沢田美喜の命日。子どもたちを救った天使はグレース・ケリーの友人なの?

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★歴史★
問題:昭和55年(1980年)の今日、5月12日。スペインのマジョルカ島を旅行中の沢田美喜(さわだ みき)さんが心臓発作で倒れ、そのまま息を引き取りました。78歳でした。
■若い方は沢田美喜さんの名前はご存じないかたが多いでしょう。戦後に活躍した社会事業家です。エリザベス・サンダース・ホームという混血孤児のための施設を創立・運営し、2000人もの若者を育て上げた人です。
■戦後、日本に駐留していたアメリカなどの連合軍兵士と日本人女性とのあいだに生れた混血孤児は少なくなかったようです。強姦もあれば和姦もあったでしょう。売春もあれば恋愛もあったかもしれません。さまざまな形で性交渉は行なわれ、望まれぬ形で生まれた不幸な子どもたちがいました。
■現在でこそ数も多く、「ハーフ」などと呼ばれ、芸能界などではとくにもてはやされる存在です。でも戦後の日本では新参の少数派です。混血児は、まともな日本人とは見てもらえなかったらしい。母親も子供も偏見と差別に苦しまねばなりません。少なからぬ数の子供は母親にさえ捨てられてしまいます。
■恥の文化の中に放り出された圧倒的な弱者を救うべく、沢田美喜さんは、私財をなげうって悪戦苦闘されたらしい。悲しい子供たちの母となりました。その功労に対して、のちに「国際孤児団 世界の婦人賞」などの褒章が与えられています。
■本日は、多くの赤の他人の幸せを築くために奮闘したひとりの女性の命日です。その遺徳をしのびつつ、沢田美喜さんに関する雑学クイズです。次のうち正しい記述はどれでしょうか? 
[い]きっかけになったのは病院で子供を堕ろす女性の声をきいたことだった
[ろ]アメリカ軍は表向きは無関心だったが財政的には援助してくれた
[は]エリザベス・サンダース・ホームは大磯にあったが、地元では混血児たちの海水浴を快く思わなかった
[に]世界の有名女性、ジョセフィン・ベーカー、グレース・ケリー、マリー・ローランサン、パール・バックなどと友人だった
[ほ]息子の一人は由紀さおりの夫である
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★歴史★
正解:[は]と[に]が正しい
説明:
[い]きっかけになったのは病院で子供を堕ろす女性の声をきいたことだった(×)
■戦後のある日、汽車の網棚から落ちた包みの中から混血児の死体が出てきて衝撃を受けたそうです。一説にはその子供の母親と誤解されたともいわれます。
□それまでにも混血児の遺体をときどき目にし、心を痛めていた沢田美喜さんは、このとき心を決めたともいわれます。
□旦那さんが外交官であり、カトリック教徒だったそうです。沢田美喜さんもカトリックに帰依しているとのこと。以前にロンドンの孤児院を見学したり手伝ったりした経験があったらしい。日本の孤児院とは異なる雰囲気に感心したそうです。そんなこともあって、混血児の施設を作ろうと決心したのかもしれません。
[ろ]アメリカ軍は表向きは無関心だったが財政的には援助してくれた(×)
■正しくは、「日本政府も駐留米軍も彼女の訴えに耳を貸さなかった」だそうです。社会の最高責任者たちは、最底辺の問題には無関心だったようです。あるいは恥部と考え、蓋をしたかったのかもしれません。Wikipediaの表現によれば、両者から「迫害を受けた」そうです。
□沢田美喜さんは、三菱財閥の創立者岩崎弥太郎(いわさき やたろう)氏の孫娘だそうです。彼女が行動を起こしても、金持ち娘の道楽と見られたらしい。戦後の財閥解体もあり、彼女にも余裕があったわけではないようです。各方面に懸命に働きかけ、寄付を募ってようやく開いたのがエリザベス・サンダース・ホームだそうです。「エリザベス・サンダース」は、個人で大口の献金をしてくれた人の名前とも言われています。
[は]エリザベス・サンダース・ホームは大磯にあったが、地元では混血児たちの海水浴を快く思わなかった(○)
■大磯にあった岩崎家の屋敷が接収されたのを400万円で買い戻し、ここにエリザベス・サンダース・ホームを開きました。昭和23年(1948年)のことだそうです。この年前半の国家公務員大卒初任給は2990円だったらしい*4。米価で比べるともっと差は少ないのですが、初任給で比べると貨幣価値は現在の60倍以上になります。彼女が集めたお金は現在の2憶4000万円以上になるのかな。
□その地元の大磯の海岸では混血児たちを海水浴させることもできなかったらしい。ご主人の故郷の鳥取県岩美町の海岸でやっと受け入れてもらえたという話が残されているそうです*2。岩美町の人々は混血児たちをあたたかく迎えたらしい。岩美町はエリザベス・サンダース・ホームの第2のふるさとといわれているとのこと。ご主人の地元ですから当然なのかもしれませんが、沢田夫妻のお墓も岩美町にあるそうです。
[に]世界の有名女性、ジョセフィン・ベーカー、グレース・ケリー、マリー・ローランサン、パール・バックなどと友人だった(△)
■マリー・ローランサン氏はフランスの女流画家であり彫刻家です。彼女だけは、友人というよりは、弟子だったようです。他の方々とはホントに友達だったとのこと。
□旦那さんの沢田廉三(さわだ れんぞう)氏は、日本の国連加盟に尽力した大物外交官だそうです。その関係もあってか、沢田美喜さんの交友関係は国境をこえています。
□ジョセフィン・ベーカー氏は、アメリカ出身、フランス国籍ももつアフリカ系の女性です。レビューの踊り子として知られます。素町人が思春期のころ初めて拝見した写真では、彼女の胸は露わでした。
□ジョセフィン・ベーカー氏のもうひとつの顔は、社会事業家としての顔です。パリの貧民窟の住人たちを助ける事業をしていたらしい。また、12人の孤児を養子とし、人種差別に徹底して立ち向かった人だそうです。
□グレース・ケリー氏はモナコ王家に嫁いだアメリカの女優さんですね。今の人にはケリー・バッグの生みの親としても知られます。グレース・ケリー氏はジョセフィン・ベーカー氏と友人同士らしい*5。
□パール・バック氏は「大地」などの作品で知られるアメリカの女流小説家です。
[ほ]息子の一人は由紀さおりの夫である(×)
■正しくは、「…安田祥子(さちこ)の夫である」だそうです。安田祥子氏は由紀さおりの実姉ですね。
◆参考*1:HP「沢田美喜 - Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B2%A2%E7%94%B0%E7%BE%8E%E5%96%9C
◇*2HP「9月19日」
http://www.eonet.ne.jp/~m-hirose/ijinden/9gatu/0919.htm
◇*3HP「エリザベス・サンダースホーム - Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E6%B3%95%E4%BA%BA%E8%81%96%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%91%E3%83%8E%E5%AD%A6%E5%9C%92
◇*4HP「昭和23年(1948年)の少年犯罪」
http://kangaeru.s59.xrea.com/23.htm
◇*5HP「ジョセフィン・ベーカー - Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%82%BC%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%99%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%BC

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