町人思案橋・クイズ集

アクセスカウンタ

zoom RSS 「方丈記」に出てくる漢字・熟語の読み問題。「甍」はなんと読むの?

<<   作成日時 : 2009/05/15 06:46   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 4 / トラックバック 0 / コメント 0

画像
★日本語★
問題:ご存知のように、「方丈記(ほうじょうき)」は鴨長明(かもの ちょうめい)という人が書いた随筆です。鎌倉時代初期、建暦(けんりゃく)2年(1212年)に脱稿したといわれます。和漢混淆文で書かれた随筆としては初期のいちばん優れたもののひとつだそうです。随筆として有名な吉田兼好(よしだ けんこう)氏の「徒然草(つれづれぐさ)」は100年あまりあと、元徳(げんとく)2年(1330年)前後に書かれています。
■鴨長明・吉田兼好の両氏は、ともに60歳以上まで生きていたとWikipediaに記されています。鎌倉時代としてはご長寿です。名前に秘密があります。それぞれ「長命」、「健康」という言葉が隠されているんですね。
■冗談はさておき、本日は「方丈記」に使われている言葉の読み問題です。つぎの漢字・熟語はなんと読むのでしょうか? 
[い]栖
[ろ]甍
[は]塵灰
[に]咽ぶ
[ほ]辺際
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★日本語★
正解:各項目を参照してください
説明:[い]栖はすみかと読む
■「栖」は、「住処、住み家」とおなじ意味ですね。貴族仲間ではヤサ、ネグラなどともいいます。
□「栖」という漢字は、常用漢字表には掲載がありません。漢和辞典「字通」によれば「セイ、すむ、やどる」という字音・字訓があります。「同棲」の「棲」という漢字は異体字だそうです。形は異なりますが読みや意味はおなじらしい。
□「方丈記」の中では、「世の中にある人と栖と、またかくの如し」。この文章は開巻第一の文章、「行く川の流れは絶えずして…」の次の次の文章です。何もかもが儚(はかな)いと言っているようです。
[ろ]甍はいらかと読む
■「甍」は、「屋根の頂上の部分」、あるいは「屋根に葺(ふ)いた棟瓦(むながわら)、瓦」を意味します。端午の節句の主題歌「♪鯉のぼり」の1番の歌詞は、「甍の波と雲の波」と始まり、「高く泳ぐや、鯉のぼり」で終わります。
□「甍」という漢字は、常用漢字表には掲載がありません。漢和辞典「字通」によれば「ボウ、いらか、むながわら」という字音・字訓があります。
□「方丈記」の中では、「玉敷(たましき)の都のうちに、棟を並べ、甍を争える…」と使われていました。[い]の文章の次に続いています。この文章は、「玉を敷いたように美しく、りっぱな都の中で、多くの棟を並べ、その棟の高さを競争しているかのような」という意味だそうです*1。
[は]塵灰はじんかいと読む
■「塵灰」は、「ちりとはい」だそうです。そのまんまですね。おなじ読みで「塵芥」という熟語もあります。こちらは「ちりとごみ」ですね。
□「塵灰(塵芥)に帰す」という言いかたがあります。せっかく作られた人間の営みの結果が単なるゴミになってしまうことらしい。「火山の噴火により、ふもとの町は塵灰に帰した」などと使われます。
□「方丈記」の中では、「…一夜の中(うち)に、塵灰となりにき」と使われていました。平安時代末期、安元(あんげん)3年/治承(じしょう)元年(1177年)に京都で発生した大火の模様を記しているようです。
[に]咽ぶはむせ-ぶと読む
■「咽ぶ」は、「飲食物をのどに詰まらせたり、煙を吸い込んだりして、息苦しくなる」という意味だそうです。咳き込むことも咽ぶといいますね。おなじ読みで「噎ぶ」というむずかしい漢字もあります。
□黒木憲(くろき けん)という渋い歌手の「♪霧にむせぶ夜」という歌がありましたね。昭和43年(1968年)のヒット曲だそうです。高度成長のまっただなかです。空気汚染による公害がひどく、霧の中にも窒素酸化物が多く含まれ、呼吸器障害を多く引き起こしていた。二人の恋人も咳き込むことが多かったねという歌詞になっています。嘘です。
□「方丈記」の中では、「遠き家は煙に咽び、近き辺(あたり)は、ひたすら、焔(ほのお)を地に吹きつけたり」と使われていました。[は]と同様に、大火の様子の描写ですね。
[ほ]辺際はへんさいと読む
■「辺際」は、「はて、かぎり」という意味だそうです。
□「方丈記」の中では、「…死ぬるもの数十人、馬牛の類、辺際を知らず」と使われていました。「(都の3分の1が焼けるという大火で)、亡くなった人が数十人、馬や牛の死んだものははてしない」というような意味らしい。
□京都市内の3分の1が焼失した大火事の割りには死者の数が少ないですね。道が広く、碁盤の目になっているので逃げやすいからかな。江戸時代の大火、たとえば明暦3年(1657年)の明暦(めいれき)の大火では、外堀以内のほぼ全域が焼失しました。死者の数は3万人〜10万人以上ともいわれています。江戸は道がこみいっています。パニックに陥った被災者たちは逃げにくかったのかもしれません*3。
◆参考*1:書籍「方丈記 全訳注」文庫初版、ISBN4-06-158459-6、安良岡康作(やすらおか こうさく)、講談社学術文庫
◇辞書「字通」白川静、平凡社
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞泉
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞林
◇*2HP「常用漢字表」
http://www.bunka.go.jp/kokugo/main.asp?fl=list&id=1000003929&clc=1000000068
◇*3HP「夏になると女性の人口が増える江戸。大岡越前守が受けた説明は?」
http://blog.q-q.jp/200707/article_31.html

ぬけられます→日本語雑学クイズ一覧

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 4
なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
面白い
ナイス

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文
「方丈記」に出てくる漢字・熟語の読み問題。「甍」はなんと読むの? 町人思案橋・クイズ集/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる