膝栗毛」、「安愚楽鍋(あぐらなべ)」などの戯作があります。後者のほうに、次のような一節があるとのこと。
---「ポンコツをきめられて、人のはらへはいりやア、てめえたちのやくがすんで」
牛と馬の会話だそうです。発言しているのは馬、人の腹に入るのは牛のようです。牛を屠殺する際に、当時は頭をポンと殴ったのでしょうか。
■のちには、自動車を解体するときの槌の音がポンポンと聞こえるところから、解体するクルマがポンコツと呼ばれたそうです。さらに老朽化してバラされたり捨てられたりする物を広くポンコツと呼ぶようになったらしい。オンボロのさらに程度の進んだのがポンコツ。昔の人の言葉はなかなか耳に楽しいですね。
■本日はよく使われる言葉の語源についてのクイズです。言葉の由来について記された次の記述のうち、正しいものはどれでしょうか?
[い]「ほとぼりがさめる」の「ほとぼり」は窯の中の焼き物のことである
[ろ]「まとをいる」の「まと」は弓術の的のことである
[は]「まんじりともしない」の「まんじり」はお尻を動かすという意味だった
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★日本語★
正解:[ろ]が正しい
説明:[い]「ほとぼりがさめる」の「ほとぼり」は窯の中の焼き物のことである(×)
■「ほとぼりが冷める」とは「高ぶった感情や興奮がおさまる」という意味らしい。「事件などがおさまってしばらく残っている世間の関心」も「ほとぼり」だそうです。慣用句の世界では2ヶ月半、75日で人の噂もしずまることになっています。酒井法子や押尾学らの場合は、来年に入ってからほとぼりが冷めるのかな。
□「ほとぼり」は漢字に直すと「火通り」、あるいは「熱り、余熱」だそうです。文字通り、「さめずに残っている熱、余熱」の意味らしい。「窯の中の焼き物」とか「熱いスープ」など特定のものをさす言葉ではないようです。
[ろ]「まとをいる」の「まと」は弓術の的のことである(○)
■「的を射る」は、「うまく目標に当てる」という意味から転じて、「うまく要点をつかむ」という意味になったそうです。「すばらしく的を射た批評だ」などと使われます。「的確な批評だ」とおなじ意味です。せんじつめれば、「自分と同意見だ」ということなのでしょうね。
□「大辞泉」によれば、「的を得る」とするのは誤りだそうです。「当を得る」、「道理にかなっている」との混同らしい。
□余談です。「的を得る」という表現が「的を射る」と「当を得る」が混用された誤りである解説されているHPがいくつかあります。その中で「腹をくくる」も同様の誤りだとしているHPを複数見かけました。「腹を据える」と「高をくくる」が混同されたとする主張です。
□「へぇ、そうなんだ、知らなかった」と思って、「大辞泉」や「大辞林」を引いてみました。どちらにも、「腹を括(くく)る」という項目が立っています。「覚悟を決める。いかなる事態にもひるまないよう心を固める」という意味とのこと。参考資料*1にも「腹を括る」は「覚悟を決める」ことであり、「腹を据える」ともいうと記されています。
□お節介をもって鳴るATOK2009では、「まとをえる」と入力して変換しようとすると「当を得る/的を射るの誤用」と指摘してくれます。「腹をくくる」は誤用の指摘はありません。ここまでの調べでは混同説は否定されています。
□ところがです。語彙の豊富をもって鳴る「日本国語大辞典」(昭和55年(1980年)刊行、小学館)の「腹」の項目を調べると、「腹を〜」という表現が、「腹をあわす」に始まり「腹を割る」までちょうど30種並べられています。でも、その中には「腹をくくる」という表現はありません。「腹を切る」のあとは「腹を下す」でした。「くくる」のほうでも調べてみましたが、「腹をくくる」という表現は見当たりません。はたして「腹をくくる」という表現は誤用なのでしょうかね。
□ちなみにヤッホーで「腹を決める+きめる」を検索語として調べると219+4万件。「腹を括る+くくる」は7万9300件+20万6000件、「腹を据える+すえる」は6万200+2万3300件でした(いずれも091029現在)。
[は]「まんじりともしない」の「まんじり」はお尻を動かすという意味だった(×)
■「まんじりともしない」とは、「ちょっと眠ることもしない」だそうです。「まんじり」は「短いまどろみ」を意味するらしい。その他に、「じっくり見つめるさま」という意味もあるようです。「まんじりと見やる」といえば、「まじまじと見つめる」という意味らしい。
□「何も手につかないでいる様子」も「まんじり」と表現するらしい。「そろそろ帰ってくるかなとひとりまんじりとしている」というのは恋人を待っている人の心持ちでしょうか。
□「まんじり」は「まじまじ」と同系の言葉だそうです。それでなぜ睡眠の意味になるのかはよくわかりませんでした。
□なお、「まんじりともしなかった」を英語にすると、「I didn’t sleep a wink.」になるらしい。まばたきする間も眠らなかったのでしょうかね。
◆参考*1:書籍「決まり文句語源辞典」堀井令以知編、ISBN4-490-10470-7、東京堂出版
◇辞書「日本国語大辞典」小学館
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞泉
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞林

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