世界最大の生物は植物なの? 動物なの? それとも別のものなの?

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★科学★
問題:平成4年(1992年)にイギリスの学術雑誌「ネイチャー」に世界最大級の生物として報じられた生物がいます。それは、次のどの仲間に属するものでしょうか?
[い]クジラの仲間
[ろ]杉の仲間
[は]軟体動物の仲間
[に]キノコの仲間
[ほ]海藻の仲間
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★科学★
正解:[に]キノコの仲間
説明:ナラタケというキノコの仲間だそうです。シロナガスクジラやセコイヤよりも大きいキノコといえば、お化けキノコを想像しますね。軸の直径10m、カサの部分の直径は50m。人間200人がいっぺんに雨宿りできる大きさ。総重量は50トン。
■実際のナラタケはナラという木によく生えているようです。椎茸や松茸とあまり変わりがない大きさなんだそうです。人間はおろか、ネズミ一匹ですら雨宿りはできません。いちおう食用とされ、東日本ではとくに好まれているらしい。ただし、生で食べたり、時間が経ったものを食べたりすると中毒を起こすこともあるとのこと。どんな毒なのかはよくわかっていないらしい。
■ナラタケで大きいのは土や木の中に隠れている菌糸の部分だそうです。いわゆるキノコの部分は身体のごく一部分です。一般に、菌類のいわゆるキノコとして人間の目に触れる部分は子実体(しじつたい)とよばれ、生殖器に相当するらしい。人間では他の部分はあらわにしても生殖器だけは隠します。キノコの仲間では、身体は土や木の根などにもぐって隠れていますが、生殖器だけがあらわです。文化の違いを感じますね。
■そういえば、松茸はよく男性の性器にたとえられます。形状の類似だけでなく、機能の類似からみても正しい比喩らしい。
■それはともかく、「ナラタケの仲間の菌は根状菌糸束(こんじょうきんしそく)という菌糸の集合体をつくり、土の中に伸ばし、切り株の根などにたどり着くとそれを腐らせて栄養をとる」とのこと。摂取した栄養を集めてキノコを作るらしい。1本のキノコをつくるためには膨大な量の菌糸、根状菌糸束が働いているそうです。
■キノコは全体のごくごく一部分。その図体は、人間の想像をはるかにこえたサイズらしい。図体の大きさを測るには、次のような作業をします。
■地上に生えているナラタケを採取して地図上に記していきます。採取されたサンプルのうち、遺伝的におなじナラタケの位置を確認していきます。DNA鑑定が行なわれるのかな。これで体のおおまかな大きさがわかるらしい。ミシガン州の広葉樹林では15ヘクタール(15万平方m)の面積をひとつのナラタケ(の隠された図体)が占めていたとのこと。
■次に土を採取して単位面積当たりに含まれる根状菌糸束の重さをはかります。これを元に15ヘクタール分の重さを推測すると、生重量で10t(トン)以上だったらしい。「枯れたり弱ったりしているナラの根に入り込んでいる菌糸を勘定に入れれば10倍の100tになる」とも言われています。シロナガスクジラに匹敵するほどの重さです。
■成長速度から推測すると、15ヘクタールのナラタケは1500年ぐらいは生きているらしい。サイズから見ても、年齢から見ても、森の主(ぬし)ですね。
◆参考*1:書籍「きのこの100不思議」初版20~21頁、日本林業技術協会編、ISBN4-487-75485-2、東京書籍
◇*2HP「ナラタケ - Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8A%E3%83%A9%E3%82%BF%E3%82%B1

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