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zoom RSS 「衣食住 第一番に 定家入れ」とは百人一首のどんな歌を詠んだ川柳なの?

<<   作成日時 : 2009/04/01 06:57   >>

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★日本語★
問題:江戸時代から昭和の初期まで、中流以上の家庭では百人一首は遊びとして定着していたそうです。テレビもネットも携帯もゲーム機もない時代です。百人一首の娯楽としての存在価値は大きかったらしい。
■落語にも百人一首を取り上げたネタがいくつかありますね。有名なのは「千早振る(ちはやふる)」、「祟徳院(すとくいん)」です。上方落語には「西行鼓ケ滝」という演目があると聞きます。西行法師が主人公なので、枕で百人一首に採用された西行の作品に触れる演者もいるそうです。
■「反故染め(ほごぞめ)」という小咄では、着物の長襦袢(ながじゅばん、下着・部屋着に使うひとえの着物)に百人一首の文句を散らして染めさせた娘の趣向を紹介します。何の間違いなのか、尻のあたりに書かれた歌が「けふここのへににほひぬるかな」。おまたのところの歌が「ひとこそしらねかわくまもなし」となっていたそうで。
■歌を下地にした川柳も数多く作られています。本日は、百人一首のある歌をからかった川柳から、元の歌を当てていただきましょう。下に並べた川柳は、誰のどんな歌をからかっているのでしょうか? 簡単すぎてつまらないかな。
[い]「衣食住 第一番に 定家入れ」
[ろ]「食ふことが 先づ第一と 定家選り(より)」
[は]「百人の かつゑぬように 詠み始め」
[に]「秋の田の 前借りをする 御不勝手」
[ほ]「秋の田へ 白い手の出る お慰さみ」
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★日本語★
正解:天智天皇の「秋の田の かりほの庵の とまをあらみ わが衣手は 露にぬれつつ」
説明:ご存知のとおり、百人一首のいちばん最初に登場する歌です。「秋の田」という言葉も見えていることですし、ほとんどのかたが正解されたことでしょう。歌の意味は、「秋の田に建てた仮小屋にいると、屋根をふいた苫の網目が粗いので衣の袖が夜露にしっとりと濡れてしまった」ということらしい。秋の田んぼの脇に立てられた庵(いおり、掘っ立て小屋)は、稲泥棒を見張るための小屋だという説もあります。昔も今も農作物の泥棒は少なくないようですね。
■米と庵と衣手の三つで「衣食住」すべてについて触れているじゃないか。生活にいちばん大切な要素を盛り込んだ歌を最初に配置したんだなぁ。これが、[い]「衣食住 第一番に 定家入れ」という川柳の意味らしい。[ろ]の「食ふことが 先づ第一と 定家選り(より)」と、[は]の「百人の かつゑぬように 詠み始め」は、米にとくに注目した川柳のようです。
■[に]の「秋の田の 前借りをする 御不勝手」は、御不勝手(ごふかって)がわかりにくいかもしれません。不勝手は、「暮らし向きが苦しい」という意味らしい。「御」がついているので、身分の高い家の家計が火の車であることを表現しているそうです。領地を持っている大名などが、秋に収穫を予定されている分まで商人に前借りをしている図のようです。
■[ほ]の「秋の田へ 白い手の出る お慰さみ」は、「白い手」という表現が面白いですね。田で作業する人の手は、かりに若い女性であったとしても、肉体労働者の手です。白い手であるはずはありません。白い手はブルジョワ階級のものであり、「お慰み(遊戯)」だからこそ出てくるわけですね。
■「秋の田を 1枚下女へ 嫁ゆずり」という川柳もありました。多くの場合、百人一首は下女よりも嫁が強かったらしい。下女は嫁ほどには勉強や遊びに費やす時間がなかったのでしょう。嫁さんばかりが札をとっては座が白けます。下女に花をもたせたい嫁は、下女がいちばん知っていそうな歌でわざと札に手を出さない。いいですね。このぐらい気配りのある女性なら、嫁ぎ先でうまくやっていけるでしょう。なお、田んぼも歌がるたも1枚2枚と勘定します。「嫁の世辞 先づ秋の田は 刈残し」という川柳も、嫁の遠慮をあらわしていると思われます。
◆参考*1:書籍「江戸川柳で読む百人一首」阿部達二著、ISBN4-04-703328-6、角川書店

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