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zoom RSS お役所の方言。「進達中」というのは中学校の名前じゃないの?

<<   作成日時 : 2009/04/16 07:49   >>

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★日本語★
問題:参考資料*1の「外来語・役所ことば 言い換え帳」という本には、お役所で使われる言葉の言い換えかたが掲載されています。なかなか面白い。
■たとえば「疎明(ソメイ)する」は、「根拠を明らかにする」という意味だそうです。「疎明資料」は、「証拠となる資料、根拠となるもの」という意味らしい。
■「疎明」は、「大辞泉」によれば、「いいわけ、弁明」とあります。もうひとつの意味としては、「確信ではなく、確からしいという推測を裁判官に生じさせる当事者の行為」とのこと。「証明」ほどの確かさはないけれど、裁判官にそうらしいという印象を持たせることのようです。ふ〜む。使ったことのない言葉ですね。
■参考資料*1には役所独特の略語も掲載されています。「マル退」というのは、「退職者医療証」のことだそうです。同様に「マル老」は、「老人医療証」のことらしい。こんな符丁をうっかり一般の人に使ってしまうことがあるのかな。おそらく通じないでしょうね。形としては、「マルサ」とか「マルボウ」に似ています。マルサは国税局の査察部や査察官の通称とのこと。マルボウは暴力団のことだそうです。どちらもかつては隠語でしたけど、いまでは「大辞泉」にもとりあげられています。「マル退」と「マル老」はまだ辞書に掲載されるには至っておりません。
■では、お役所でよく使われる次の専門用語・略語の言い換え例のうち、正しいものはどれでしょうか?
[い]「生保の調査を行なう」は、「生命保険の調査をする」と言い換えられる
[ろ]「予算を按分(アンブン)する」は、「予算をなるべく多く獲得する」と言い換えられる
[は]「各般(カクハン)にわたる支援を」は、「さまざまな支援を」と言い換えられる
[に]「進達(シンタツ)中です」は、「現在、工事が進んでいます」と言い換えられる
[ほ]「附款(フカン)に充分注意して」は、「想定される緊急事態に注意して」と言い換えられる
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★日本語★
正解:[は]が正しい
説明:[い]「生保の調査を行なう」は、「生命保険の調査をする」と言い換えられる(×)
■正しくは、「生活保護の調査をする」だそうです。これは割りと簡単でしょうか。お役所で扱っているのは生命保険や損害保険や火災保険ではなくて健康保険や介護保険であるというのは、よく知られています。
□お役所の略語には、「国調」というのもあります。「国勢調査」です。「特徴」というのは、「目立つ点」ではなくて「特別徴収」のことだそうです。「社協」、「社教」というのは、「社会福祉協議会」と「社会教育」の略語らしい。「外登」は、「外国人登録」だそうです。ちなみに「外套」はオーバーコートのことです。失礼。これはご存知でしたね。
[ろ]「予算を按分(アンブン)する」は、「予算をより多く獲得する」と言い換えられる(×)
■正しくは、「予算を割り振る」ということらしい。「按分」は「案分」とも書きます。「基準となる数量に比例して物を分けること」だそうです。「各班の人数に応じて食料を按分する」などと使うらしい。
□「按」という漢字は、常用漢字表には掲載がありません。漢和辞書「字通」によれば、「アン、おさえる、しらべる」という字音・字訓があります。そもそもは「抑圧する」という意味のある漢字らしい。みんなが予算をくれと手を出すのを制止し、調べて分けるから「按分」なのでしょうか。
[は]「各般(カクハン)にわたる支援を」は、「さまざまな支援を」と言い換えられる(○)
■「各般」は、「いろいろ、さまざま」という意味だそうです。「諸般」と似ていますね。「各般の事情にかんがみ、各般の施策を立案し、主管課に予算を按分した」なんていえるのかな。なお、「主管課」は「担当課」という意味とのこと。
□お役所でよく使われる似た形の言葉としては、「今般(コンパン)」というのもあります。「このたび、今回、今度」という意味です。「今般の各般の不祥事には諸般の事情があり…」といえば、「このたびのさまざまな不祥事にはいろいろな事情があり…」という意味らしい。
[に]「進達(シンタツ)中です」は、「現在、工事が進んでいます」と言い換えられる(×)
■「進達」とは、「上申書など、下からの書類を取り次いで上級官庁に届けること」だそうです。また、「進歩・向上する」ことも「進達」というらしい。「進達中」という形でお役所で使われるときには、「書類の手続き中」と同義らしい。中学校の名前にもありそうですけどね。
□ある自治体の事務管理システムの仕様書というのがネットにありました。何に使うのかはよくわかりませんが、「未進達/進達中/進達完了の区分で進達状況を表示する」仕様になっているらしい。画面上で電子の書類を扱うようになってもお役所用語は滅びないようですね。
[ほ]「附款(フカン)に充分注意して」は、「想定される緊急事態に注意して」と言い換えられる(×)
■正しくは、「付随的な制限や条件に充分注意して」と言い換えられるらしい。「附款」の「附」という漢字は、常用漢字表では「フ」という音読みだけが記載されています。漢和辞書「字通」によれば、「つく、つける、あわせる、したがう」という字訓があるとのこと。「付」という漢字と意味も形も似ているようです。
□「款」という漢字は、常用漢字表では「カン」という音読みだけが記されています。漢和辞書「字通」によれば、「まこと、よろこぶ」という字訓もあるとのこと。「約款(ヤッカン)」という熟語をつくります。「条約や契約に定められている個々の条項」という意味だそうです。保険関係などでよく使われますね。
◆参考*1:書籍「外来語・役所ことば 言い換え帳」杉並区役所区長室総務課編、ISBN4-324-07684-7、ぎょうせい
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞泉
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞林

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